M−1決勝進出以降は悪口キャラがウケて、バラエティ番組への出演も増えた。事務所期待のコンビを “先輩” 爆笑問題はどう思っているのか、7つの質問を投げかけた。
(1)ウエストランドのネタで印象に残っているのは?
「河本の奥さんが家を出ていってしまったこと」(太田光)
「井口が河本に対して、本気で怒りのツッコミが止まらなくなっていくときはおもしろい」(田中裕二)
井口「この回答から、田中さんは僕らのネタをまったく見てないと感じます(爆笑)。太田さんはまだ、見てくれたうえでボケてるのがわかるんですけど、田中さんは困りに困って答えた感じ。一回だけ、田中さんにほめられたというか……『爆チュー問題』(フジテレビ系)という番組のクリスマススペシャルでネタをやる機会があって、そこで漫才したらけっこうウケたんですよ。そしたら田中さんが『あれはウケるよな』と。『おもしろかったな』と言ってくれりゃあいいのに、なんでそんな言い方するんだろうって(笑)」
(2)「何もしない」といわれている、河本のいいところは?
「バク転ができる」(太田)
「芸人芸人していない」(田中)
河本「ああ……まあ、言われたくないっすけどね(笑)。田中さん、あなたもだよと言いたい」
井口「田中さんは芸人らしい芸人が嫌いなんです。だからお笑いっぽい感じで接するとすごく嫌がるんで、本音で “いいところ” を回答してますね」
(3)事務所の若手(ウエストランド、日本エレキテル連合など)が育ってきた感想は?
「4人グループになってほしい」(太田)
「もっと活躍してほしい。こんなふうに雑誌などで取り上げられるのも嬉しい」(田中)
井口「太田さんはときどき言いますね、僕らとエレキテルは一緒にやればいいって。まだコンビとして認めてくれるところまでいってないのかもしれない。ただ、同期のエレキテルと切磋琢磨してやれるのはよかったと思ってます」
(4)今後、彼らが伸ばしていったほうがいいことは?
「井口の顔」(太田)
「世間に対しての不満や愚痴、怒りをもっと深いところまで追求していくと、さらに共感を生むんじゃないか」(田中)
井口「太田さんはふだんどおりで、田中さんはすごくそれっぽいこと言ってます。ありがたいし、大尊敬してますけど、田中さんのほうが “薄い” っていうか(爆笑)。逆に嫌です」
河本「テンプレ感がすごい」
井口「ふざけてる太田さんのほうが、温かみがある。本来なら太田さんの回答に対して反論したいとこなんですけど、なんか田中さんに底知れない冷たさを感じます(笑)」
(5)ウエストランドがM−1で優勝するための必勝法は?
「漫才のテンポを5倍にする」(太田)
「わからない。運もあるし。開き直ると強いと思う」(田中)
井口「田中さんがもう(回答に)飽きてますね。太田さんには何年か前に『おまえらは何も考えず、何も決めずにやったほうがいいよ、そのほうがおもしろい』って言われました。まあ5倍の速さでやったら、ついに審査員からも無視されると思います(笑)」
(6)井口に言いたいことは?
「もう少し野菜を取ってほしい」(太田)
「自分(田中)は悪い人間ではないと思っているので、もっとほめてください」(田中)
井口「非常に言いにくいんですが、この取材が終わり次第、田中さんの悪口を言います。僕、田中さんのこと、大好きですけど、すごく『変』じゃないですか。太田さんだけが二十数年『田中は変だ』と言い続けてきたけど、太田さんも『変』なんで、誰も気づいてくれなかった。だからそれを伝えていくのが後輩としての使命。今後もいろんなところで田中さんと社長の話はさせていただきます。太田さんの野菜のくだりは……何も考えてないっすよ、あの人!(笑)」
(7)河本に言いたいことは?
「特になし」(太田)
「キャンプを楽しんでください」(田中)
河本「ああ……薄っぺらいなあ」
井口「太田さんがボケなくなったら、もういよいよですよ(笑)。今までどんな質問にも一応ボケてたのに、『特になし』が最後の最後で来ました! テンポ上げろとか野菜食べろとか4人組とかより、いちばん悲しいっすね。2人の意見をまとめると、もう河本は引退しろってことですね(笑)」
河本「芸の話、してませんからね。本当に言うことないんでしょうね」
最後に2人に、今年のM−1への意気込みを聞いた。
井口「決勝に行ってわかった悔しさもあるんで……それを晴らすには優勝しかない。ただ、ハライチさんが出るとか、和牛さんも出るみたいな話になってて、げんなりしてますね。でも決勝の緊張感を知ってしまったからには、またあそこに行きたいなって」
河本「前回は噛みまくりだったので、次に出られたら、ちゃんとしゃべりたいです。それができたら、もういいかな」
井口「そんな奴、出るなって話ですよ!」
いぐちひろゆき(左)
ツッコミ・ネタ作り担当 1983年5月6日生まれ
こうもとふとし(右)
ボケ担当 1984年1月25日生まれ
ともに岡山県津山市出身で中高時代の同級生。2008年にウエストランド結成。コンビ名は津山市にあるショッピングセンターの名前から取った。養成所には通わずフリーで活動し、タイタンが主催する若手ライブに数回出演後、2010年に入所
(週刊FLASH 2021年9月14日号)