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【追悼】松本零士さん 本誌に語っていた『ハーロック』『銀河鉄道999』誕生秘話「汽車の轟音が子守歌」の少年時代

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.02.20 19:50FLASH編集部

【追悼】松本零士さん 本誌に語っていた『ハーロック』『銀河鉄道999』誕生秘話「汽車の轟音が子守歌」の少年時代

松本零士さんは本誌でミリタリーウォッチのコレクションを紹介してくれたことも(写真・保坂駱駝)

 

 2月13日、『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』などで知られる漫画家松本零士さんが、急性心不全のため東京都内の病院で死去していたことがわかった。85歳だった。

 

 1954年、福岡県立小倉南高等学校1年生のときに投稿した漫画『蜜蜂の冒険』が「漫画少年」(学童社)に掲載されデビュー。1972年、連載漫画『男おいどん』で講談社出版文化賞受賞。1974年に『宇宙戦艦ヤマト』で人気が爆発し、『宇宙海賊キャプテンハーロック』『銀河鉄道999』など、アニメとしてテレビシリーズ化、映画化された作品が次々と大ヒットを記録した。日本中で「松本零士ブーム」を巻き起こし、「日本宇宙少年団」の理事長なども歴任。2001年に紫綬褒章、2010年に旭日小綬章、2012年には、フランスの芸術文化勲章シュヴァリエを受章した。

 

 

 本誌では、2度にわたって松本さんにインタビューをおこなった。そこでは、不朽の名作『宇宙海賊キャプテンハーロック』『銀河鉄道999』の誕生秘話を語っていた。

 

「『宇宙海賊キャプテンハーロック』は、“私自身”だった」

 

「『キャプテンハーロック』は私ととともに、自然発生的に生まれてきたキャラクターで、言うなれば“私自身”なんです。小学3年生のときに、突然、『ハーロック』という言葉が頭に浮かんで、『ハーロック、ハーロック』って言いながら歩いていたんです。まだ英語も習っていないのにね。中学生になって、ドクロの旗印を描いて(キャラクターとしての)『ハーロック』が生まれた。私のいちばん古いキャラクターが『ハーロック』なんです。

 

 彼は、自分の信念に生きる。そして、人の命を大切にする。この世に死にたくて生まれてくる者はいない。そして、地球の未来を考えた場合に、人類同士が争っている場合ではない。生命体、環境の保全を含めて、地球人はひとつの生命体としてこの星に生まれた以上は、この星を守る義務がある。思想、宗教、信条……。『ハーロック』の中には、そのすべてが込められていて、それに逆らうものと戦う男です」

 

「『銀河鉄道999』は、少年の日の想いを形にした作品」

 

「私が住んでいた九州の小倉の長屋の脇に、鹿児島本線がありまして、蒸気機関車の轟音が私にとっての子守唄でした。汽車が走る光景は、私にとっての日常だったんです。当時は街灯が少ない時代だったので、汽車に乗り関門海峡を越え、海のほうを見ると、まるで星の海を飛んでいるようでした。そして、目の前にメーテルのような絶世の美女が座っていることを想像し、『こんな漫画をいつか描くぞ!』と思いながら上京しました。自分の少年の日の想いを形にした作品でした。貧乏な生活をしていても、絶望したことは一度もなく『いまに見てろよ。そのうちに見返してやる』という若者の気力に満ちていました。

 

 原作漫画の『銀河鉄道999』は、5回分を『週刊少年キング』(少年画報社)に渡して、私はアフリカへ冒険に行き『5回で人気が出なければ打ち切り』のつもりでしたが、帰国したら『いくらでも描いてください』といわれました。世界中を歩いて、経験したことも作品に生かされています。混沌としていましたが、おもしろい時代でした。作家としてはいい時代を過ごせたと思います」

 

 日本のSFアニメを牽引した巨匠は、宇宙の旅人となった。合掌!

( SmartFLASH )

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