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斎藤工『漂着者』は世紀の傑作か大駄作か…想定外の大どんでん返しも期待できそう

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.08.20 11:00FLASH編集部

斎藤工『漂着者』は世紀の傑作か大駄作か…想定外の大どんでん返しも期待できそう

 

 傑作か? 駄作か? 第3話まで観た時点では何とも言えない。

 

 非常に歯切れの悪い書き出しで申し訳ないが、斎藤工主演の『漂着者』(テレビ朝日系)は、最終回まで観ないと論評しづらい作品なのだ。

 

 斎藤が演じるのは、記憶を失った状態で、全裸で海岸に漂着した謎の男。

 

 

 彼が地元の女子高生たちに発見された際、「勝者には何もやるな」というアメリカの小説家であるアーネスト・ヘミングウェイの言葉をつぶやいたことから、「ヘミングウェイ」と呼ばれることに。そして、発見した女子高生たちが彼の動画をSNSで投稿したことで、一躍、時の人になっていく。

 

 その後、ヘミングウェイが思いつくままに綴った単語や描いた絵が、失踪女児の居場所を示していたり、予言めいた内容だったりしたことから、超常的な力を持っているとされ、日本中が彼に注目していく。

 

 それだけでなく、ヘミングウェイと同じ病院に入院していた大学教授が、胸の前で腕をクロスしテープでグルグル巻きにされた状態で首吊り死。続いて、ヘミングウェイを診ていた精神科医も、胸の前で腕をクロスし、目・口・耳を糸で縫われているという凄惨な姿で殺されているところを発見された。

 

 女児殺害や教授・医師の不可解な死がヘミングウェイのまわりで次々と起こっていき……というサスペンス・ミステリーである。

 

■伏線が回収され、謎もきれいに解明すれば大傑作

 

 NPO法人「しあわせの鐘の家」主宰のローゼン岸本(野間口徹)や、「雲行寺」住職の深見龍之介(リリー・フランキー)など、どこか怪しい言動をするキャラが何人かいるのだが、警察はヘミングウェイの自作自演説も疑っている。

 

 映画『デスノート』(2006年)では、黒幕でもある主人公が計略的に自分を記憶喪失状態にしていたこともあった。今のヘミングウェイが記憶を失っているのは本当だとしても、記憶を取り戻した際に、裏の首謀者的な人格が現れるという展開もあるかもしれない。

 

 いずれにしても先週放送の第3話終了時点では、次々と謎が提示されるばかりで、判明していることはごくわずか。そういったストーリー展開のため、現時点で傑作か駄作かを論じるのは早計だと感じている。

 

 どのような結末になるのか今から待ち遠しいが、『あなたの番です』(2019年/日本テレビ系)で考察ブームを仕掛けた秋元康が、本作の企画・原作・脚本を担当しているため、SNSではファンによって推理や予想が繰り広げられている。

 

『あなたの番です』では、公式サイトに載っている真犯人役のキャストのコメントを縦読みすると、「黒このこだよ」と読めるというヒントが隠されていたこともあったため、『漂着者』の公式サイトを深読みするファンも少なくない。

 

 また、本作と同枠の「金曜ナイトドラマ」で放送された『熱海の捜査官』(2010年/テレビ朝日系)は、最終回で物議を醸した怪作であった。

 

 主人公の広域捜査官が女子高生失踪事件の謎を追及するのが当初のストーリーだが、想像の斜め上をいくラストが待っていたのだ。その大オチを知ったうえで『熱海の捜査官』を観返すと、最終回までに数多くの伏線がちりばめられていたことがわかるのだが、別次元からのアプローチと言えるレベルの結末に驚かされたものだった。

 

『漂着者』も、我々視聴者がいま見せられているものを、どこまで信じていいのかという不穏な空気感をまとった作品である。最終回にそれまでの考察や推理が意味をなさないレベルの、想定外のどんでん返しが待ち受けているかもしれない。

 

 とにかく、現時点で『漂着者』を面白いか・面白くないかを判断するのはとても難しい。

 

 次々と提示される謎が最終的にすべて解明され、散りばめられている伏線のような描写の意味もきちんと回収されるのであれば、大傑作に化けるのではないだろうか。しかし、謎や伏線風の描写の多くが、未解明のまま放り出されるような結末となる可能性もゼロではない。

 

――今夜放送の第4話では、解明されることがあるのか、さらに謎が深まるのか。注目だ。

 

●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

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