エンタメ・アイドル
藤岡 弘、芸能界で活躍する一男三女「18年間、その存在を明かさなかった」父としての思いを激白
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.05.13 06:00 最終更新日:2023.05.13 14:34
「藤岡家」が芸能界で存在感を発揮している。
ドラマ『クールドジ男子』(テレビ東京系)に出演中の長男・藤岡真威人(19)は、2月に写真集も発売したばかり。長女・天翔愛(21)と次女・天翔天音(17)は、放送中のNHK大河ドラマ『どうする家康』に出演。三女の藤岡舞衣(15)は、雑誌の表紙を飾る10代のカリスマである。
いまでは、家族そろってテレビに出演することも多い藤岡家。しかし、“家長”の藤岡弘、(77)は2001年に結婚し、同年に55歳で父親になってからの18年間、子どもたちの存在を公表してこなかった。
【関連記事:藤岡弘、のボンビー時代「新聞紙で寝る半ラーメン生活」】
「若いころ、僕について事実とは異なる記事が出たことがあるんです。僕だけならともかく、母が心を痛めている様子を見て、本当につらかった。それ以来、プライバシーは世に出さないと決めたんです」
藤岡はあるとき、子供たちにこう告げた。
「『お父さんが俳優であることは、絶対にまわりに言ってはいけない。お父さんは学校に行くこともしないが、君たちを守るためには仕方ないことなんだ』と話しました。子どもたちも理解して、誰にも言うことはありませんでした。しかし、そう強く言った僕のほうが、子供たちが心配で、帽子にメガネ、マスクで変装して学校行事をこっそり見に行ったこともあります。そのことは、いまだに子どもたちは知らないはずです(笑)」
ふだんは外を一緒に歩くことはなく、人気のないキャンプ場や、つかの間の海外旅行で親子の時間を過ごした。
藤岡の家族について知るのは、ごく限られた知人や関係者のみだった。しかし、どこからともなく、子どもの存在が噂されるようになった。
「そんななか、2019年にテレビ局から『お子さんと一緒に』という出演オファーがあったんです。最初は断っていましたが、子供がいることが知られるのも時間の問題だなと思い、ならば、自分の口から伝えたほうがいいのではないかと考えました」
藤岡は、テレビに出演するかどうかを家族会議にはかった。
「長女は出演に反対。次女と三女は出ると言い、長男は『妹たちが心配だから、僕もついていくよ』ということで、長女以外の3人が出ました。思わぬ反響があり、その後もいろいろなところから取材や出演依頼が殺到したんです」
長女もほどなく、藤岡には予想外な形で、その存在が知られるようになった。
「ある日『パパ、主演女優賞をもらった』と言うんですよ。僕は長女が芝居をやっていたことを知らなかったから、驚きましてね。よく聞くと、彼女の友人が『高校生のためのeiga worldcup』という映像コンクールに出品するときに、頼まれて出演したんだそうです」
その賞をきっかけに、長女もメディアに出るようになった。
「現在は、4人とも芸能界でそれぞれにがんばっており、僕も子供たちと一緒に堂々と外を歩けるようになったので、よかったと思っています。それから、ファンのみなさんを安心させられたのもよかった。みなさん、僕がひとりで寂しく暮らしていると思って、不憫がってくれていたんです(笑)」
藤岡の子育てには、両親の教えが生かされている。
「藤岡流古武道を継承していた父からは『知性と理性だけではなく、感性を磨け』と、103歳で亡くなった母からは『ご先祖を敬い、何かあったら、ご先祖に自分の思いを委ねなさい』と教えられてきました。多くの人に思い出してほしいのは、『自分がいま、いるということは、先祖が愛をつないできてくれた証し』だということです」
そのバトンを、子どもたちに渡すのが藤岡の使命だ。
「子どもたちが、いつも僕を見ているという気持ちを持っています。歴史を振り返れば困難な時代もありましたが、先祖が命をかけてくれたのです。僕は武士道のもと、子どもたちに愛をつないでいくのが使命だと思っています。子どもたちが自立し、それを次世代につないでいくことができるようになるまでは、元気でいなければと思っています」
そうして、藤岡は2024年に芸能生活60周年を迎える。
「食事は和食を中心に、1日2回です。55歳で父となってから、以前よりも健康には気を遣っていますが、なによりも子どもたちが、元気の源だと感じています」
子どもたちは、藤岡が重んじる武士道に関心を持ち、進んで本を読むようになったという。藤岡の思いは、未来へとたしかにつながっているのだ。
ふじおかひろし、
1965年に松竹映画にてデビュー。1971年、『仮面ライダー』(テレビ朝日系)に本郷猛役で主演し、ヒーローの座を確立。大河ドラマ8作めの出演となる『どうする家康』では織田信秀を演じ、娘たちと共演した
取材&文/吉澤恵理(医療ジャーナリスト)