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川平慈英、サッカー愛を叫んで人生変わる…母を泣かせて選んだ役者の道は「ようやく肩の力が抜けた」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.05.01 11:00 最終更新日:2022.05.01 11:12
■サッカーがきっかけでニュース番組に抜擢
川平慈英の名前が全国区になったのはJリーグが開幕した1993年のことだ。『ニュースステーション』(テレビ朝日系)への出演がきっかけだった。しかし川平は当初、出演を躊躇していたという。
「出演していたミュージカルの演出を、司会の久米宏さんが所属するオフィス・トゥー・ワンの方が担当していたんです。僕がウオーミングアップでボールリフティングをしているところをご覧になり『サッカー、好きなの?』と興味を持ってくださいました。『好きなんてもんじゃないですよ』とサッカー愛を語ったことから推薦してくださったようです。
でも、話を聞いたとき生意気にも『いやいや、僕は役者です。どうしてニュース番組に出るんですか』と思いました。
すると兄のジョン(・カビラ)が『慈英、よく考えろ。これは表現者であるお前を多くの方に知っていただくチャンスなんだ』とアドバイスしてくれました」
Jリーグ開幕からおよそ11年、川平は『ニュースステーション』でサッカーを熱くナビゲートした。
「番組もサッカーコーナー作りは経験がなく試行錯誤。ボールの弾道を七色にするなど僕の意見も取り入れてくれて楽しかったです。(決め台詞の)『いいんです!』は、ジョンの口癖です。『ビールもう一杯いいかな』『いいんです!』という川平家の日常会話です(笑)。
出演させていただいて本当に感謝しています。サッカーファンが『慈英は役者なのか。舞台も観てみたいな』となり、役者の僕を知っている方は『サッカーの試合、おもしろそうだな』と言ってくださいました。神様はこのために僕を出演させたのかなと思いました」
5月14日からミュージカル『フォーエヴァープラッド』の舞台が始まる。2013年に日本で初演された本作は、2020年に再々演される予定だったがコロナ禍で中止になった。
「今回がファイナル公演です。僕が演じる高校生のフランシスがジンクス(長野博)、スパーキー(松岡充)、スマッジ(鈴木壮麻)と出会い、コーラスグループ『フォーエヴァープラッド』を結成します。
しかし、ショーの直前に事故で全員が亡くなります。でも4人は夢をかなえるためこの世にとどまり一度だけのライブをすることに。これ以上話すとネタバレになりますのでごめんなさい。歌は23曲披露します。お楽しみに、くぅ~!」
顔をくしゃくしゃにした川平は今年60歳になる。「ますます幼児化しています」と笑うが、100作品以上の舞台を経験してきたからこその深い言葉が聞けた。
「舞台はお客さまと役者の幸せの共有だと思っています。そう思えるようになったのは50歳を過ぎてから。それまでは『失敗しないように』とか『いい演技をしなくちゃ』と気負っていましたが、自分に足りないところは素直に受け入れて『作品や音楽に身をまかせればいい』と思うようになったら肩の力が抜けました」
その心境を川平は「沖縄の言葉で『てーげー』ですね」と表現した。意味は「ほどほどに」だ。
かびらじぇい
1962年9月23日生まれ 沖縄県出身 1986年、スーパーロックミュージカル『MONKEY』でデビュー。その後も『ショーガール』『ビッグ・フィッシュ』『フェイクスピア』など舞台を中心に活躍。ドラマ『ちゅらさん』、映画『THE 有頂天ホテル』『記憶にございません!』などにも出演
【炭火焼ジンギスカン まるひろ】
住所/東京都目黒区下目黒3-8-1
営業時間/17:30~22:00(要予約)
定休日/日曜
※新型コロナウイルス感染拡大の状況により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります
※『フォーエヴァープラッド』は5月14~31日(よみうり大手町ホール)、6月30日(有楽町よみうりホール)に上演予定
写真・野澤亘伸
スタイリスト・関恵美子
ヘアメイク・森川英展