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『ネメシス』広瀬すずと橋本環奈の禁断共演、ポンコツ櫻井翔…10代から40代までリーチするキャスティングの妙

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.04.18 11:00 最終更新日:2021.04.18 11:00

『ネメシス』広瀬すずと橋本環奈の禁断共演、ポンコツ櫻井翔…10代から40代までリーチするキャスティングの妙

 

 ドラマの質はともかく、若者から中年まで幅広い世代を狙いにいっている広瀬すず×櫻井翔のダブル主演ドラマ『ネメシス』(日本テレビ系)。

 

 横浜を舞台に「探偵事務所ネメシス」のメンバーたちが難事件を解決していくという、コメディテイストもあるミステリー作品だ。

 

 

 広瀬演じる美神アンナは、探偵助手ながら天才的頭脳で、実質的に謎解きしていく。櫻井演じる風真尚希は、敏腕探偵のように振る舞うが、的外れな推理が多いポンコツという役どころだ。

 

 率直に言って登場キャラや演出が筆者の好みではなかったが、先週日曜22時30分から放送された第1話は視聴率11.4%(ビデオリサーチ調べ/平均世帯視聴率/関東地区)と好発進。

 

 その要因は、広瀬すずが10代から20代前半の視聴者層に、櫻井翔が20代後半から30代の層に、探偵事務所社長を演じる江口洋介などベテラン俳優が40代以上の層に、それぞれリーチしているからだと思う。

 

 そこでメインの3人を中心に、メタ的視点も踏まえて本作の見どころについて分析していきたい。

 

■同い年の広瀬すずと橋本環奈、禁断の共演解禁?

 

 広瀬は20代前半の若手女優筆頭として名があがるが、そんな広瀬と初共演で話題なのが、広瀬演じるアンナの親友JDを演じる橋本環奈だ。

 

 2人は突出した美貌だけでなく、現在22歳の同学年という共通点もあるため、若者たちの間で「広瀬すずと橋本環奈、どっち派?」なんて会話が繰り広げられていることは想像に難くない。

 

 橋本環奈は第3話から出演するそうだが、たびたび比較されてきた2人の共演は、若者層の視聴率に貢献するはずである。

 

 余談だが、広瀬と対等に比べられることの多かった橋本が、主演・広瀬すずのドラマにサブキャラとして登場するのは、少し意外だった。橋本も数々の映画などで主演を張って実績をあげ、実力をつけてきていると思うのだが、“女優” としての評価はまだ広瀬が一段階上ということなのだろう。

 

■櫻井翔のポンコツ探偵、10年越しの壮大な前フリ

 

 言わずと知れた人気アイドルグループ・嵐のメンバーである櫻井翔が主演というだけで、20代後半から30代の一定数は観てくれるだろう。そんな彼にポンコツ探偵という役を与えたことは、本作のキャスティングの最大の妙な気がする。

 

 櫻井はかつて主演したドラマ『謎解きはディナーのあとで』(2011年/フジテレビ系)で、本作と真逆の立ち位置を演じていた。財閥のお嬢様で刑事でもあるヒロイン(北川景子)に代わって、主人公の執事(櫻井)がクールに推理して謎解きするストーリー。

 

 嵐メンバーというだけでなく、生粋の慶應ボーイでもあり、実父・櫻井俊氏は総務省事務次官も務めたエリート。そんなバックボーンを持つ桜井が演じた執事は、インテリジェンスなイメージと合致してアタリ役となった。

 

『謎解きはディナーのあとで』では、本来謎を解くのが仕事のヒロイン刑事に代わって事件を解決に導く役だったが、今回の『ネメシス』では、本来謎を解くのが仕事の探偵ながら、ポンコツゆえに推理を天才助手に任せる。

 

『ネメシス』で櫻井演じる探偵・風真はナルシストっぽい振る舞いで自信ありげに堂々としているものの、ことごとく推理を外していくので、いい意味でとにかく胡散臭い。

 
 この胡散臭さが風真というキャラの魅力になっているのだが、それもこれも櫻井自身のエリートなバックボーンや『謎解きはディナーのあとで』でのイメージが、壮大な “前フリ” として効いているのだろう。

 

■あのヤンキー映画や『あぶ刑事』好きなら垂涎

 

 1990年代のトレンディドラマ全盛期から、日本のドラマ界を支えてきた江口洋介が本作の3番手キャスト。また、アンナの父で失踪中の男・美神始を演じるのは仲村トオルだ。

 

 1987年のヤンキー映画『湘南爆走族』が初主演作品である江口と、1985年からシリーズ化されたヤンキー映画の金字塔『ビー・バップ・ハイスクール』で主演した仲村。30数年も前にヤンキー役でブレイクした2人が、今も第一線で共演するのは、40代以上のドラマファンにはたまらないだろう。

 

 また、「ネメシス」メンバーと対立する神奈川県警捜査一課の刑事コンビとして、ダンディなサングラスがトレードマークの “タカ”(勝地涼)と “ユージ”(中村蒼)というキャラが登場。横浜を舞台にしたドラマで刑事タカ&ユージと聞けば、40代以上の方ならピンとくるはず。

 

 そう、舘ひろしと柴田恭兵がダブル主演した往年の刑事ドラマ『あぶない刑事』(1986年/日本テレビ系)のパロディキャラである。仲村は『あぶない刑事』で後輩刑事としてレギュラー出演していたので、仲村演じる美神始とタカ&ユージの絡みがあるなら見ものである。

 

――このように、幅広い世代のドラマファンにとって見どころの多い『ネメシス』。第2話は今夜放送だ。

 

●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

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