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『コタツがない家』小池栄子のキャラとバックボーンと演技力が “三位一体” で大成功

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.11.08 11:00FLASH編集部

『コタツがない家』小池栄子のキャラとバックボーンと演技力が “三位一体” で大成功

写真:西村尚己/アフロ

 

 受難に次ぐ受難。こうもトラブル続きだと、視聴者側も観ていてしんどくなりそうなものだが、クスッと笑える物語になっているのは、やっぱり主人公が小池栄子だからだろう。

 

 先週水曜に第3話が放送された『コタツがない家』(日本テレビ系)は、小池演じる主人公・万里江が一家の大黒柱として、夫・息子・父のダメ男3人衆を養っていくネオ・ホームコメディー。

 

 

 万里江はブライダル関連会社の社長で、自らがさまざまなメディアで取り上げられるほどのやり手ウェディングプランナー。生きがいとしてきた仕事は順調だが、家庭内のゴタゴタに次々見舞われる。

 

 夫の悠作(吉岡秀隆)はかつて売れっ子だったが、現在は廃業寸前の漫画家。自宅で酒を飲みながらゲームをして寝落ちするという、自堕落な生活を送っているほぼニート。

 

 息子の順基(作間龍斗)は進学を控える高3ながら、こっそり受けていたアイドルオーディションに落選して自暴自棄に。指定校推薦で大学に行ける予定だが、本人は不満げ。

 

 父の達男(小林薫)は、定年退職前は一流商社に勤めていたが、凝り固まった古い価値観などが原因で、妻から熟年離婚され、今は独り身。自殺未遂(?)を起こしたことがきっかけで万里江の家に居候している。

 

 第3話は、10年以上も仕事をしていなかったダメ夫・悠作が、“義父との同居” をテーマにした新作を描こうとして、一悶着、二悶着起きるというエピソードだった。

 

■夫は典型的な “周囲を不幸にする人間”?

 

 第3話を一言で言うと、悠作の激クズっぷりがこれでもかとあらわになった回だった。

 

 悠作は自分の私生活を描くエッセイ漫画家で、偏屈な視点をユーモラスに描いて人気を博していたが、要するに漫画を描いていなければただの社会不適合者のようなキャラ。

 

 まず、10年以上もまともに漫画を描いておらず、万里江に養ってもらっているのに、焦っている様子はいっさいなし。

 

 新作について達男が「どうせ俺の悪口を描くに決まってる」と反対しても、自分は知らぬ存ぜぬのスタンス。唯一見捨てないでくれている編集者が、熱心に提案してきたから仕方なく進めているという態度で、ベースが他責思考なのである。

 

 悠作は終始ヘラヘラとしてふてぶてしいので、救いようのないクズに感じてしまう。

 

 まあ、独創的な切り口が求められるクリエイターとしては、そういう性格・性質が “才能のうち” と言えてしまうのかもしれない。常識的な価値観やライフスタイルでは、おもしろいエッセイ漫画なんて描けやしないだろう。

 

 そして、たしかに個性的な魅力があるのも事実で、万里江はそんなところを好きになったのだろうが、欠陥だらけには違いなく、悠作は典型的な “周囲を不幸にする人間” に思える。

 

 実際、万里江が仕事で成功しているから経済的な問題はなさそうだが、もし悠作が大黒柱で彼の稼ぎに頼っていたとしたら、コメディーとして明るく描くことができないレベルで悲惨になりそうである。

 

■小池が語った “リアル旦那” との関係性

 

 このダメ男たちに囲まれた物語がクスッと笑える作品に仕上がっているのは、やはり主人公を演じているのが小池だからという要素が非常に大きいと思う。

 

 演技がうまくて魅せられるのはもちろんなのだが、主人公像と「小池栄子」のパブリックイメージがドンピシャで合致しているのだ。

 

 小池も万里江も芯が通っていて、ハキハキとしたパワフルウーマンのイメージ。だから、もし小池が芸能界入りせず、一般人として生きる世界線があったら、そのまま万里江のようになっていてもおかしくないと思わせるほどである。

 

 さらに言うと、小池はドラマスタート前にトーク番組『おしゃれクリップ』(日本テレビ系)へゲスト出演した際、2007年に結婚した元プロレスラー・坂田亘氏との結婚生活と照らし合わせて、自身と万里江が似ていると公言していた。

 

 番組内で「日々ほんと旦那の文句ばっかり言ってるんで」と明かし、ドラマの作家と打ち合わせしたときに語った夫への愚痴が、そのままセリフに採用されたとのこと。

 

 坂田氏は居酒屋経営などいくつかの事業に失敗して、億単位の借金を背負った時期もあったそうで、現在は小池の個人事務所の社長を務めている。家族の実質的な大黒柱は小池のようなので、経済事情も万里江と共通点があるのだ。

 

 ただ、小池は『おしゃれクリップ』の後半で、坂田氏を「前向きになれるパートナー」と評し、「これからもよろしくお願いします」と夫婦仲のよさも見せつけていた。

 

『コタツがない家』の劇中の旦那はなかなかのクズではあるが、これからの展開で万里江と悠作も、現実の小池と坂田氏のような強い絆で結ばれた夫婦になっていくのかもしれない。

 

 このように、小池と万里江の性格や人生がシンクロする部分が多いから、万里江の周囲の男たちがどんなトラブルを持ち込んでも、イライラしたり鬱々としたりせずに、カラッと明るい雰囲気になっているのだろう。

 

 今夜放送の第4話では、息子・順基や父・達男がトラブルを巻き起こし、万里江の受難はまだまだ続く模様。

 

 しかし、小池栄子自身のキャラと、彼女のバックボーンと、彼女の演技力が三位一体となっていれば、今回も良質なコメディー作品として楽しませてくれるに違いない。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』に恋愛コラムを連載中。ほに『現代ビジネス』『文春オンライン』『集英社オンライン』『女子SPA!』などにコラムを寄稿

( SmartFLASH )

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