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北川景子『リコカツ』やってることは “よくあるラブコメ” なのにラストが読めない

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.05.07 06:00 最終更新日:2021.05.07 06:00

北川景子『リコカツ』やってることは “よくあるラブコメ” なのにラストが読めない

 

 やっていることは “よくあるラブコメ”。しかし、ラストがどうなるか本当にわからないから続きが気になる。

 

“交際ゼロ日婚” の夫婦が、結婚早々、相性が合わないことがわかり、離婚に向けて活動をしていくラブコメディ『リコカツ』(TBS系)。

 

 

 北川景子が演じるのは、オシャレやセンスを重んじるファッション誌編集者・水口咲。一方、永山瑛太は、堅物で家訓を重んじる航空自衛隊員・緒原紘一を演じている。

 

 2人は運命的に出会った3カ月後に結婚するも、お互いの価値観やライフスタイルの違いから離婚を決意。

 

 先週放送の第3話では、両家の親や友人、同僚らに離婚するつもりだと告げられず、咲と紘一は反発し合いながらもお互いに理解を深めていく展開だった。

 

■ストーリー構造でマンネリ打破した好例

 

 ベースとなるのが “新婚早々にリコカツしていく夫婦” というトリッキーな設定なのだが、冒頭でお伝えしたとおり、やっていることは、ただの “よくあるラブコメ”。

 

 たとえば、第1話では、雨に濡れる咲を紘一が傘を持って迎えに行く。足をすべらせて歩道橋の階段から転がり落ちる咲を、紘一が身を挺して守る。第3話では、実父から理不尽に叱責される紘一を、咲が頭を下げながら「紘一さんを責めるのはやめてください」と庇う。

 

 こういった出来事が積み重なり、ソリが合わない男女双方がツンデレを発動して罵り合いながら、徐々にお互いの魅力に惹かれていく――ラブコメ漫画でもラブコメドラマでも、よく見かける王道展開である。

 

 オーソドックスなラブコメなら、反発しあう主役の男女が最終的には両想いになってハッピーエンドというのがセオリーだ。逆に言えば、どうせ最後はひっつくんだろ、と冷めた見方もできてしまう。

 

 だが、この『リコカツ』が秀逸なのは、そのセオリーどおりになるのか・ならないのか、本当にわからないところにある。

 

 離婚が前提となっているストーリー構造のため、ラブコメのセオリーどおりにひっつくのか、それともタイトルの流れどおり離婚してしまうのか、どちらになるのか読めず、最終話までドキドキさせられるのだろう。

 

 また、第3話まで見る限り、このドラマは “夫婦が恋を始める物語” でもあると感じた。

 

 咲と紘一はお互いをろくに知りもせず勢いで結婚してしまったため、新婚早々にリコカツを始めるわけだが、それはつまり、まだ2人の恋は始まっていなかったという捉え方もできる。リコカツ中の夫婦の恋が始まるかどうかが、このドラマの最大の見どころなのだ。

 

 やっていることは痴話喧嘩の絶えないごくごく普通のラブコメにもかかわらず、そこに “新婚早々にリコカツをしていく夫婦” というエッセンスを加えるだけで、マンネリを打破できることを示した、物語づくりの好例なのではないだろうか。

 

 最後に余談だが、本作には『美少女戦士セーラームーン』の月野うさぎ役や、『新世紀エヴァンゲリオン』の葛城ミサト役の声優として知られる三石琴乃が、咲の実母役でレギュラー出演中。

 

 あの特徴的な高く通る声は、実写ドラマでは悪目立ちしてしまうのではという懸念もあったが、それは杞憂だった。本来なら暗くなりがちな離婚をテーマにした本作を、三石琴乃が演じる美魔女の母が能天気に明るく盛り立てており、個人的にはナイスキャスティングだと感じた。

 

 そんな『セーラームーン』ファン、『エヴァンゲリオン』ファンも必見の『リコカツ』第4話は、今夜22時から放送である。

 

●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

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