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名曲散歩/沖田浩之『E気持』コーラスに元おニャン子が参加していた
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.02.21 16:00 最終更新日:2021.02.21 16:00
東京・神田の古いビルの2階。そこには夜な夜な紳士淑女が集まり、うんちくを披露しあう歌謡曲バーがあるという。今宵も有線から、あの名曲が流れてきた。
お客さん:お、このイントロは沖田浩之の『E気持』。1980年代はじめの明るいアイドル歌謡、ちょっと意味深な歌詞にドキドキしたもんだ。
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マスター:1981年にリリースした沖田浩之のデビュー曲で、『ザ・ベストテン』(TBS系)では初登場6位だった。沖田浩之といえば『3年B組金八先生』(同局系)の第2シリーズで、屈折した不良少年を演じて人気者になった。
お客さん:学ランの下からのぞく赤いTシャツに憧れたなあ。ただ、ドラマで3月まで不良だったヒロくんが、卒業したらすぐにこんな明るい歌!?とは思ったね。
マスター:作詞は阿木燿子、作曲は筒美京平、そして編曲は船山基紀だ。明るい曲調になったのは、当時、筒美京平から絶大な信頼を寄せられていた船山のアレンジによるものが大きいと思う。
お客さん:ふむふむ。
マスター:たとえば、イントロで女の子がチアリーディング風に歌う「A!B!C!」っていうコーラス。冒頭から底抜けに明るい雰囲気になっている。あれも船山のアイデアだという。
お客さん:3人か4人で歌っているね。
マスター:ちなみに、そのなかの1人が、のちにおニャン子クラブ会員番号13番になる内海和子なんだよね。当時、平尾昌晃音楽教室に通っていて、選抜されたという。これは知られざる事実!
お客さん:またずいぶんコアな情報だね。
マスター:沖田浩之はこのあと『半熟期』や『はみだしチャンピオン』、アニメ『キャプテン翼』の主題歌『燃えてヒーロー』などで歌手活動しつつ、俳優に軸足を移していく。ドラマ、映画、舞台で活躍したが、ご存じのとおり、1999年に自ら命を絶ってしまった。
お客さん:悲しい最期だったね。それにしても、「大人は昔の自分を忘れてしまう生き物」という歌詞が、この年になると身に染みるねえ。
おっ、次の曲は……。
文/安野智彦
『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)などを担当する放送作家。神田で「80年代酒場 部室」を開業中
参考:船山基紀『ヒット曲の料理人 編曲家・船山基紀の時代』(リットーミュージック)