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『石子と羽男』有村架純・中村倫也の確かな演技もさることながら…みごとな1話完結の脚本に脱帽

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.08.26 11:00 最終更新日:2022.08.26 11:00

『石子と羽男』有村架純・中村倫也の確かな演技もさることながら…みごとな1話完結の脚本に脱帽

 

 秀逸な脚本によるストーリーの面白さと、その脚本に応える主演2人の確かな実力で、少しずつ評価を上昇させてきている――『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS系)はそんなドラマだ。

 

 先週金曜に第6話が放送された『石子と羽男』は、有村架純中村倫也によるダブル主演作品。

 

 東大卒ながら4回も司法試験に落ちて崖っぷちのパラリーガル・石田硝子(有村)と、高卒ながら司法試験に一発合格した弁護士・羽根岡佳男(中村)。

 

 

 そんな一見正反対な2人がバディを組み、悩みを抱えてマチベン(町の弁護士)を頼ってくる人々を助け、身近に潜んだ社会問題を解決していくリーガル・エンターテインメントである。

 

■第1話は視聴率6.9%と低調も第4話で8.4%までアップ

 

 そんな本作、有村と中村という、今をときめく人気俳優が主演を張っているにもかかわらず、第1話の世帯平均視聴率(※ビデオリサーチ調べ/関東地区)は6.9%と低調スタート。

 

 当然だが初回はまだドラマの内容では評価されていないので、視聴率は主演俳優らキャスト陣の人気に大きく左右されると言われる。そのため、有村&中村コンビの人気にあやかろうと期待していたTBSとしては、肩透かしを食ったような気分だったかもしれない。

 

 2人には熱狂的なファンが一定数いると思うが、たとえば常に高視聴率を獲得している木村拓哉のように、ドラマ放送時間にその局にチャンネルを合わせるほどの強烈な求心力は、まだなかったということだろう。

 

 続く第2話と第3話も6.9%、6.8%と同水準だったのだが、第4話は8.4%に跳ね上がり、第5話と第6話は7.4%、7.5%と推移。

 

 今はもう世帯平均視聴率が絶対的指標ではないとはいえ、6~8%台をうろうろしているようではヒット作とは言いがたい。

 

 とは言え、ドラマファンは第1話をお試しで観て、面白ければ継続して視聴し、つまらなければ第2話、第3話あたりで離脱する傾向があるため、第1話が全話のなかでトップ視聴率回となる作品も多い。

 

 そう考えると、中盤回の第4話以降がすべて初回視聴率を越えている本作は、継続視聴しているドラマファンたちが、ストーリーなどの内容を高評価している証拠と言えるだろう。

 

■二転三転する先の読めないストーリーをすっきり1話完結

 

 ドラマの評価が上がってきている主因は、ストーリーの秀逸さにあるように思う。

 

 たとえば第1話では、喫茶店でスマホを充電していたら電気泥棒として店主に訴えられた依頼人が登場するのだが、物語はそこから二転三転。終盤までどう着地するのか予測不能な展開で面白かった。

 

 この、先が読めないまま問題解決までスピーディに進んでいく展開は、先週放送の第6話でも健在だった。

 

 第6話は、老人の孤独死があった幽霊物件とは知らずに賃貸マンションに引っ越してきた家族が依頼人で、やはりラストまで二転三転する目が離せない展開だった。

 

 事故物件であることを姑息な手段で隠していた悪徳不動産会社社長や、家族に脅迫文のような手紙を送る謎の人物が現れるなど話が複雑化するも、きれいに解決する納得のラストだった。

 

『石子と羽男』の実際の放送時間は約45分なのだが、第6話は問題発生から解決まで賞味35分ほどだった。複雑な話を強引さなく、よくその短時間でまとめあげたなと、脚本家の構成力に驚嘆した。

 

 話のボリューム感だけで言えば、今クールの月9ドラマ『競争の番人』(フジテレビ系)のように、1つのエピソードを2、3話ぶん使って描いてもいい気はするが、本作が扱う問題は一般人の身近な困りごとといった地味なテーマなので、次回に引っ張るほどの引きを作るのは難しい。

 

 そのため、どんなに複雑でボリュームのある話でも、確かに1話ですっきり描くのがベストだとは思うが、言うは易く行うは難し。スピーディに展開させ1話完結させる脚本は、毎回、みごとで脱帽ものだと感じる。

 

 脚本家が優秀だと思うが、本作が評価されてきているのは、もちろんそれに応える有村や中村の演技もあってこそ。今夜放送の第7話でも、脚本家の巧みなストーリーと役者たちの巧みな演技で、視聴者を引き込んでくれるに違いない。

 

●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

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