2020年、M−1グランプリ決勝に初進出し、「お笑いは今まで何もいいことのなかった奴の復讐劇なんだよ!」と叫んで観客の度肝を抜いたウエストランド。
結果は9位に終わったが、速射砲のように悪口を並べ立てる井口浩之(38)と、妙な存在感を見せつつ何もしない河本太(37)のコンビは確実に爪痕を残した。
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2人は岡山県津山市の中学、高校の同級生だ。卒業後、お笑い芸人を目指して上京。オーディションライブに挑戦しまくり、2010年に爆笑問題をトップとする芸能事務所タイタンへ入った。
所属して3年で『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の準レギュラーに大抜擢されたが……。
井口「何をしていいかわからず、スタジオアルタに放り込まれた感じですよ。あ、タモリさんって実在するんだ! と思いました(笑)」
2014年に番組は終了。以来、2人は長らく雌伏の時を過ごすことになる。
井口「こんなにネクストブレイクにしがみついてた奴らはいないって自負はありますよ。名前が知られてないわけじゃない、たまーにテレビでも見かける、売れそうな気配をつかんでるけど売れない10年は、つらいです。同期の日本エレキテル連合は『ダメよ〜ダメダメ』で流行語大賞だし(笑)」
ウエストランドはとにかくライブに出続けた。そのうちに河本は結婚したが、稼ぎも酒癖も悪く、妻子は実家に帰ってしまう(現在は東京に戻っている)。また井口は2019年7月、自身の局部画像流出事件を起こし、不本意ながら世間の注目を集めることになった。
井口「ファンだという女性がTwitterに胸丸出しの画像を送ってきて、僕も盛り上がっちゃって、パンツを脱いで写真や動画を送ったんです。それを『いぐちんランド開園』って名前つきで拡散されて。事務所に報告したら、社長(太田光代氏)から『今すぐ爆笑問題のラジオ(TBSラジオ『爆笑問題カーボーイ』)でしゃべってこい、ネタにするしかないんだから!』って(笑)。恥ずかしいし、嫌でしたけど、楽にもなりました。あれで10本以上はテレビに出られましたしね(笑)」