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風間杜夫、72歳で2カ月に1本舞台生活の現在…「役者として人前に立つのが好き」

エンタメ・アイドル 投稿日:2022.08.14 11:00FLASH編集部

風間杜夫、72歳で2カ月に1本舞台生活の現在…「役者として人前に立つのが好き」

早稲田大学在学中に大竹まこと、斉木しげる、きたろうらと作った劇団「表現劇場」時代。若き23歳の風間杜夫

 

■「教官!」役で遅咲きのアイドルに

 

 劇団解散後、映画『蒲田行進曲』(1982年)、ドラマ『スチュワーデス物語』(1983年、TBS系)と出演作が次々に大ヒット。一躍、時の人になった。

 

「『スチュワーデス物語』ではコテコテの芝居を要求されて、つかさんに怒られると思ったんです。ところが解散後に会ったら『風間、あの役はお前にぴったりだ。あの路線でいけ』と。まさか褒められるとは思わなかった。当時はどこに行っても『教官! 教官!』ってすごかった。34歳、 “遅れてきたアイドル” ですよ(笑)。当時のテレビ雑誌の『今週のアイドルの予定』という欄に風間杜夫の予定が入っていたくらいですから。『抱かれたい男』にも、郷ひろみと神田正輝と僕とで、数年間は1位から3位を占めててね。でもそれより、演劇雑誌の『シティロード』に載っていた年間の舞台役者の人気投票で3年間1位だったんです。こっちのほうが自慢です」

 

 アイドル時代は数年で終わり、役者の仕事でも話がくるのは “いい人” の役ばかり。以前のような “悪役” はこなくなった。

 

「自分で自分に飽きちゃって、つまんねえなと思って。そのときに、そうだ、舞台を一生懸命やろうと。売れているころも年に必ず1本は舞台をやっていたんですが、40歳を過ぎて独立して、自分で仕事を選んでいったら、芝居や舞台が中心になりました。そうしたらすごいことになっちゃって。一昨年の11月から数えると昨年は6本舞台をやっているの。72歳で下手すると2カ月に1本、舞台。酔狂だけど、役者として人前に立つことが好きですから、どれも生き生きと演じられました」

 

 このスケジュールをこなす体力はどこから生まれるのか。

 

「何もやってません、怠け者だから。(新型コロナの感染拡大で)舞台が中止になったときに、4カ月ほど家でゴロゴロしてたんです。これはいかんと思って、うちの妻と2人で近くの公園まで散歩を始めました。往復で7000から8000歩。夕方から散歩に出て、夜7時ぐらいから飲み始める。映画を観ているとあっという間に深夜の1時、2時。それからぐっすり寝て、起きたら朝昼兼用でガッツリ食べる。眠くなったら昼寝してという規則正しい生活をしていたら太っちゃいました」

 

 ちょっと太めになった風間だが「舞台をやっていれば健康だ」と話す。8月27日からは昨年、11年ぶりに上演されたひとり芝居『帰ってきたカラオケマン』が再演される。風間のライフワークといってもいい「牛山明シリーズ」で、2003年の三部作一挙上演では3時間にわたって演じ切り、多くの演劇賞を受賞した。

 

「長いこと演じている牛山明は同年代の男なので、もう一人の僕みたいな存在。この三部作で賞をたくさんいただいたから、(2010年に)前人未到の5時間15分の五部作一挙公演をやったら、今度は批評家も誰も褒めてくれないんだよ。ここ数年は大劇場から花園神社のテントまで、どこにでも顔を出しています。

 

 でも、それは金守珍さん、岩松了さん、長塚圭史さんなど、一緒にやろうと言ってくれる演出家がいるから。声がかかれば応えたい。何歳になっても新しいことに挑戦するのは楽しいです」

 

 2杯めのハイボールを注文すると、風間は少年のような笑みを浮かべて、ゆでたんを口に運んだ。

 

かざまもりお
1949年4月26日生まれ 東京都出身 子役として活動後、1977年から「劇団つかこうへい事務所」に参加。映画『蒲田行進曲』(1982年)、『スチュワーデス物語』(1983年、TBS)で人気を博す。その後、映画、舞台、ドラマ、落語などで幅広く活躍。ひとり芝居『帰ってきたカラオケマン』は8月27日~29日、こくみん共済coopホール/スペース・ゼロ、9月14日、亀戸文化センター・カメリアホール、ほか地方公演あり。詳細はトム・プロジェクトHPにて

 

【たん焼 忍】
住所/東京都新宿区四谷三栄町14-4 松啓ビル 1F 
営業時間/17:00~22:30(L.O.22:00)、土曜:16:00~20:30(L.O.20:00)
定休日/日曜、祝日 ※8月14日まで臨時休業

 

写真・野澤亘伸

 

( 週刊FLASH 2022年8月23日・30日合併号 )

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