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『フェルマーの料理』高橋文哉×志尊淳「特撮出身者」が今後ドラマ界を席巻するかどうかの試金石に

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.11.03 11:00 最終更新日:2023.11.03 11:00

『フェルマーの料理』高橋文哉×志尊淳「特撮出身者」が今後ドラマ界を席巻するかどうかの試金石に

高橋文哉(左)と志尊淳

 

 旧ジャニーズ帝国が崩壊危機のいま、今後のドラマ業界の “イケメンもの” の試金石になるのが、今夜第3話が放送される高橋文哉×志尊淳ダブル主演作『フェルマーの料理』(TBS系)だろう。

 

 トップの数学者を目指すも挫折した天才数学少年・北田岳(高橋)。そんな岳がバイトで料理している姿を偶然目にしたミステリアスな男、朝倉海(志尊)。

 

 実は、海は二つ星レストラン「K」のカリスマシェフで、「お前の数学的才能は料理のためにある」と、岳を料理の世界にスカウト。岳の数学的思考で料理界の頂点を目指していくという物語だ。

 

 

 第1話では、海と出会った岳が料理の道に進むところまでが描かれ、第2話では海のレストランのクセモノ揃いのスタッフたちに、新人の岳が料理の味で認められるまでが描かれている。

 

■高橋文哉が “闇落ち” している未来にハラハラ

 

 物語的に岳と海がお互いに信頼しあうバディのような関係になるのかと思いきや、どうやら海には “裏” があるようで、不穏な気配が漂っている。

 

 まだ劇中で明言されているわけではないのだが、現時点までの物語から推察するに、どうやら海は自分がさらなる高みにいくために岳を利用しており、岳を “脇役” として踏み台にするつもりっぽいのだ。

 

 本作は基本的に2023年が舞台なのだが、各話の冒頭と最後に2024年のストーリーが挿入されている。その1年後のシーンでは、なぜか「K」に海がおらず、代わりに岳がシェフとして厨房を仕切っているのだが、いわゆる “闇堕ち” 状態。

 

 温和でやさしかった岳が、スタッフの作った料理を味見もせずに作り直しを命令するなど、冷徹なパワハラ男に豹変しており、厨房の空気は最悪でスタッフたちから反感を買っているのである。

 

 当然、海の目論見が関係しているのだろうが、素直で謙虚な岳がたった1年でどうしてこうも激変してしまったのか、その過程や原因が気になるような構成になっている。

 

 また、海は本当に悪意を持ったヒールキャラで物語後半にラスボスのようになってしまうのか、それとも “裏の裏” をかいて本当はいい奴で、最終的に岳と海でバディのようになっていくのか読めないところもおもしろい。

 

 ちなみに、『フェルマーの料理』が放送されている「金曜ドラマ」枠の前作『トリリオンゲーム』でも類似の手法が用いられており、主人公(Snow Man目黒蓮)が不在の未来のシーンが各話の冒頭などに挿入されていた。

 

 この手法は、あえて本編よりも未来のシーンをカットインしてネタバレしておくことで、視聴者の興味を一層惹きつけられるメリットがある。実際、『フェルマーの料理』のように、主人公が闇落ちしている未来が描かれると、ハラハラして先が気になって仕方ないという視聴者も少なくないだろう。

 

■ジャニーズ崩壊危機によって注目を集める特撮作品俳優

 

 さて、『フェルマーの料理』が今後どのような展開になっていくかはさておき、本作はドラマ業界全体でも注目を集める作品になっている。

 

 というのも、ドラマ業界において、今後の “イケメンもの” がどうなっていくかを占う作品になると考えられるからだ。

 

 これまでの “イケメンもの” は、「ジャニーズタレント主演」か「ジャニーズ以外主演」かのどちらかに大別できていたが、ご存じのとおり、旧ジャニーズ帝国が崩壊の危機に瀕している。

 

 旧ジャニーズの新会社とエージェント契約を結ぶタレントたちは、今後しばらくは新規のドラマ主演は厳しくなりそうで、そうなると “イケメンもの” はジャニーズ以外の俳優への依存度が高まることは想像にかたくない。

 

 そして『フェルマーの料理』の主演の2人は、まさに非ジャニーズなのだが、実は高橋と志尊には大きな共通点がある。それは、東映の特撮作品が出世作という点だ。

 

 高橋は『仮面ライダーゼロワン』(2019年)で主役のライダーを演じ、志尊は『烈車戦隊トッキュウジャー』(2014年)で主役の1号(レッドに相当する役)を演じている。

 

 以前から「仮面ライダー」と「スーパー戦隊」のヒーローを演じていた俳優が、一躍売れっ子となってドラマ業界の第一線で活躍する流れはあったが、ジャニーズ問題の余波で、特撮出身俳優がより重用されていく可能性は非常に高いのではないか。

 

 ざっと思いつくところでも、「仮面ライダー」出身俳優は、高橋以外に佐藤健、菅田将暉、吉沢亮、福士蒼汰、竹内涼真、赤楚衛二など枚挙に暇がない。「スーパー戦隊」出身俳優も、志尊以外に松坂桃李、千葉雄大、山田裕貴、横浜流星など多数いるのである。

 

 ――『フェルマーの料理』の世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)はここまでの2回とも5%台で、見逃し配信の指標になるTVerのお気に入り登録者数は50.2万人(10月31日現在)となっている。

 

 現時点では大ヒットとなる見込みは薄そうだが、今後、もし人気が右肩上がりになっていけば、“イケメンもの” は特撮作品のヒーロー出身者による一強時代へ突入する可能性がなきにしもあらず。

 

 そんなドラマ業界の今後の動向も左右しそうな『フェルマーの料理』は、今夜第3話が放送される。大ヒットの兆しが見えるかどうか、注目したい。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

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