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『さんま御殿』でブレイクの兆し…芸歴22年め「野田ちゃん」“今年は売れる!”謎の自信の理由
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.02.17 20:00 最終更新日:2021.02.17 20:00
芸歴22年。45歳の現在まで、ひたすらポジティブに「今年は売れますわ!」と、本気で言い続けてきた練馬出身のピン芸人、野田ちゃん(45)に、ようやくスポットライトが当たりはじめている。
ハリウッドザコシショウ、アキラ100%、バイきんぐや錦鯉など、群雄割拠のお笑い事務所「SMA」で雌伏の日々を過ごしてきた。「『今年は売れる!』って、毎年思ってましたわ。気がついたら40歳を過ぎてました」という、中年で売れていない芸人定番の自虐ネタから、インタビューは始まった。
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「『芸人なんかやめろ』って大反対してた親が、もう反対する元気がないっすわ! 野田ちゃんの粘り勝ちっすわ!」
「弟2人はちゃんとしてるのに、長男のお前は何やってるんだって怒り続けてきた親から、『時間の融通が利く』っていちばん頼りにされてますわ! 平日の昼間、体空きますわ!」
「話し相手になったら小遣いくれる老人、何人か知ってますわ!」
そう、明るく “地獄” を語る野田ちゃん。彼はいったい、どんな人生を歩んできたのだろうか。
「高校生のころ、芸人になりたいと思ってたんですけど、うっかり進学校にいたので、全員大学に行くような環境。そのタイミングで東京NSCに行ってれば一期生だったんですけど、飛び込む勇気もなくて。冒険じゃないですけど、変化を求めて地方の大学を選んだんです」
野田ちゃんが入学したのは、国立の大分大学。自分を変えたいと選んだはずだったが……。
「怖くてお笑いを積極的にやろうとはしなかったんです。本当はやりたいのに、スカして見てた感じですよ。そのまま、何もしないで卒業を迎えたんです」
卒業した野田ちゃんは、なぜか東京の北区・十条にいた。
「就職も決まってたんですけど、お笑い芸人になりたいって言ったら、親が大反対しまして(笑)。親から逃げ回って、練馬に実家があるのに十条で家賃2万円のアパートを借りて、そこで芸人を目指すことにしたんです」
ムチャクチャである。完全に “冒険” の方向性を間違えている、野田ちゃん。この時点で、どうやって芸人になるかなどの道筋はまったく見えていなかったのだから、無謀にもほどがある。
「ひとまず十条に落ち着いて、最初に見つけたのが水道メーター検針のバイト。今ウチの事務所の芸人がみんなやってる、お馴染みのバイトなんです。じつは僕が最初なんですよ。何しろ、今もやめてませんからね(爆笑)。芸歴より水道メーター検針歴のほうが長いっすわ」
家賃はなんとか払えるようになったが、ライブに出るツテもなく、どうやって芸人になればいいのかと悶々とする日々を過ごした。
「そこで、吉本(興業)さんの渋谷公園通り劇場が、ネタ見せオーディションをやっているのを知ったんです。そこに、なぜか一発で受かっちゃったんですよね」
渋谷公園通り劇場は、ロンドンブーツ1号2号や極楽とんぼ、爆笑問題などの人気芸人たちが若手時代に出演していた伝説の箱だ。野田ちゃんの芸人人生が、ついに始まった。
「夏に受かって、同級生と『ラッパリオ』ってコンビ名で3回くらい出たところで、劇場が潰れました(笑)。ゴングショーに出てただけなんで、所属の話とかもなかった。それで出られるライブを探したんですけど、ノルマ1人5000円とか言われて。同級生の相方は、『なんでカネ払ってまでやらなきゃいけないんだよ!』って怒り出して、解散ですわ(笑)。
そこから7年くらいは、“フリー芸人と言い張ってる” フリーター。ただ、公園通り劇場で芸人仲間は増えたんです。一緒に路上ライブやったりしてましたね」
芸人仲間と「トンコツ荘」なるコンビを組み、インディーズライブに出ながら、水道の検針をする日々。あっという間に野田ちゃんの20代は過ぎていった。
「トンコツ荘の相方は、今はアメリカにもチェーン店がある『ラーメン荘 夢を語れ』っていう会社の会長になってますね。彼も芸人やめちゃったので、その後に組んだ『チャーミング』ってコンビで、誰でも入れる状態だったSMAに所属することになります。29歳のときですね」
2017年ごろ、手応えのあるネタが完成し、周りからの評価も上々。「M-1」でもいいところまでイケるんじゃないかと、野田ちゃんはテンション爆アゲ状態になっていた。
「そのときに気づいたんですよ。これで売れたら、相方とずっと一緒にいなきゃいけなくなるなって(爆笑)」
そうして、初めて事務所に正式に所属するコンビとなったチャーミングを、2018年に解散することに。原因は?
「方向性は同じだけど、性格の不一致です(笑)。性格不一致で、よく14年も続きましたねえ。でも、ネタでも言ってるんですけど、僕、前向きなんで、毎年『今年はイケるんじゃねえか!』って本気で思ってたんですよ。心が折れるってことがなかったんです。勘違いする才能だけは、あるんですよね」
ピン芸人となった野田ちゃんだが、謎の自信は継続。
「『俺、ピンになっても全然イケるな!』って思ってましたし、1年めの『R-1』で準決勝まで行きましたからね。もう売れるだろうと(笑)。2020年、芸歴制限(10年以内)に引っかかって出られなくなっちゃったんですけど……」
2020年末、年越し特番の『おもしろ荘2021』(日本テレビ系)に出演。大爆笑をかっさらい、ツイッタートレンド3位に「野田ちゃん」が入る快挙を成し遂げた。一気に注目され、2021年1月には芸歴22年めにして、『ぐるナイ ゴチSP』(日本テレビ系)や『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に出演した。
「『さんま御殿』の前の日は寝れなかったですよ、怖くて。始まったら、さんまさんはスゴかったですね。何を言っても、おもしろくしてくれる。『俺なんかが、いろいろ考える必要ないんだな』って。
あと、四千頭身の後藤くんがイジってくれましたね、カットされましたけど(笑)。ロッチの中岡さんも、さんまさんに僕の説明してくれるんですよ。皆さんに助けてもらいましたね」
強烈に芸人になることに反対していた両親は、どのような反応だったのだろうか。
「うちの母親は『売れた、売れた! 芸能界で成功した!』って親戚中に言い回ってますね(笑)。前向きなのは血筋でした。なんかあったら、すぐテレビ出ますよ、あの母ちゃん(笑)。
今は、3月6日にある芸歴11年以上限定の一人芸イベント『R-1ぐらんぷりクラシック~集え!歴戦の勇士たち~』に出るのが目標です。35組出られる配信ライブですね。野田ちゃんなら、余裕で出られますわ! 最終的には、国がなんとかしてくれるっしょ! 余裕っすわ!」
令和の超ポジティブ芸人、野田ちゃん45歳。今後の活躍に期待っすわ