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窪塚俊介、「俳優としての姿勢、道標は大林宣彦監督から教わった」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.06.08 11:00 最終更新日:2021.06.08 11:00

窪塚俊介、「俳優としての姿勢、道標は大林宣彦監督から教わった」

大林監督と窪塚俊介

 

■演技指導がないから自分を律する

 

 帰国後の2004年、ドラマ『ビー・バップ・ハイスクール』で俳優デビュー。演じることのおもしろさを日々、感じていくようになる。そんなとき出会ったのが、『転校生』(1982年)『時をかける少女』(1983年)などの名作を生み出した大林宣彦監督だった。

 

「4月にご自宅に伺って、手を合わせてきました。本当に寂しいですね、監督がいないのは……。

 

 僕が初めて監督とお会いしたのは『22才の別れ』(2007年)という映画。演技指導はしない監督でした。本当に俳優に優しいというか、愛の人なんですよね。映画愛に家族愛に郷土愛。

 

 僕は10年以上、監督にお世話になりましたが、現場でこうしてくれと演技指導しているのは聞いたことがないです。

 

 だから大林作品に臨むにあたって、自分を律していくというか。『俳優は命がけでやってくれてるんだ』と常々言ってくれる監督だったので、演技をというよりは、命をかけて取り組む姿勢、自分の道標を教えていただきました。監督には言葉だけでなく、現場で育てていただきました」

 

 大林監督は「ダジャレの人だった」と振り返る。

 

「監督が話しだすと、みんな真剣に話を聞くんですけど、結局、締めくくりのダジャレのための助走だったみたいな(笑)。しかもハイレベルなダジャレといいますか、パッとすぐにはわからないなか、みんなからわかったふうな笑いが出るというか。

 

 新藤兼人監督が100歳で亡くなったので『最低、100歳までは映画を撮る』と言ってたのに……。でも一度、余命3カ月と宣告されてからガンを克服されて。

 

 大先輩にこんな言い方は失礼かもしれないですけど、映画の神様に生かされていたというか……。サメは泳いでないと死んでしまうのと同じで、映画を撮っていたら、死なないだろうなって思ってました……」

 

 大林監督との思い出は尽きないが、忘れられない言葉があるという。

 

「僕は高橋伴明監督の『火火』(2005年)で映画デビューをさせていただいたんですが、この作品を大林監督がご覧になってくれていたんです。それで『君はいい演技をしてたね』と言って、大林作品に呼んでくれたんです。嬉しかったですね。

 

 それからは現場でお会いすると『しゅんちゃん、今回もよろしくね』。現場が終わると『しゅんちゃん、次回もよろしくね』って。それがもう聞けないと思うと、ちょっと……。

 

 僕も出演させていただいた『海辺の映画館』が最後の作品になってしまったんですが、コロナの影響で公開が延期になって。本来、初日であった日に亡くなるっていう……。本当に頭が下がります」

 

 大林監督を “愛の人” と話す窪塚自身も “家族愛の人” だ。兄で俳優の窪塚洋介の誕生日である5月7日に第二子が誕生。ブログで発表し、文末には「そして、兄貴も誕生日おめでとう」と綴った。

 

「子供によって自分も成長できるし、成長しなければいけないことを第一子で教えてもらいました。両手を広げて第二子を迎えられたことを本当に感謝しています。

 

 11月で40歳になるんですが、30歳になるときとは違うというか、家族のおかげでより明るく生きてます。上演中の舞台『ピサロ』もすごく楽しんでいます。舞台は生なんで、映画や映像とは違ったおもしろさがありますね」

 

 留学した当時より身近に感じる海外の作品にも挑戦していきたいという。

 

「コロナの影響もあり海外ではビデオオーディションが主流。兄貴は海外でも活躍をしているんで、どんなふうにやっているか話をしました。

 

 窪塚家は、家族全員のグループLINEが毎日動いてて、めちゃくちゃ仲はいいです。窪塚家のイチ押しは兄貴の息子、僕の甥っ子の愛流。すごく頑張ってるし、めちゃくちゃ素直でいい子なんで、よろしくお願いします」

 


くぼづかしゅんすけ 
1981年11月6日生まれ 神奈川県出身 2005年、映画『火火』でスクリーンデビュー。映画『転校生―さよなら あなた―』(2007年)、『野のなななのか』(2014年)、『花筐/HANAGATAMI』('17年)、『海辺の映画館―キネマの玉手箱』(2020年)などの大林宣彦監督作品に出演。現在、ドラマ『イチケイのカラス』(毎週月曜21:00~、フジテレビ系)に出演中。パルコ劇場で上演中の舞台『ピサロ』(~6月6日)、映画『女たち』(公開中)に出演するなど、多方面で活躍中

 

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(週刊FLASH 2021年6月1日号)

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