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高橋和也「ジャニーさんがまた会わせてくれた」男闘呼組メンバーとの“復縁”

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.11.07 06:00 最終更新日:2020.11.07 06:00

高橋和也「ジャニーさんがまた会わせてくれた」男闘呼組メンバーとの“復縁”

 

「2019年、ちょうどここが50周年で、お祝いのイベントをしたんですよ。男闘呼組のころから、12月31日はここでカウントダウンライブをやるのが、僕の恒例の年越しです」

 

 高橋和也が “ここ” と愛情をこめて呼ぶ店は、東京・新宿にある「マローネ」。高橋の実父・三千男さんが経営する、カントリーバーだ。名物はチリビーンズ。ビールに合わせるとたまらない。

 

 

「アメリカ南部のお母さんたちにとって、チリビーンズはうまく作れなきゃまともな嫁になれない、といわれる料理。日本の味噌汁みたいなものですね。父がアメリカ人の女性からレシピを教わって、そのとおりに作り続けている伝統の味なんです。

 

 寸胴鍋に玉ねぎをいっぱい入れて、水は一切使わない。ひき肉、チリパウダー、オレガノなどと秘伝のスパイスを加え、3日間ぐつぐつ煮込むんです。アメリカ人が食べても喜ぶ味です」

 

 さっそく高橋もビールと一緒にチリビーンズを。「うーん、うまい」。屈託のない笑顔は、まるで少年のよう。高橋にとって、子供のころから店へ通っては食べてきた、慣れ親しんだ味だ。

 

「この向かいに、モデルガンのショップがあってね。子供のころから刑事ドラマをよく観ていて、ピストルが大好きだったんですよ。お年玉を貯めては、モデルガンを買いに来てました。

 

 芸能界に入ってからは、厚生年金会館のコンサートの打ち上げで。俳優の仕事をするようになってからは、紀伊國屋ホールやシアターモリエールでの公演中に、一杯やったり。共演した方たちも足を運んでくれて、“もうひとつの実家” みたいな感じですね」

 

 壁には、店を訪れた俳優・歌手など、錚々たるメンバーが笑顔で収まった写真が貼られている。高橋が、多くの人に愛されている証しだろう。15歳で芸能界入りした高橋にとっては、父になんでも話せる、心の拠りどころでもあった。

 

「僕はジャニーズ事務所の合宿所に入っていたので、ここが唯一、父と会話する場所でもあった。頼るものもない世界ですから、よく父に相談したりアドバイスをもらったりしましたね。今もこのカウンターに座って、いろんな話をします。お酒が入ると話しやすいこともあるしね(笑)」

 

「マローネ」は、一緒に音楽をやる仲間との出会いの場でもある。高橋は現在、カントリーミュージックを演奏するバンド「ドライビング・カウボーイズ」でも活動している。

 

「40歳を過ぎたころに、『カントリーバーの息子が、カントリーを歌えないのもな』と。それで、父のコレクションの古いアナログ盤を聴いてたら、ハマっちゃって。妙に、この温かさとゆるさが心地よくなってきたんですよ。山梨の大自然の中に別荘があるんですが、そこでレコーディングもしました」

 

 男闘呼組時代はロックを演奏していたが、ずっと音楽活動を大切にしてきたという。

 

「俳優の仕事が音楽にも影響を与えているし、音楽をやり続けることが俳優活動にも影響を与えている。自分の中では、俳優の仕事と音楽の仕事は両輪のようなもの。

 

 とはいえ、映画で重い役を演じるときは、3カ月ぐらい役に没頭して、ギターの弦一本にも触れないですよ。だけど、撮影が終わってホッとしたときに、ギターにふと手が伸びる。 最初はリハビリみたいな感じで、それがだんだん新しい曲を作りたいっていう野心に変わっていくというかね。

 

 俳優も音楽もなくてはならない、とっても大切で必要なものなんです。コロナの自粛生活で別荘にこもっていた時期も、音楽の大切さを痛感しましたね」

 

 コロナ禍のなかで、友情が復活した関係もあった。

 

「2019年、ジャニー(喜多川)さんが亡くなりましたよね。あのちょっと前ぐらいから、前田耕陽くんと成田昭次くんと岡本健一くんの4人でやり取りするようになって。友達として関係が復活したというか、近くなったというかね。『これはジャニーさんが、また出会わせてくれたんだろう』って僕らは思っているんだけど。

 

 これまでは、それぞれの仕事があるから、『また集まろう』っていう発想はなかったんだけど、コロナ禍で芸能活動が止まって時間ができたら、そんな考えにもなって。

 

 前田耕陽くんとは、男闘呼組がデビューした8月24日にセッションをして、ユーチューブにアップしたんですよ。そしたら多くのファンが喜んでくれてね。『今でもこうやって昔の友達と一緒に音楽ができるのは、幸せなことだな』って。外出自粛も、悪いことばかりじゃないなって思いました」

 

 高橋は2020年、デビュー32周年を迎えた。10月からは話題のドラマ『24 JAPAN』(テレビ朝日系)、11月29日からは舞台『幸福論~能「道成寺」「隅田川」より』(シアタートラム)に出演と活躍が続く。

 

「32年、けっして楽ではなかったですから。芸能界のきつい洗礼も受けたし、悔し涙も何度も流したし、怖さも思い知らされたし(笑)。でも、自分にはこれしかなかったし、満足がいく仕事ができたときに自分だけがわかる充実した気持ちは、ほかには代え難いですから。

 

『24』で演じている謎の男は、好みの役なんで、すごく楽しくやっています。基本的に、不良が好きなんです(笑)。今日も、この格好で電車に乗って来ました」

 

 外出自粛生活でよかったことが、もうひとつ。それは、自分が料理好きだと気づいたこと。

 

「別荘にこもっている間、地元の農家の方にいただいた野菜でいろいろ作っていたら、楽しくなっちゃって。そうそう、このチリビーンズは、僕も作れるんですよ。父からしっかり教わりましたからね」

 

 チリビーンズを食べる高橋は、じつにいい顔をしていた。


たかはしかずや
1969年5月20日生まれ 東京都出身 1988年に男闘呼組としてデビュー、人気を博す。1993年に解散後は映画『KAMIKAZE TAXI』(1995年)で俳優活動を本格的に開始。以後、舞台『眉山』(2007年、2009年)、映画『新聞記者』(2019年)など舞台・映画・音楽活動で幅広く活躍。現在は、ドラマ『24 JAPAN』(テレビ朝日系)に出演中。11月29日から舞台『幸福論~能「道成寺」「隅田川」より』(シアタートラム)に出演予定

 

【SHOP DATA/マローネ】
・住所/東京都新宿区新宿3-28-2 フクモトビル2階
・営業時間/18:00~25:00(LO24:30)
・休み/月曜日

 

(週刊FLASH 2020年11月10・17日号)

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