エンタメ・アイドル
蓮佛美沙子 竹内結子さんに憧れ役者の道へ…両親、事務所からプレゼントされた20年がギュッと詰まった「手作りアルバム」が宝物!
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.12.02 06:00 最終更新日:2023.12.02 06:00
「私にはこれしかできないから」
主演映画『女優は泣かない』のなかで、蓮佛美沙子(32)が演じる崖っぷち女優・梨枝は、そう言う。
梨枝は小学生のときに、母親と「大きくなったら女優さんになる」と約束するのだが、彼女自身も「役者になりたい」と思ったのは、小学5年生のときだったという。
「そのころ、私は学校があまり楽しくなくて、月曜日は憂鬱な日でした。ところが月9で『ランチの女王』(フジテレビ系)が始まったことで、憂鬱な月曜日に光が差したんです。竹内結子さんが演じるヒロインが、逆境にも負けずに太陽のような笑顔でまわりにもパワーを与えていて『よし、今週も頑張ろう!』と思えるようになって」
【関連記事:山口智子が夫・唐沢寿明に語った終活「散骨してくれ」】
そんなふうに思わせてくれる役者という職業は、なんて素敵なんだろう……。
「以来、ずっと将来の夢は役者でした」
中学3年生の冬に受けたオーディションに合格し、鳥取県から上京。翌年には映画で、女優デビューを果たす。
「これまで一度もやめたいと思ったことはないし、それはとても幸せなことだと感じています。でも、梨枝のように『これしかない』とは思ってはいないんですね。もちろん、できるだけ長く大好きなこのお仕事を続けていきたいし、そのためにできることはなんでもやりたいとは思っているけど、でもほかに道はないというのは、ちょっと違うような気がします。
小学5年生のときに『役者』になりたいと思ったのは、当時の私にとってはテレビに映っている人との出会いが大きかったから。だけど、作品が世の中に出るには、本当にたくさんの人々が関わっていて、たとえば録音部さんとか照明部さんとか、そういう存在を小学生のときに知っていたら、違う選択肢もあったんじゃないかと、今は思いますね」
15歳で親元を離れて、高校、大学と学校に通いながら仕事に打ち込み、20歳の誕生日を迎えたとき、プレゼントとして渡されたのは、2冊のアルバムだった。
「家族からと所属事務所から、それぞれ1冊もらったんですけど、打ち合わせしてとかではなくて偶然!」
家族からのアルバムには、生まれたときからの20年がギュッと詰まっているといい、
「幼稚園、小学校……どんどん大きくなる私の写真を両親が選んでくれていて、本当に嬉しかったですね」
と、愛おしそうに表紙をなでる。
「事務所からのは、お世話になっているカメラマンの方が、振り袖を着る支度から明治神宮へのお参りまでを撮影してくださって、写真集のようなクオリティーのアルバムを作ってくれたんです」
今でも、ときおり2冊のアルバムを開く。
「20歳のときの私は、顔がきついなぁと思います。必死だったんでしょうね、きっと」
本当の意味で大人になったと感じたのは、大学の友人たちが就職活動で慌ただしくなったころだったという。
「私はすでにお仕事をしていたけれど、みんな社会人になるんだなと、もう大人にならなくちゃいけないんだな、と感じました」
小学生のときから、役者以外の仕事を考えたことはなかったが、役者としてさまざまな職業の役柄は経験してきた。
「医師、保育士、美容師……たくさんの職業を疑似体験させていただいてありがたいお仕事ですね! それぞれ本当にその職業に就いている方から、『ちょっと実際とは違っている』という指摘をいただくこともあって勉強になります」
そして今回、女優が女優の役を演じることになったのだが、『実際とはちょっと違う』と思ったことは?
「初めての女優役……今は女性も俳優と言ったほうがいいのかもしれませんが、この作品においては、やっぱり女優というワードがとても大事だと思ってて……女優役はとても楽しかったです。物語も役柄も、こんなにおもしろい作品をやらせていただけるなんて、なんて幸運なんだろうと思っていたので、違うなんて考える暇はありませんでした(笑)」
今後、やってみたい役柄は?
「30代だからこその恋愛ものをやりたいですね。恋愛ものが、いちばん年齢によって色合いが違うと思うから。30代の恋愛を描く作品で、恋をしてみたいです」
蓮佛美沙子が女優という職業を選んでくれたことに感謝しつつ、映画の公開を楽しみに待ちたい。
れんぶつみさこ
1991年生まれ 鳥取県出身 2006年、映画『犬神家の一族』でデビュー。2007年に『バッテリー』でヒロイン、『転校生 -さよならあなた-』で初主演を務め、キネマ旬報ベスト・テンと高崎映画祭で新人女優賞を受賞。おもな出演作に、『RIVER』(2012年)、『白ゆき姫殺人事件』(2014年)、『天外者』(2020年)、実写版『鋼の錬金術師』(2017年、2022年)、『スイート・マイホーム』(2023年)など
写真・中村 功
取材&文・工藤菊香