エンタメ・アイドル
ウエストランド、毒舌漫才は「爆笑問題から受け継いだ」半径5kmの時事ネタを悪口として披露【成功への軌跡】
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2022.12.19 10:18 最終更新日:2022.12.19 10:20
お笑いコンビ・ウエストランドが、12月18日放送の『M-1グランプリ2022』(テレビ朝日系)で、7261組のなかから優勝を飾った。
「あるなしクイズ」の設定から、YouTuberのイメージに対して「若くして大金を得てるからまともではない!」などユーモア混じりに毒舌を吐く独自の漫才を披露し、最後は審査員7人中6人が票を投じて王者に。
【関連記事:ウエストランドの「JR中央線愛」家賃滞納で炊き出しを紹介され…】
ダウンタウン・松本人志は「窮屈な時代なんですけど、キャラクターとテクニックさえあれば、こんな毒舌漫才も受け入れられるっていう、夢を感じました。すばらしかった」と絶賛。立川志らくからも「あなた方は絶対スターになれる」と太鼓判を押された。
結成14年めで、2020年以来、2度めの決勝で優勝を飾ったウエストランド。ボケの河本太、ツッコミの井口浩之ともに岡山県津山市の出身で、津山市にあったショッピングセンター「ウエストランド」からコンビ名がつけられた。
養成所には通わずフリーで活動を開始し、爆笑問題の所属する事務所の若手ライブに出た縁から “預かり” を経て所属した。
毒舌漫才で『M-1』優勝を飾ったが、身長154センチで前歯が2列あるという井口が自らのコンプレックスやルサンチマン(怨念)を見事に笑いに昇華させてきた。
そんな悪口ネタについて、井口はWEB『ピクトアップ』で「僕らがやっていることって、“悪口の時事ネタ” なんです。その時々で話題になったことに噛みついている」と説明。時代によって変わる悪口ネタの新作を次々に作り、「そういう意味では、時事ネタを爆笑問題さんから受け継いでいるとも言えるかも。おこがましいですが。僕らは半径5km以内の時事ネタをやってます」と語っていた。
そんな井口にとっては、相方の河本も悪口のターゲットになることも。
2021年7月10日放送の『ゴッドタン』(テレビ東京系)では、「第2回ケンカ仲直り王決定戦」として、井口が河本について「ネタは書かない、声小さい、噛む、そのくせ緊張だけはする」とダメ出し。『M-1グランプリ2020』決勝でも、河本は楽屋では余裕をかましていたが、舞台では一言めから噛んで、結果、7回も噛んだという。
井口はピンの仕事も多いが、それも含めてギャラはコンビでは折半となっている。そのため、2021年12月19日配信の『チャンスの時間』(ABEMA)では、井口は「ギャラ折半で、お前さえいなければ僕の給料2倍、3倍違うんだよ!」とブチギレ。
河本が「その折半の給料で冬用の高い寝袋とナイフ3本買った」とカミングアウトすると、井口は「僕の給料がなかったら、お前の給料2万円の月あったからな!」とヒートアップしたことも。
だが、コンビがギャラを折半するのは、河本の “先見の明” があったと、YouTubeチャンネル『集英社オンライン』の動画で明かしている。河本が事務所に入ってすぐのころ、ピンで爆笑問題と一緒にCMに出て「とんでもない額のギャラが入ってきて、井口に『折半にする?』って聞いたら、『する!』って飛びついてきて」とギャラを2人で分けたという。
当時から河本は「売れるなら先に井口」と思っており、「いまギャラを折半にしておけば後々困らないだろう」としたたかな戦略があった。そのため「マジで投資です。先物取引ですよ。あのときのボクは冴えてましたね。褒めてあげたいです」とコメント。
井口はサッカーが好きで、小学4年から大学4年までサッカー部に所属して、コンビのYouTubeチャンネルで今回のW杯関連動画も投稿している。まさにサッカーのように井口が目立つフォワード的役割を果たし、その裏で河本がいじられ役として、デフェンダー役を務めることで、ウエストランドというコンビは成立しているのだった。
ウエストランドの『M-1』制覇に、SNSではさまざまな意見が書き込まれた。
《毒舌と悪口の違いは、共感を得られるかどうか。 「ひでぇ、でもそうだよなw」 と思わせれば演者の勝ち。 それと、決勝2本目でちゃんとM-1をいじったのも良かった。ちゃんと己の身も切っている。 ウエストランド、優勝おめでとうございます》
《ウエストランドのネタは井口氏の毒舌に共感し笑うネタではなく、歪み凝り固まった井口氏の偏見を笑う、というプロの妙技から成る難しいネタなので、そこを勘違いして自称面白ボーイたちが真似すると大怪我するので気をつけような》
《ウエストランドの優勝は納得。YouTuberに対する思いもめっちゃ共感できたしw》
「ウエストランドは、2020年の『M-1』決勝ではネタ中で『お笑いは、今まで何もいいことがなかったヤツの “復讐劇” なんだよ!』と決めのフレーズを披露していました。それを言ったあと、チラッと審査員の方を見るなど、謎のアピールをしていた井口さんについて、河本さんは『松ちゃんのこと見てる。頭おかしいわ、こいつ』と思っていたと『Number Web』で明かしています。
それでも、松本さんからは『刺さる言葉があってすごくいいんですけど、もっと刺してほしかった』と評されていました。
今回の『M-1』では、ウエストランドのネタについて松本さんからは「面白かった。進化しているというか、すごく楽しかった』と成長を認める発言が出ていました」(芸能ライター)
見事に “復讐劇” を果たしたウエストランド。優勝後の会見では、賞金1000万円の使い道について、井口は「体にガタが来ないように体のメンテナンスをしたい」、河本は「娘2人の学資保険を補填したい」と堅実な回答を見せた。井口はサッカー好き、河本はキャンプ好きという個性も活かして、これから大いに活躍の場を増やしていくはずだ。
( SmartFLASH )