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『わたしのお嫁くん』波瑠の演技レベルの調節が絶妙…濃いキャラ大渋滞の “わちゃわちゃ” 回も安心して楽しめた理由

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.05.31 11:00FLASH編集部

『わたしのお嫁くん』波瑠の演技レベルの調節が絶妙…濃いキャラ大渋滞の “わちゃわちゃ” 回も安心して楽しめた理由

 

 波瑠への主演オファーが途切れない理由がよくわかる。硬軟どちらの演技もナチュラルに上手い。

 

 波瑠主演の社会派ラブコメディ『わたしのお嫁くん』(フジテレビ系)。先週水曜に第7話まで放送されている。

 

 気配り上手で清潔感もあって営業スキルが高い主人公・速見穂香(波瑠)は、仕事は完璧にこなすものの、実は家事が不得意で部屋がおそろしいほど散らかっているズボラ女子。そんな彼女に憧れて片想いする会社の後輩・山本知博(高杉真宙)は、家事力最強男子。

 

 

 ひょんなことがきっかけで穂香が知博を “お嫁くん” として迎えることになり、同棲生活を送るというストーリーだ。

 

 当初、穂香は知博を恋愛対象として見ていなかったが、徐々に男として惹かれていき、第6話で晴れて正式な恋人同士に。第7話では、穂香に恋する新入社員のフェミニン系男子が、知博にライバル心むき出しで宣戦布告し……という展開だった。

 

■やりすぎず、抑えすぎず、絶妙な加減のコミカル演技

 

 波瑠の昨年7月期の主演作『魔法のリノベ』(フジテレビ系)もコメディ作品だったが、両作を通じて感じたのは、彼女のコミカルな演技における絶妙な匙加減。

 

 セリフの抑揚や間の取り方がうまく、芝居が小さいわけではないが、かといってオーバーでもなく、ちょうどよく笑えるラインを突いている。そのあたりの勘がいいのだろう。

 

 一方、昨年1月期の主演作『愛しい嘘〜優しい闇〜』(テレビ朝日系)や、一昨年7月期の主演作『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)は、それぞれのストーリーや作風に合ったシリアス演技で魅せていた。

 

 脱力した軽妙な演技も真面目なお堅い演技も、どちらもハイレベルだと感じる。綾瀬はるか新垣結衣もコメディとシリアス、どちらも上手な女優と言えるが、こういったオールラウンダーの役者は意外と稀有。

 

 誰とは言わないが、オーバー気味に演じていれば成立するタイプのコメディ作品では主役を張れても、硬派な社会派ドラマで主演オファーがほとんどないという役者もいる。

 

 またその逆で、迫真の演技が魅力でシリアスな作品に出ているときは抜群にうまいのに、コメディ作品で主演するとそのリアルすぎる演技が仇となって、なんだか全然笑えない役者もいる。

 

 そういう意味で、波瑠は作風に合わせて演技レベルを上手に調整するセンスに優れているように思う。

 

■濃いキャラが大渋滞する “わちゃわちゃ” エピソード

 

 主人公役の波瑠は過剰すぎず抑えすぎずで程よい演技をしているが、『わたしのお嫁くん』にはハイテンション演技で作品を盛り上げるナイスキャラが多いのも特徴。

 

 第7話は、本作における4人の濃いキャラが初めて一堂に会した回となった。

 

 知博を溺愛するあまり、穂香を敵視していた過保護な長男。個性的な語彙力でナルシスト感あふれる次男。独特な世界観と顔芸を披露する “穂香推し” の同僚。あざとかわいいフェミニン系新入社員……高熱を出した穂香のお見舞いに来た4人が鉢合わせとなり、いい意味で濃いキャラが大渋滞する “わちゃわちゃ” した回となった。

 

 本作は同名コミックが原作なのだが、漫画ならではのアクの強い登場人物たちを見事にドラマに落とし込んでおり、実写でも愛すべきキャラクターに昇華させている。もちろん、ギャグシーンを寒いと感じる視聴者もいるだろうが、個人的にはついクスッと笑ってしまう。それも、波瑠の演技レベルの絶妙な調節があってこそ。

 

『わたしのお嫁くん』の登場人物は基本的に性格の悪いキャラがおらず、全員いいヤツ。主張の違いや誤解などで対立することはあっても、それは必ず自分の大切な誰かを想っての言動なので、安心して観ていられる。こういった要素も『わたしのお嫁くん』がファンから愛される大きなファクターになっているのだろう。

 

 ちなみに、ヒコロヒーが穂香の親友役でレギュラー出演しているのだが、芸人である彼女が本作においていちばん普通の人を演じているのがおもしろい。

 

 ――世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は第1話から第7話まで6.1%、6.4%、6.8%、5.6%、5.0%、5.5%、5.3%と低水準で推移している。しかし、人気の指標になる、見逃し配信TVerのお気に入り登録者数(5月29日現在)は、94.4万人と大台間近だ。

 

 今夜の放送は第8話となるため、いよいよ終盤に突入。穂香と知博のよき理解者だった先輩エリート社員が、穂香に急接近するエピソードになる模様。ラブコメの大定番である三角関係をどう料理するのか、見ものである。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』に恋愛コラムを連載中。ほに『現代ビジネス』『文春オンライン』『集英社オンライン』『女子SPA!』などにコラムを寄稿

( SmartFLASH )

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