日本テレビ系で放送されたドラマ『セクシー田中さん』の原作者が急死した件で、原作漫画を連載していた小学館の対応に注目が集まっている。
小学館は2月6日に社員説明会を開き、「今回の件に関する経緯を、社外発信する予定はない」との説明があったと、2月7日の「スポニチアネックス」が報じている。その理由は「故人の遺志にそぐわない」ためで、この対応に対して社員からは厳しい声が上がったとしている。SNSでは
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《これは最悪な方法だと思う 原因の一つ(と思われてる物) 「出版社側が制作スタッフに原作者の意思をちゃんと繋いでなかったのでは?」 という疑惑が晴れない》
《なんという悪手…しかも先生の亡くなる直前のポスト削除を理由に隠蔽って、これじゃ日テレとの口裏合わせを誰もが疑うと思う。小学館は信じてたのにな》
など、批判的な意見があふれている。
そんな中、ある漫画家の投稿が注目を集めている。
《無期限休載するというツイートをしたら、翌日小学館へ呼び出され、編集長とメディア事業部の人たちに囲まれて「ツイートは削除しろ」と言われました。(削除しませんでした)》(2月5日のXより)
このツイートを投稿したのは、漫画『しろくまカフェ』の作者、ヒガアロハ氏だ。ヒガ氏は小学館の「月刊フラワーズ」に2006年から『しろくまカフェ』を連載。アニメ化され、2012年4月から1年間、テレビ東京系で放送されたが、その際にトラブルが発生していた。
原作者であるにもかかわらず、アニメ化に際しまったく意見を言う機会が与えられなかったことに危機感を覚えたヒガ氏は、アニメ放送開始2カ月後にTwitter(当時)で休載を宣言。すると、すぐに小学館に呼び出され、前掲のツイートのような対応を受けたという。
その後、知的財産管理の専門家の助けを借りるなどして、ようやく話し合いの場が設けられ、編集部がヒガ氏に謝罪。漫画の連載は再開されることになったものの、アニメ化の契約書が作成されていなかったことから、アニメの原作料が1円も入らない状況であることなどを、当時のTwitterで報告していた。
ヒガ氏は今回の件について、自身の経験をなぞらえた思いを自身にXに投稿。
《出版社や制作側などなどが「原作者が泣き寝入りする」ことだけを期待している、あのプレッシャーの中で、作品を守ろうと奮闘するのは、とてつもなく大変でした》
《力不足で守れなかったんだけど…。でもあの出版社からは逃げられた。当時は「ここから出て行く!」を最大目標にして動いていた》(ともに1月30日)
ヒガ氏はアニメ放送終了後、小学館での連載を打ち切り、続編を集英社の漫画誌で連載している。
《私も当時はものすごく叩かれました。芦原先生がブログ記事を書かれたのが他人事ではなかったです》
と当時を振り返るヒガ氏は、小学館にこんな仕打ちを受けたことも明かしている。
《今でもうっかり思い出すととても悔しいのが、読者の方からのお手紙やプレゼントを全部捨てられていたこと。「ペンギンカードを作って編集部へ送りました!」とSNS経由で教えてもらって、楽しみにしていたのに、私の手元に届くことはなかった…手紙も1通も届かなかった》(2月5日のXより)
ヒガ氏の投稿について、本誌は小学館に質問書を送付したが、期限までに回答はなかった。
( SmartFLASH )