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杉咲花『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』杉野遥亮のヤンキー感が伝わってこない残念さ
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.10.13 11:00 最終更新日:2021.10.13 11:00
肝心のギャップがいまいち伝わってこないんだよなぁ……というのが、杉咲花主演『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(日本テレビ系)第1話の率直な感想だった。
外出時は白杖を使って生活している弱視の少女・赤座ユキコ(杉咲)と、ケンカっ早い不良少年・黒川森生(杉野遥亮)によるラブコメディ。先週水曜放送の第1話は世帯平均視聴率8.8%、個人全体視聴率が4.8%だった。
(※視聴率はビデオリサーチ調べ/関東地区)
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一見コワモテのヤンキーが実はとても純粋という意外性が、本作の重要なポイントになるのだろうが、そのギャップが伝わりきらないまま話が進んでしまった印象だった。
■グッとくる名シーンもあっただけにもったいない
ユキコが歩いて盲学校に通学している途中、森生と仲間たちが点字ブロックの上でたむろしていたため、結果的にユキコが森生の股間を蹴り上げてしまったのが2人のファーストコンタクト。
森生が股間の痛みで倒れ込んでしまっているところに、弱視のユキコが心配して顔を近づけてきたため、恋に落ちてしまう。その後、森生はユキコにメロメロになり、一生懸命尽くしていく展開。
ギャップが弱いと感じたのは、森生のヤンキー部分の描き方だ。
「黒ヒョウのモリ」の異名を誇り、「地元では、その名を出しただけで相手が逃げていくほど有名なヤンキー」という設定なのだが、そのワルッぷりがしっかり描かれる前にユキコにデレまくるモードに入ってしまう。
ユキコと出会う直前、森生のライバルヤンキーとタイマン勝負で殴り合っていたが、そのシーンの迫力もいまひとつ……。ユキコと出会った後も、昔はもっとワルかったというエピソードはあったが、そこまできっちり語られなかったため、やはり森生のワル感が視聴者に伝わりきらないのだ。
そもそも演じている杉野が甘いフェイスの爽やかイケメンなので、見た目もそこまでヤンキーっぽくないし、威圧感を出さなくてはいけないシーンも、“無理してワルぶってる” 感が滲み出てしまう。
ミスキャストとまでは言わないが、ベストな配役かどうかは大いに疑問。
杉野のようなイケメン俳優をヤンキー役に抜擢するのであれば、もっと演出面で恐さを引き立ててやるべきだと思うのだが、そういった配慮がないまま早々に恋するデレモードに突入するので、ギャップが感じられないのである。
初対面の翌朝には、ユキコと会うため待ち伏せして後をつけたり、その日の帰り道も待ち伏せして「ユキコさ~ん! 黒川っす! おつとめご苦労様です」とニコニコしながらユキコを引き止める。
ユキコに「待ち伏せがキモい。もうついてこないで」と冷たくあしらわれても、「会いたかったんです」とくじけない。
それはまるで尻尾を振って懐いてくる子犬のよう。ストレートに苦言を呈するなら、ユキコにご執心の森生は “ダサいファッションのなよなよした好青年” にしか見えないのだ。
原作は『ヤンキー君と白杖ガール』というコメディマンガのため、原作でも森生のヤンキーとしての恐さはシリアスに描かれていないようだが、マンガとドラマは別もの。
いくらラブコメ作品だとしても、生身の人間が演じるドラマなのだから、ある程度はリアリティを持たせないとせっかくの設定が活きてこないのではないだろうか。
第1話終盤で、大きな文字で「恋です!」とだけ書かれた森生からの手紙を読み、森生を探しに急いで家を出ようとした際、普段はクールなユキコが白杖を持つのを忘れて飛び出そうとする姿はグッときた。
また、「ユキコさんは普通の世界で生きてるじゃないですか」と、弱視の彼女に対して差別も偏見もなく接しているピュアな森生にも胸を打たれた。
こういった名シーンもあっただけに、ヤンキーとしての森生がきちんと描かれなかったことがよりいっそう残念に思う。しかし、今からでもギャップがきちんと描かれれば、胸熱の名シーンも引き立つだろう。今夜放送の第2話に期待したい。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中