エンタメ・アイドル
元「東京パフォーマンスドール」木原さとみ「アイドル時代は、いつもどうやって逃げ出そうかと(笑)」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.11.06 16:00 最終更新日:2020.11.06 16:00
「10年ぶりの原宿です(笑)」
かつてライブハウス「原宿RUIDO」があった場所を、感慨深い面持ちで見つめるのは木原さとみ。1990年代に、ノンストップで歌いダンスするスタイルでアイドルシーンに革命を起こし、篠原涼子などを輩出した東京パフォーマンスドール(TPD)のリーダーだった。伝説はここ原宿から始まった。
【関連記事:絶好調ドラマ『相棒』 主役の水谷豊を食った女刑事役・篠原ゆき子に問い合わせが殺到】
「当時の出来事は、こと細かに覚えているんですよ。(篠原)涼子ちゃんと会うと、TPDを結成する前の話をよくします。私と涼子ちゃんが最初のメンバーで、2人ともソロでアイドルデビューできると聞かされていたんです。
そこから2人でユニットを組むと言われて、今度は川村知砂ちゃんを加えて3人組だと……そこからどんどん増えていって、気がついたら7人になっていました(笑)」
原宿RUIDOで毎日ライブを地道に積み重ねながら、口コミだけでファンを広めていった。アイドルグループとしてはAKB48などのさきがけ的な存在でもあるTPD。毎日リハーサルとライブの繰り返し。夢に描いていたアイドル像とのギャップに、結成当時は悩んでいたという。
「松田聖子さんのようなアイドル歌手に憧れてこの世界に入ったので、いきなりダンスレッスンをすると言われてびっくりしました。夜中までリハーサルをすることもあって、遊びたい盛りなのに、とにかく自由な時間がありませんでした。
ファンも最初は数人しかいなくて、先が見えず、不安で、メンバーとはどうやって逃げ出そうかといつも話していましたね(笑)。
実際にRUIDOの裏口から、メンバーみんなで外に出たこともあります。夜の街を彷徨いながら、『このままいなくなるのもありだよね』って……結局、誰も逃げ出す勇気がなくて、怖いよねって帰りましたけど(笑)」
100人、500人、1000人……と徐々にファンは増えていき、1993年には日本武道館、1994年には横浜アリーナでの公演を成功させ、テレビ番組でも数々のレギュラーを抱える存在にまで上り詰めた。
「いかにメディアに露出せずに、ライブに人を集めるかっていうところにチャレンジしたグループでした。今みたいにSNSのない時代に、口コミだけでよくここまでこれたなと。
やっぱりターニングポイントは、1992年に発売した小室哲哉さんプロデュースの『十代に罪はない』だと思います。なんかスタッフさんがざわついているというか、いつもと違う感じがありました(笑)。
そこからPV撮影のカメラの台数も増えたし、台湾でソロ写真集を撮らせてもらったり、タレントっぽいことをやらせてもらえるようになりましたね」
木原さんは1995年にグループを卒業後、デザイナーやインテリアコーディネーターとして活動。2007年に結婚し、現在は11歳の息子を持つ母親だ。TPDメンバーとの交流は続いている。
「卒業後5~6年はメンバー全員と音信不通で、何をやっているかもわからない状況だったんですが、たまたま穴井夕子と会ったんです。家も近くて、そこからよく会うようになりました。他のメンバーもいろんな人に聞いて、探し当てた感じです(笑)。
(八木田)麻衣ちゃんなんかは、ようやく連絡がとれて、私の住所だけ伝えると、後日いきなりスクーターで家まで来ました(笑)。涼子ちゃんとは、コロナになってからは会えてないですが、連絡は取り合っています。毎年誕生日にはおめでとうメール送り合う仲です」
2013年には、全国8800人の中から選び抜かれたメンバーでTPDが復活。今年はグループ誕生から数えて30周年のアニバーサルイヤーとなる。11月18日には、30周年記念アルバム『20 BEATS 20 TALES』が発売。先代TPDと、新生TPDのコラボ曲も収録されている。
「1992年にリリースした『放課後はいつもパーティー』っていう曲なんですが、歌詞が恥ずかしい感じで、この年で歌っていいのかって……(笑)。でも、当時を思い出して張り切って歌いました! 悪目立ちしないかなって心配していたんですけど、声はなじんでいたので一安心です(笑)」
きはらさとみ
1971年7月4日生まれ 福岡県出身 東京パフォーマンスドールの元リーダー。1995年に卒業するとデザイナーやインテリアコーディネーターとして活躍。2007年に結婚。1児の母。2014年、インターネットラジオ『帰ってきたパフォーマンスドール TPD RETURNS』のパーソナリティを担当。11月18日には、30周年記念アルバム『20 BEATS 20 TALES』が発売。そのほか最新情報は、公式Twitter(@satop3103)、Instagram(@satop0704)にて
写真・梓沢真弓