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坂東彌十郎「大河ドラマの次は再び海外公演を」…2人の亡き先輩の “思い” を叶えるために

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.02.27 11:00 最終更新日:2022.02.27 11:04

坂東彌十郎「大河ドラマの次は再び海外公演を」…2人の亡き先輩の “思い” を叶えるために

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演する坂東彌十郎

 

■「海外公演」は尊敬する亡き先輩との “目標”

 

 猿翁とは海外公演を何度もおこなったことがあり、彌十郎の目標は海外で歌舞伎公演をおこなえる芝居小屋を作り、定期的に上演することだという。これには亡くなった尊敬する先輩への熱い思いがある。

 

「(十八代目中村)勘三郎さんに初めてお会いしたのは僕が小学3年生のとき。そのころからスーパースターでしたが、本当によくしてくださって。小学6年の秋ごろ、勘三郎さんから急に『中学も受験して俺と同じ学校に来い』と言われて。

 

 半年間家庭教師をつけて必死に勉強して受験しましたよ。不合格だったのですが、ラッキーなことに補欠で入学できたんです。でも、勘三郎さんは仕事が忙しくて学校に来ないので、学校で会ったことがなかった(笑)」

 

 芝居をするのも飲みに行くのも一緒。海外に遊びに行くこともあったという。

 

「あんなに真剣にケンカした人は人生でほかにいません。もう一緒に仕事をさせてもらえないぐらいのケンカをしても、翌日はケロッと『ゴルフに行くから早く起きて来い』って連絡が来るんです(笑)。同じ歳だった(坂東)三津五郎さんと連れ立って3人でよく飲み歩きました。

 

 僕は口だけだと思われたくないので、これまでは不言実行だったんです。でも勘三郎さんは有言実行の人でね。定期的に海外公演ができるようにすることは、亡くなった2人が僕にやれといってるような気がするんです」

 

 大河ドラマに出演したことで、歌舞伎ファン以外にも彌十郎の名前が浸透して話題となっている。だが相反するように、こんな不安を口にする。

 

「大河の撮影で、10カ月も歌舞伎の舞台に上がっていないんです。風呂も劇場で入りますし、 “快適グッズ” も楽屋にあるので劇場は僕にとって実家みたいなもの。こんなに舞台に上がっていない彌十郎は初めてですが、でも大河に出たことでチャンスをいただけたとも思っています。国内でも歌舞伎を広めていけるように、自分の実力も磨いていきたいです」

 

 今日も2人の先輩を想い、おちょこを傾ける。

 

ばんどうやじゅうろう
1956年5月10日生まれ 東京都出身 1973年、歌舞伎座『奴道成寺』で初舞台。1978年、名題昇進。三代目猿之助演出のオペラ『コックドール』(1984年)などで演出助手を務め、坂東玉三郎の『夕鶴』(1997年)の演出も手がけた。その後、十八代目中村勘三郎による「平成中村座」に参加し、2003年の米・ニューヨーク公演など出演。2016年には長男・坂東新悟とヨーロッパ公演もおこなった

 

【銀座 こびき】
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営業時間/17:00~23:00(L.O.22:30)
定休日/日曜、祝日
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写真・野澤亘伸
ヘアメイク・永井絵美子(JOUER)

 

( 週刊FLASH 2022年3月8日号 )

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