初めて聴いたとき、思わず亡くなった父親や猪俣先生の顔が浮かんできて、胸がジーンとしちゃいました。
演歌や歌謡曲にはないメロディが、ちょいちょい顔を出して、歌っていると違和感を覚えるんですけど、でも、その違和感が、またすごくいい! この感じ、わかってもらえますか?
とにかく、一度聴いてみてください。めちゃくちゃ、いい曲ですから。
――こんな素敵な曲を作る方に悪い人はいない。
そう思ってお会いしたら、やっぱり、です。生・新垣隆さんは、とっても穏やかで、やさしさに溢れた紳士でした。
でも、ひとつだけ……。わ・た・く・し、新垣さんはずっと年上だと思っていたんです。だって、あの風貌に(ごめんなさい笑)、あの落ち着きですから。無理からぬことです。
でも、だけど、しかし。よくよく聞いてみると、なんと! わたしより、4つも年下じゃあ~りませんか!?
口にはしません。大人ですから。でも、いけないと思いながら、心の中で呟いてしまったのは、仕方のないことです。
――あぁ、そう。わたしが高校1年のとき、あなたはまだ、小学生だったのね。
さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身 『祝い酒』『夜桜お七』など数多くのヒット曲を持ち、『また君に恋してる』は社会現象にもなった。最新シングル『ブッダのように私は死んだ』を含む、35周年記念ベスト『坂本冬美35th』が発売中
写真・中村功
構成・工藤晋
(週刊FLASH 2021年6月1日号)