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令和ロマン『M-1』優勝の裏に高学歴芸人が受験感覚で練った「傾向と対策」先輩芸人が解説

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.12.25 19:15 最終更新日:2023.12.25 19:15

令和ロマン『M-1』優勝の裏に高学歴芸人が受験感覚で練った「傾向と対策」先輩芸人が解説

髙比良くるま(左)と松井ケムリ(公式サイトより)

 

 12月24日、漫才日本一決定戦『M-1グランプリ』(ABCテレビ・テレビ朝日系)決勝戦がおこなわれ、お笑いコンビ・令和ロマン優勝を飾った。8540組という過去最多エントリーのなかからトップに立ち、賞金1000万円を獲得することとなった。

 

 例年、厳しいといわれてきたトップバッターからの優勝は、第1回大会の中川家以来、22年ぶりとなる。高比良くるまと松井ケムリの2人は、2018年にコンビを結成し、2022年には『M-1』準決勝進出。2023年が初の決勝進出となり、芸歴5年めという若さで一気に頂点を獲った。

 

 令和ロマンの勝利の秘密はいったい何だったのか。元「ジャリズム」で、2021年にはユニットコンビ「山下ぴんく」で『M-1』3回戦に進出した、インタビューマン山下さんはこう語る。

 

 

「2人は慶應義塾大学出身(くるまは中退)の高学歴コンビで、とくに、くるま君は、とにかく『分析が好き』というタイプ。過去にインタビューさせてもらったときには、毎年『M-1』を見て、いろいろな分析をしていると話していました。

 

 毎年、お笑いには流行があり、その年の『M-1』が終わった瞬間から、また新しいトレンドが始まると。だから、全国の吉本のライブを配信で見て、『いまはこういうネタが多くて、こういうのがウケてるんだ』と探っていくといいます。簡単に言っていましたが、かなりたいへんな作業ですよ。1年めは、『M-1』の1回戦から現地に見に行っていたそうです。よっぽど分析好きじゃないと、そこまでできません」

 

 実際、11月28日放送のラジオ番組『ナイツ ザ・ラジオショー』(ニッポン放送)にゲスト出演した令和ロマンは、『M-1』のためにさまざまな戦略を立てていたことを告白。2020年に準優勝した、おいでやすこがの小田が、足をバタバタ鳴らしながらツッコむ姿がウケていたため、2022年に出場した際は「音がすごく鳴るような革靴にして」準決勝に臨んだという。

 

 ただ、2022年の段階では、ウケはしたものの敗退したため、2023年はさらに工夫をこらし、3回戦まで度入りのメガネをつけ、3回戦以降は伊達メガネにつけ替えることで目を大きく見せる作戦に。「あれ? こいつ、今日、調子いいな?」と思わせる効果を狙っていると語っていた。眉毛のアートメイクも仕込み、さらに目ヂカラアップをはかったとも明かしている。

 

 ビジュアルだけでなく、今回の『M-1』で披露したネタも、戦略があちこちに見える仕上がりだと、山下さんは語る。

 

「まず、普通はせりあがりは棒立ちなんですが、令和ロマンは1本めも2本めも『誰かおるぞ!』みたいな動きをしたり、相方に立ち位置を案内したりと、何かしら、やってるんです。あれって、2020年のマヂカルラブリーのくだりを取り入れているんだと思うんです。2017年にマヂラブが『M-1』に出場して、審査員の上沼恵美子さんから『好みじゃない』『よう決勝残ったな』と、辛辣なコメントをされたことがありました。3年後、2020年に決勝進出した際、野田クリスタルさんは土下座でせりあがり、初っ端から会場を笑わせ、結果的に優勝しています。それを見て『俺らもなにかしら、やったほうがええんちゃうか』みたいになったんかなと。

 

 あと、お客さんを巻き込むのがほんとうにうまい。1本めでは『マジ全員で考えたくて』って、くるま君がしゃがんでお客さんと目線を合わせる場面がありましたが、あれは客席側が2人に親しみやすくなるための戦略でしょう。

 

 漫才では、お客さんと一体化することが大事なんです。コンビ同士で掛け合いするだけだと、お客さんと距離ができてしまう。でも、くるま君は相方、お客さんと三角の関係性を築こうとしていた。お客さんに伝えようとするときはお客さんに顔向けて、相方に対するときは相方に顔向けて喋ってる。お客さんとの距離を近づけよう、という意識はほかのコンビと比べても際立っていました」

 

 優勝後には、「『M-1』大好き。来年も出ます!」と宣言した高比良くるま。山下さんは「ボケじゃなくてマジなんちゃうか」と予想する。

 

「最後、『もう1回出ます!』って言ったらしいですけど、本当に出る気がします。普通は『M-1』優勝が、芸能人の切符をもらうひとつのゴールな感じがしますが、くるま君の場合は分析好きだから、ゲーム感覚で『M-1』にチャレンジしてるんちゃうかなと思うんです。大学受験で傾向と対策を練ることの延長で、『M-1』を分析して、攻略したいと思ってるのでは」

 

 緻密な分析を重ね、今回の優勝を掴み取ったとなると、現実度は高そうだ。2024年の『M-1』では、前人未到の2連覇への挑戦が行われるのかもしれない。

( SmartFLASH )

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