今年だけで死亡事故が2度「ボートレースCM」に “違和感”…ゆりやん選手役に「体重制限の壁で無理」の指摘もあった

 

　11月6日、日本ボートレース競走会は広島県の「宮島ボートレース場」で開催された同日の第10レースにおいて、落水した中田達也選手が死去したと発表した。29歳だった。

 

　中田選手はレース3周めのバックストレッチを航走中に他艇と接触して落水。その後、後続艇との接触もあり、救急搬送されて治療を受けたが、帰らぬ人となった。

 

　ボートレース（競艇）では、2022年1月12日、「多摩川ボートレース場」の第6レースのバックストレッチ航走中に他艇と接触して、落水した小林晋選手（享年44）も亡くなっている。

 

　2022年に2度めの死亡事故となった。スポーツ担当記者がこう話す。

 

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「ボートレースは、近年でも死亡事故が多い公営競技です。2010年以降の選手の死亡事故は、オートレースの2件、競輪1件、競馬0件に対し、ボートレースでは2022年の2人に加え、2020年の松本勝也選手（享年48）、2013年の鈴木詔子選手（享年52）、2010年の岩永高広選手（享年26）と、5件発生しています。

 

　その一方、ボートレースの売上は好調で、2021年度は約2兆3926億円と過去最高を記録しました。これは “明るく爽やかなスポーツ” というイメージ戦略が功を奏した結果だと言われています」

 

　そのイメージ戦略に大きな貢献を果たしたのが、有名人を起用したテレビコマーシャルだ。

 

「2010年から南明奈さん、渡辺直美さん、すみれさん、田中圭さんといった人気芸能人を起用して、大々的にコマーシャルを制作しています。

 

　インターネット広告にも積極的で、動画配信サービス『TVer』などでも、大量に出稿されています。最近はレースを盛り上げる内容にとどまらず、若者が選手を目指すストーリーのものも増えています」（芸能担当記者）

 

　現在も神尾楓珠（ふうじゅ・23）や芋生悠（24）、土屋アンナ（38）、中村獅童（50）、ゆりやんレトリィバァ（31）ら、大勢登場するコマーシャルが放送されている。「アイアム・ボートレーサー」というキャッチコピーで、7人のボートレーサーの群像劇になっている。

 

　しかし、今回の死亡事故を受けて、ボートレースの危険性を感じさせないコマーシャル内容に “違和感” を感じる声があがった。

 

《CMで、結構華やかっぽく見えるけど、一番最初に見てたレースで死亡事故とか見たら2度とやらなくなるし、なんか対策できないのかなぁ…》

 

《ボートレーサーをかっこ良いとするCMの表現が怖い。人が死にすぎる》

 

《派手なCMにお金使わなくても、ボートレースファンは舟券買いますので、まずは、選手の安全確保をお願いします》

 

　ボートレース公式サイトが公開している「ボートレーサー募集要項」の応募資格には 《（4）体重：男子…49kg以上57kg以下、女子…44kg以上52kg以下》 と記載されている。

 

　実際のレースでは「最低体重制限」しか設けられていないが、体重の増減が結果に大きく左右する、と言われている。コマーシャル内で、ゆりやんがボートレーサー役を演じているのだが、その矛盾を指摘する声は事故以前からあった。

 

《CMだから気にするのは変だろうけどボートレーサーの体重超えてるから違和感ありまくりだし……》

 

《ボートレースのCM ゆりやん体重制限の壁で無理では…？？？》

 

《厳しい体重制限がある、ボートレース選手役にゆりやん、、、、無理ありすぎ設定じゃない？》

 

「ゆりやんさんは、撮影中のNetflixドラマ『極悪女王』に向けて、ダイエットで45キロの減量に成功し、体重65キロになった後、役作りのため93キロまで増量させたことを明かしています。

 

　たしかに、ぽっちゃりの印象が強いゆりやんさんには無理のある設定だったかもしれません。

 

　以前の渡辺直美さんのときはボートに乗る描写はなかったと思うのですが、『ゆりやんさんならいけるだろう』という判断だったのでしょうか」（前出・芸能担当記者）

 

　ゆりやんは、『極悪女王』の撮影でプロレスラー役を演じてケガを負ったばかり。人生を懸けて勝負に臨む選手のためにも、現実的な演出をしてほしいものだ。

( SmartFLASH )