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池田エライザ、売れっ子女優が前代未聞の映画監督に…原点は「黄色い帽子の小学生」

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.03.26 20:00FLASH編集部

池田エライザ、売れっ子女優が前代未聞の映画監督に…原点は「黄色い帽子の小学生」

 

 ここ1年で、女優として『名建築で昼食を』(テレビ大阪・BSテレ東)、『FOLLOWERS』(Netflix)、『左ききのエレン』(MBS・TBS)と主演作が相次ぐ、女優・池田エライザ(24)。演じる側で活躍を見せる一方、公開中の『夏、至るころ』では、映画監督デビューを果たした。

 

 

 20代の売れっ子女優が裏方にまわり、商業映画の監督を務めるということ自体、日本映画史上ほかに類を見ない。その舞台裏を、本人が明かした。

 

「俳優としてのお仕事以上に、『スタッフのみなさんが、どういう願いを持ってゼロから映画を作られているのか』を、私も知りたいと強く思ったのがきっかけです。

 

 これまで演者として、脚本をいただき、現場に行ってお芝居をして、クランクアップ後に出演者として舞台挨拶をしてきました。でも自分が忙しくなると、脚本の読み合わせにすら参加できないこともあって。現場の温度感を共有できない “寂しさ” を感じていました。

 

 同時に、“ものづくりの気質” というか、性格的な裏方志向は、ずっとあって。それで、自分でも作る側として映画に関わっていきたいと思うようになったんです」

 

 池田は、映画を撮ると決意して以来、自身が演者として参加する現場で、技術スタッフの輪の中で昼食をともにしながら質問するなど、積極的に “生きた” 撮影技術について学ぶようになった。

 

「いずれ監督をやるとき、円滑に現場を進めるためにも、『私の “頭の中の画” を技術部のみなさんに、なるべく近いかたちで共有できるようになりたい』と思っていました。そのために、同じ職場にどういうプロの技術者の方がいて、どんな仕事をされているのかということを、具体的に把握したかったんです。

 

 それから、これも私の性格ですが、『知らないことを知る』という意味での勉強が好きで。現場では “機材が目につく” といいますか、自分がどういう機材に囲まれているのか知りたいという知的好奇心がありました。

 

 現場でお聞きしたことは、だいたい覚えています。たとえば、『あの女優さんには、赤みのある照明じゃなくて、ちょっと白っぽいほうがいいんだよね』というお話。どうしてだろうと質問していくと、『それはね、皮膚の厚みの違いなんだけど……』と話が進んでいきます。

 

 あとは、撮影用カメラのレンズの名前や機能、それから『スカイパネルといって、雨の日も晴れにできる魔法のパネルがあるんだけど、借りると高いんだよね』といった機材の知識も教えていただきました」

 

 一方、技術部のトップである監督たちから学んだことは、手法よりも「芝居に集中できる環境づくりの大切さ」。それが、池田自身が『夏、至るころ』の現場づくりをするにあたり、もっとも大事なテーマのひとつだった。

 

「撮影監督の今井孝博さんと、録音部チーフの菰田慎之介さんは、『この方がいい!』と、自分から声をかけさせていただきました。お2人とも意見はしっかり言いながらも、喧嘩にならずに意見を言い合える関係性でいてくださって。その意味で今回の『池田組』は、家族みたいにすごく穏やかでした。

 

 それがよく表れているのが、主人公の男子高校生(倉悠貴)の、家でのシーンです。祖父母と同居する実家の設定なのですが、カメラで撮っていない時間でも、祖母役の原(日出子)さんが子役のコ(後藤成貴)に話しかけてくださっていたり、父役の安部(賢一)さんが倉くんの話を聞いてあげていたりと、役者さんたちは本当の家族のように過ごしていました。

 

 われわれ技術部のメンバーはテキパキと動きながらも、“一家” の空気を壊さないよう、穏やかに準備をする。役者さんたちに、芝居について考える “余白” をもってもらえる現場づくりを意識しました」

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