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泉麻人は「昭和の東京ニュース」出口保行は「ジャズで犯罪分析の癒やし」各界賢者が見ているYouTube

エンタメ・アイドル 投稿日:2024.03.02 06:00FLASH編集部

泉麻人は「昭和の東京ニュース」出口保行は「ジャズで犯罪分析の癒やし」各界賢者が見ているYouTube

泉 麻人

 

 いまや、Z世代がテレビに代わって愛用するのがYouTube。だが、各界の賢者たちも、意外にも情報収集の術として活用しているというのだ。ある者は趣味を深めるため、ある者は新しい才能を見つける場所として――。

 

 動画で情報を得る人が増えた背景には、Web検索の質が下がったことがあるという。「初心者向けの導入としては、二次情報をまとめてくれているYouTubeは非常に便利だと思います」と話すのは、ITジャーナリストの三上洋氏だ。自身も3つのチャンネルを愛用するという。

 

「何かを調べようとすると、いまはアフィリエイトと呼ばれるお金儲けのために作られた記事ばかりが出てきて、調べものや探しものをするのが不便になっています。そんななか、YouTubeは本音できちんと話す人に人気が出る場所になっている。しかも、検索したいことに、長い尺を割いて動画で説明するので、ひとつのコンテンツを観るだけで、知りたいことを深く理解できますからね」

 

 

 40~50代だって、「動画で検索」が当たり前の時代なのだ。

 

●コラムニスト・泉 麻人が◎「環状七号線」

 

<昭和の東京をニュース映画で探訪>

 

 チャンネル登録はしていませんが、検索やザッピングで目についた東京の昔の映像などを愛好しています。とりわけ何度も観ているのが、東京都が出している1961年の「環状七号線」というニュース映画。タクシーのドライブレコーダー映像で、羽田あたりから建設中の環七や狭い旧道を世田谷、杉並……と、延々、上っていく臨場感が格別です。YouTubeを観るようになったのは、iPadを使い始めた10年前くらいから。気になった音楽のチェックにも重宝しています。ほかには、アメリカのユーザーがアップしたと思しき、1960年代ごろのABCの音楽バラエティなんてのをよく観ます。

 

泉 麻人
コラムニスト 東京や昭和、サブカルチャー、街歩き、バス旅などをテーマにしたエッセイの著作多数。テレビにも出演しコメンテーター、司会などを務める

 

●政治アナリスト・伊藤惇夫が◎ Seaman bike & life vlog

 

<永田町の疲れはバイク女子で癒やす>

 

 私の趣味がバイクなので、仕事に疲れたときなど、気分転換でバイク関連の動画を観ています。いろいろなバイク動画が上がっていますが、どうせ観るならやはりバイク女子のものが和みます。

 

 バイク女子の動画の中には、本当はバイクが好きではなく再生回数を稼ぐためにバイクを「道具」に使っているようなケースも少なくありませんが、この「しーまん」は本当にバイクが好きなことがわかるし、映像もきれいで撮り方もうまい。なによりBGMの選曲がいいので好みです。2年ほど前からのファンです。

 

伊藤惇夫
政治アナリスト 約20年の自民党本部勤務を経て新進党に移る。その後、民主党などの事務局長を歴任。約30年もの永田町生活で、政界の裏を熟知した政治アナリスト

 

●お笑い評論家・ラリー遠田が◎ 鬼越トマホーク喧嘩チャンネル

 

<ブラックな笑いに“聞く力”が宿る>

 

 喧嘩を止める相手に勢いまかせに毒を吐く「喧嘩芸」でブレイクした鬼越トマホークの2人が、その持ち味を生かしてブラックな笑いを提供してくれます。このチャンネルの名物企画は、ランキング発表。女性芸人が選ぶ「ムラっとくる男芸人ランキング」、コロコロチキチキペッパーズのナダルさんが選ぶ「自分よりクズだと思う芸人ランキング」など、生々しい下ネタや振り切った悪口が多くて、おもしろいです。芸人をゲストに招く動画では、インタビュアーとしての2人のセンスが光っています。芸人同士という立場を利用して、ふれにくい話題にあえて深く斬り込むことで、ふだんは聞けないような貴重な話がポロッとこぼれたりします。

