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堀江貴文、モンゴルで考える/通貨をビットコインにしてみたら
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.11.28 16:00 最終更新日:2020.11.28 16:00
アフリカからヨーロッパ、南北アメリカ、アジア、そして日本各地を旅してきたホリエモンは、現地で何を見て何を考えたのか、今回はモンゴル編だ。
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2017年の7月、モンゴルを旅した。実に14年ぶりの訪問だ。
以前にウランバートルを訪れたときは、長く続いた共産主義国家の色が濃く残り、どこへ行っても閑散としていた。ろくに街灯もなく、はっきり言って、ど田舎だった。しかも季節は真冬で、凍死するかと思うぐらい寒かった。
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それからだいぶ時間が経った。ビジネス相手から、モンゴルの話を聞くことが増えたが、実際はどうなのだろう。
ウランバートルは、僕の知っているモンゴルとはぜんぜん違う街になっていた。前回と比べて街全体が10倍ぐらい洗練された印象だ。ホテルの宿泊費も高い。
モンゴルは2010年ごろから、国内に埋蔵する莫大な鉱物資源が世界から注目されるようになり、中国など資金の豊富な国から投資が相次いだ。2013年の世界の経済成長率ランキングでは、実にアジア内で第1位となっている。
2019年のモンゴルの国民1人あたりのGDPは4200ドル以不。だが、この数字は、所得に大きな格差がある遊牧民も合わせたものなので、ウランバートル市内だけで考えれば、もっと高くなるだろう。すでに発展途不国の域を出ようとしている。
今回のモンゴルの旅程は、友人の元横綱・朝青龍のアテンドだった。朝青龍とは知り合いを通じて2005年頃に出会い、仲良くなった。当時は彼も若くて、お酒の量もすごく、やんちゃな暴れん坊だったが、母国に帰った後は、国を代表する実業家として、落ち着いたようだ。
ウランバートルで合流後、ヘリコプター移動で彼のファミリーが経営する「ドリームランド ツーリストキャンプ」を訪れた。ここは遊牧民の住居・ゲルを現代風にアレンジした宿泊施設だ。
そして、モンゴル産の高品質なカシミヤ製品を扱うアパレル会社「ゴビカシミヤ」の視察、草原での乗馬体験、郊外にあるとてつもなく巨大なチンギス・ハーン像に登るなど、モンゴルならではのアクティビティを体験した。
道中で、現地の人からモンゴルのIT事情について教わった。
モンゴルの国民には全員、政府から番号を振られたIDカードが配られているらしい。今後は電子署名が使えるシステムへの移行計画も進んでいるという。
モンゴルは資本主義になったのが近年なので、社会に既得権益層が少ない。300万人程度のコンパクトな国家のサイズも利点となって、先進的なITインフラの導入が積極的に行えたようだ。アフリカと同じようなリープフロッグ現象(途中を飛び越して一気に最先端の技術に到達すること)がここでも進んでいる。
モンゴルはアジアのなかで、新型コロナの封じこめに成功している国のひとつだ。これは小回りの利く国政と、共産主義国だった頃の統制力が、活きていると考えられる。
朝青龍の紹介で、政府のIT担当の官僚と会食をした。政府の高官なのに、僕より年下だった。彼らはとにかく若い。友だちみたいに会話ができる。ゆくゆくはモンゴルの通貨をビットコインにしたいね、などと意見を交換してきた。
そういう先進的な話がすんなりできる感性が、政府の舵取りの中心に関わっているのは、素晴らしいことだと思う。まだまだ国としての経済力は日本には遠く及ばないが、テクノロジーの進化と、経済発展の真っ只中にいる彼らは、マインドが前向きだ。
「今日より明日の方が幸せになる」と信じている、日本が失ってしまった希望の景色が、モンゴルには広がっていると感じた。
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以上、堀江貴文氏の新刊『それでも君はどこにでも行ける』(光文社)をもとに再構成しました。新型コロナウイルスにより海外渡航が制限されるなかでも、人はマインド次第で「どこにでも行ける」。コロナ禍を生き抜くヒント満載の1冊です。
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