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『天国と地獄 〜サイコな2人〜』綾瀬はるかも悪に?予測不能な物語を予測してみた

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.01.24 11:00 最終更新日:2021.01.24 11:00

『天国と地獄 〜サイコな2人〜』綾瀬はるかも悪に?予測不能な物語を予測してみた

 

 1月17日(日)放送の第1話が平均視聴率16.8%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)を記録し、ロケットスタートとなった綾瀬はるか主演ドラマ『天国と地獄 〜サイコな2人〜』(TBS系)。

 

 1話ではサイコパスな殺人鬼・日高陽斗(高橋一生)と、彼を逮捕しようと追っていた捜査一課の刑事・望月彩子(綾瀬はるか)が、同時に階段から転がり落ちて魂が入れ替わってしまうところまでが描かれた。

 

 

 彩子は融通が利かず一直線なところもあるが、正義感が強い努力家という設定で、一見すると刑事ものドラマの主人公らしいキャラクターに見える。そのため彩子がどのようにして元の体に戻り、殺人鬼・日高を逮捕するかが描かれる物語だと思うかもしれない。

 

 しかし、彩子に微妙な違和感を抱かされるシーンもあり、本作は “元の体に戻って殺人鬼を逮捕してハッピーエンド” なんていう安直な結末にはならないだろうという、不穏な空気感をまとっている。

 

 1話ラストの彩子のナレーション。

 

 日高の魂が入っている自分自身と対面した際に、彩子の声で、

 

「それは私のはずだった。こいつを追い詰め、手錠をかけ、手柄をあげ、みんなを見返し……。あと一歩だったのに、どうして……? どうしてこんなことになってるんだろう……? こいつはサイコパスでシリアルキラーで、悪魔だ」

 

 というナレーションが流れたのである。

 

 さて、彩子の正義感は、はたして本当の意味での正義感なのか?

 

■綾瀬はるかが正義とは限らない

 

 殺人鬼・日高を逮捕したいという彩子のモチベーションは、これ以上被害者を出さず、悲しい思いをする人が増えないようにすること……というよりは、大手柄をあげて自分をバカにする上司や同僚を見返したいという気持ちのほうが強く描かれている。

 

 よく言えば上昇志向だが、それは過剰な自己顕示欲とも取れる。

 

 彩子の正義感の源泉が自己顕示欲から来るものだとするならば、物語が進むにつれて彼女の正義感や倫理観が揺らいでいくのではないだろうか?

 

 実際、今夜放送の第2話では、日高(体は彩子)から、「出頭して一生を塀の中で過ごすか、それとも自分と協力して容疑を晴らすか」と二択を迫られた彩子(体は日高)は後者を選び、日高の連続殺人の証拠を隠滅しようとする。

 

 もちろん、殺人鬼の体に入った彩子が逮捕されても、彩子の体に入っている本当の殺人鬼がのうのうとシャバにいるようでは大問題。また次の被害者を生み出す可能性もあるため、唯一真実を知っている自分が捕まって刑務所に入れられるわけにはいかないという思いもあるだろう。

 

 だが自分は捕まりたくないという保身もあるように感じる。重要な証拠が警察に見つからないように隠す彩子は、すでに倫理観に亀裂が入り始めているのかもしれない。

 

 そもそも、である。サブタイトルは『サイコな2人』。2人ともサイコパスであることを、最初から謳っているのだ。

 

 本作は刑事(女性)と殺人鬼(男性)が入れ替わることで複雑化していくわけだが、同時に善と悪が入れ替わることで、その境界線が曖昧になっていくストーリーなのではないか。

 

 1話冒頭、夜の海岸にたたずむ彩子が背後から近づいて来た日高に撲殺されそうになる夢を見て、彩子は目を覚ます。これは彩子が日高に殺される暗示ではなく、彩子(体は日高)が日高(体は彩子)を殺すという暗示とも考えられる。

 

 余談だが、オッフェンバックの曲と同名である『天国と地獄』をメインタイトルに持ってきておきながら、オープニング曲にはベートーヴェンの『運命』を使用している点にも違和感があった。これも何かの伏線か……?

 

 気になる第2話は本日21時からオンエアである。

 

堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

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