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織田裕二の魅力を『シッコウ!!』で再発見…主役から陥落するも『踊る大捜査線』を彷彿とさせて期待度大

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.07.11 11:00 最終更新日:2023.07.11 11:00

織田裕二の魅力を『シッコウ!!』で再発見…主役から陥落するも『踊る大捜査線』を彷彿とさせて期待度大

写真:西村尚己/アフロスポーツ

 

もちろん主演の伊藤沙莉もいいが、往年のドラマファンからすれば、今回の織田裕二は一見の価値アリ。

 

 7月4日に第1話が放送された『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系)。主演にこだわってきた織田が、30年ぶりに主役以外を演じることで大きな話題を集めている。

 

 

 本作は裁判所の職員である「執行官」の仕事にフィーチャーしたリーガルエンターテインメント。強制執行によって情け容赦なく財産・金品・不動産などを差し押さえたり没収したりするのが執行官の仕事だ。

 

 織田が演じるのはまさにその執行官で、アシスタント的な執行補助者を伊藤が演じる。ひょんな出来事がきっかけで執行補助者となった主人公と、主人公を引き込んだ執行官によるバディものである。

 

■イイ感じに肩の力が抜けた織田裕二

 

 1991年の恋愛ドラマの金字塔『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)で、主演・鈴木保奈美の相手役に抜擢され大ブレイクした織田。その後、主演のオファーが次々と舞い込み、『振り返れば奴がいる』(1993年/フジテレビ系)、『お金がない!』(1994年/フジテレビ系)などで主役を演じ、ヒット請負人のようになっていった。

 

 そして、1997年にはじまった『踊る大捜査線』(フジテレビ系)がメガヒットシリーズとなり、国民的俳優に登りつめたのはご存知のとおり。

 

 そんな織田が、主役以外のオファーを受けるのは、浅野温子主演で1993年に放送された『素晴らしきかな人生』(フジテレビ系)以来なので、実に30年ぶり。

 

 近年はスマッシュヒットと言える作品はあれど、記録と記憶に残るような大ヒット作とはめぐり合えていなかったため、主役以外でもオファーを受けざるを得ない状況になっていたのかもしれない。

 

 こうした少々後ろ向きな事情も感じられるが、実際に『シッコウ!!』第1話を観た感想としては、「今回の織田裕二いいじゃん!」というものだった。

 

 これは筆者の勝手な想像だが、これまで何十年と背負い続けてきた “座長” としての重圧から解放され、イイ感じに肩の力が抜けて撮影に臨めているのではないか。それでいて存在感は抜群で、伊藤沙莉とダブル主演と謳ってもいいぐらいだ。

 

■ちょっと抜けたところもあるが芯は熱いキャラ

 

 これまで織田裕二が演じてきた主人公は、徹底的にクールかつスマートなエリートキャラか、ちょっと抜けたところもあるが芯は熱いキャラか、この2パターンのどちらかが多い。

 

 前者は『振り返れば奴がいる』、『外交官 黒田康作』(2011年/フジテレビ系)、『SUITS/スーツ』シリーズ(2018年、2020年/フジテレビ系)などがある。後者は『お金がない!』、『踊る大捜査線』などが該当するが、今回の『シッコウ!!』もこちら側。

 

『シッコウ!!』で織田が演じるキャラは、一見するとクールなので前者のエリートキャラっぽいのだが、実は転職して1年めなので執行官としてはまだまだ若手。

 

 そして、性格的には情に厚いところやドジっぽい面もあり、執行官としての正義感と現実のはざまで悩みを抱えることも。また、犬が大の苦手という設定なので、犬が登場すると情けなく怯えるコミカルな演技もする。

 

 織田本人や制作陣は意図してないだろうし、こんな言われ方はされたくないかもしれないが、往年のドラマファンである筆者から見ると、今回の織田の役はちょっと『踊る大捜査線』の青島刑事っぽいのである。

 

 もし青島が刑事の道ではなく法曹界を目指して、50代で執行官になったとしたら、ちょうどこんな感じなんじゃないかと妄想しながら観ると、意外としっくりくる。邪道な楽しみ方なのは承知のうえだが、『シッコウ!!』にはそんな楽しみ方もあると思う。

 

 現在の織田の見た目も、そういった妄想がはかどる一因があると感じる。現在55歳なので、そりゃ、1990年代の作品と比べればずいぶんと老けた。

 

 けれど、50代としてはかなり若々しいし、まだまだ活力はみなぎって見えるので、昔からのファンが失望するようなことはない。むしろ、1990年代の彼の主演作にどっぷりハマっていた人こそ、「これぞ織田裕二!」「やっぱり織田裕二はいいね!」なんて思うかもしれない。

 

■いぶし銀のおじさん俳優たちが若手の神輿を担ぐ

 

 第1話の世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は9.6%。二桁に届かなかったが、このご時世で考えれば上々のスタートと言える。

 

 伊藤は演技派として知られるが、ゴールデンタイムの連ドラは初主演のため、織田がバディ役を務めるとはいえ、少々不安があった。

 

 だが、本作には勝村政信渡辺いっけい六角精児、モロ師岡といったいぶし銀の俳優がズラリと揃っており、主人公の仲間を演じている。織田をはじめとしたおじさんたちが、若手女優の神輿を担ぐ盤石の布陣となっている。

 

 正直言うと、第1話は執行官の仕事紹介の要素が強く、主人公がまだチームに加わっていないので、エンタメ的なおもしろさは薄めだった。しかし、今夜放送の第2話からは主人公が加わるため、ここからが本番と言えそうだ。織田の演技に注目しつつ、第2話を楽しみたい。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

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