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綾瀬はるか『元彼の遺言状』ヌルッとした最終回はアリだが…残念な “最後詐欺”
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.06.21 14:03 最終更新日:2022.06.21 14:07
なんだかヌルッと終わった最終話。それ自体は悪くないが、悪質な “最後詐欺” はやめてもらいたかった。
過去5年間の主演連続ドラマ3作品がすべて全話平均で二桁視聴率獲得のヒット作となっており、視聴率女王との呼び声も高い綾瀬はるか主演の「月9」ドラマ『元彼の遺言状』(フジテレビ系)。
敏腕弁護士・剣持麗子(綾瀬)が、バディとなる篠田敬太郎(大泉洋)と難解な殺人事件などを解決していくミステリー作品だ。
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「麗子失踪編」と題された6月20日放送の最終話(第11話)。
タヒチ旅行に行くという不自然かつ唐突な電話を麗子が篠田にかけて以来、彼女からのメールは来るものの姿は現さない。麗子が不在のままレギュラーキャラクターたちが、同時に起きた3つの事件に対応していくというストーリーだった。
■最終話前に乱用された「最後」というフレーズ
最終話に多発した事件がどう解決されたか、ネタバレはしないのでご安心いただきたい。本稿でツッコミたいのは、第9話と第10話の予告映像についてだ。
バディの篠田は、麗子が付き合っていた元彼(生田斗真)の大学サークル時代の先輩ということになっていたが、実は名前も経歴もすべてウソ。6年前にある島で起きた殺人事件の容疑者で、逃亡生活をしていたという。
第9話と第10話は、2話を使って、麗子と篠田がこの6年前の事件に挑み、篠田の無実を証明するというストーリー。
篠田の過去の秘密はドラマの縦軸となっており、その事件が無事に解決してハッピーエンドとなったので、まるで最終話のような展開だったわけだ。
問題は第9話と第10話の予告映像の煽り文句にある。第9話の予告では「最強バディ、最後の事件」と謳われ、第10話の予告映像では「最後の戦い」と謳われていた。
堂々と「最後」というフレーズを強調しているのである。このおかげで第10話がラストだと勘違いした視聴者が続出していた。
制作陣からすると、麗子と篠田がガッツリ組んで挑んだ事件は第9話&第10話が「最後」という言い分なのかもしれないが、そうだとしたら苦しい言い訳にしか聞こえない。
そんな細かいことを気にするな、揚げ足取るようなことを言うな、という人もいるかもしれない。
しかし、フジテレビが誇る天下の「月9」ブランドが、そんな姑息な視聴率稼ぎの “最後詐欺” を働いたというのが、輝いていた往年の「月9」ファンとしては悲しくなってしまったのである。
ちなみに最終話のストーリーやエンディングは、個人的にはよかったと思う。
第9話&第10話でこのドラマ最大の事件が解決されたので、最終話は後日談のようなエピソード。ドラマ全体のクライマックスは間違いなく第10話で、誤解を恐れずに言うなら最終話で描かれたのは、どれもこれもたいしたことのない事件だった。
そのため、なんだかヌルッと終わったなという印象は否めない。
バディが容疑者という、緊張感が張り詰めた殺人事件の解決後、緩和した空気のなかでレギュラーメンバーたちの掛け合いを見せていき、どこかのんびりした雰囲気のまま終幕。これはこれでいい最終話だったと思う。
それゆえに “最後詐欺” の残念さが際立ってしまったのである。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中
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