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子役から芸歴24年、若きベテラン須賀健太の矜持「役者という仕事の “職人” でありたい」

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.02.12 11:00FLASH編集部

子役から芸歴24年、若きベテラン須賀健太の矜持「役者という仕事の “職人” でありたい」

須賀健太

 

 須賀がそう決心したからといって、仕事が順調に入るわけではない。堀越高校の芸能コースに進学したが、仕事で休んだり早退する同級生が多いなか、彼はほぼ皆勤賞。仕事をやめていく仲間も増えた。

 

「この仕事はやりたい気持ちがないと原動力にならないし、相手にも伝わらない。役者以外にやりたいことができてやめていく仲間に対しては、追いかけるものができて、カッコいいと思っていました。寂しいと思ったことはないですが、怖くはありました。子役からやっていて、よくも悪くもこれしか知らない。自分には何が残るんだろう、自分は必要とされているのかなって。

 

 そんなころに、森田剛さんが出演する劇団☆新感線の『IZO』という舞台を観て、生きているお芝居に衝撃を受けたんです。このときに舞台もやりたいなと強く思ってからは、迷いはなくなりました」

 

 生ものである「舞台」の魅力に引き込まれた須賀は、挑戦を始める。それまでは寡黙でおとなしいか元気な役が多く、型にはめて演技をしていた自分の殻を破るために、あえて犯人役や悪役を増やした。

 

「『ダークナイト』(2008年)でヒース・レジャーが演じたジョーカーに衝撃を受けて、当時の僕のバイブルになっていたんです。『シマウマ』や『ディアスポリス-DIRTY YELLOW BOYS-』で殺人者を演じましたが、自分にない感情を演じるから本当に難しかった。でもお客さんから『よかった』といっていただけることが多かったのがすごく嬉しかった。新しい一面を切り開けたかなって思っています。

 

 同時期に舞台で『ハイキュー!!』をやっていたんですが、こちらは真逆の底抜けに明るい青春もの。放出するもの、フラストレーションを感じるものが違うので、お互いの作品が息抜きのようになって演じられた。あの時期に両極端の演技をできたことが、今の僕につながっていると思います」

 

「悪役のイメージが強すぎて、僕が出てくると犯人だと思われる」と笑う須賀が現在演じているのは人気作『今野敏サスペンス 機捜235』の新シリーズとしてスタートした『機捜235×強行犯係 樋口顕』の巡査役だ。

 

「僕は浜川誠というITに強い巡査を演じています。機捜はその名のとおり、今までは足で稼いで事件を解決してきた。そのなかでいかに合理的に捜査ができるかを提示していく役なので、新しい風を吹き込めればいいなと思っています」

 

「刑事が使う専門用語が難しい」と話す須賀は可能な限り、職人に近づきたいという。

 

「役では何にでもなれるぶん、職人さんに憧れるんです。何かひとつを突き詰めた人の説得力ってすごいので、僕も役者としてプロフェッショナルでありたい、本物になりたいと思うんです。そして説得力を手に入れたい。これは積み重ねてやっていくしかないと思っています」

 

 ビールのジョッキは2杯め。

 

「映像と舞台をずっとやっていきたい」と話すその顔はもうすぐ30代、大人の役者の顔だった。

 

すがけんた
1994年10月19日生まれ 東京都出身 1999年、子役としてデビュー。ドラマ『人にやさしく』(2002年、フジテレビ)で注目を集める。映画『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』(2006年)で初主演し、同作で日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ、舞台ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』シリーズなどに出演し、活躍。『今野敏サスペンス 機捜235×強行犯係 樋口顕』(毎週金曜20:00~、テレビ東京系)にレギュラー出演中

 

【新宿ホルモン】
住所/東京都新宿区新宿3-12-3 藤原第二ビル1階
営業時間/17:00~23:00(L.O.22:00)
定休日/年中無休

 

写真・野澤亘伸
ヘアメイク・松田蓉子

( 週刊FLASH 2023年2月21日号 )

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