 

ラリー遠田
お笑い評論家 東京大学卒のお笑い評論家。テレビやお笑いに関する執筆、イベント主催など、多岐にわたる活動をおこなう

 

●時事問題評論家・古谷経衡が◎ 岡田斗司夫ゼミ

 

<「令和のアリストテレス」の人生相談>

 

『新世紀エヴァンゲリオン』を制作した、ガイナックスの創設者にして評論家の岡田斗司夫氏によるチャンネル。博覧強記とはまさにこの人のことを言う。アニメ、漫画、映画はもとより博物学、社会学、宗教学、はては性愛まで、あらゆることを網羅しています。「令和を生きるアリストテレス」といっても過言ではない。

 

 無料、有料の会員種別があるが、私は課金して視聴している。リスナーに人気なのは「サイコパスの人生相談」コーナー。相談者に女性が多いので、「やっぱり岡田さんってモテるんだなあ」と思う。ガンダム1stの各話Aパート(約15分)を解説するのに、何カ月もかけるという情熱には感服。いつかお会いしたいものだ。

 

古谷経衡
時事問題評論家 令和政治社会問題研究所所長。若者論、社会、政治、サブカルチャーなど幅広いテーマで執筆・評論活動をおこなう

 

●ITジャーナリスト・三上 洋が◎ 資産価値ZERO-限界ニュータウン探訪記-

 

<限界住宅地への潜入は必見> 

 

 毎回、必ず見ているのは「資産価値ZERO-限界ニュータウン探訪記-」。バブル期に開発されて、いまはまったく使われていないボロボロになったニュータウンを、吉川祐介さんがカメラを持参して取材しています。バブル期の住宅開発ドキュメンタリーになっていて、たいへんおもしろいです。もうひとつは不動産関連会社の「楽待 RAKUMACHI」。不動産関係の動画ニュースではトップクラスです。東京の空き家問題や不動産詐欺など、不動産に関するオリジナルのニュースを多く上げていて、たいへん興味深いです。あと私は乃木坂46のファンなので、もちろん乃木坂46の公式チャンネルも登録しています。

 

三上 洋
ITジャーナリスト ネットセキュリティやSNS、携帯電話料金など、幅広いITの分野を専門とするITジャーナリスト

 

●野球解説者・武田一浩が◎ 競馬チャンネルを3つ

 

<競馬“選球眼”は3チャンネルで>

 

 賭け事でやるのは競馬だけなんです。なので、競馬のチャンネルは注目しています。よく観ているのは「ニートボクロチキン」「唯一無二の馬券師 弥永明郎」「やーしゅん馬体予想」で毎週楽しみにしています。この3つのチャンネルを観て参考にして、そこから吟味して馬券を買います。

 

 なかでも弥永さんとは昔からの知り合いで、仲がいいんですが、彼の予想は本当によく当たる。知る人ぞ知る存在なんですが、僕にとってはまさに神様ですね(笑)。万馬券? バリバリありますよ。細かいことは言えませんが……。野球はYouTubeでは観ませんね(笑)。

 

武田一浩
野球解説者 22年ものNHK・BSでのメジャー解説歴を誇る野球解説者。日本ハム、巨人など4球団で投手として活躍

 

●航空アナリスト・鳥海高太朗が◎ ワタナベカズマサ

 

<レビュー動画でカメラを即買い!>

 

 昔から家電などの「ガジェット」が好きで、暇さえあれば家電量販店をウインドーショッピングしています。気になった製品を、忖度なく実際に使ってレビューしている「ワタナベカズマサ」さんのチャンネルが大好きで、動画を観て実際に購入したものもたくさんあります。とくに取材や調査で動画を撮影して、私が出演するテレビや、私のYouTubeチャンネル(「PTA鳥ちゃんねる」)で使う素材も、このチャンネルでレビューを観て、即買いした「DJI Osmo Pocket 3」です。いまや私にとっては、なくてはならない動画撮影カメラです。移動中はチャンネルの動画をチェック。トリセツよりもわかりやすいです。

 

鳥海高太朗
航空アナリスト 専門は航空会社のマーケティング戦略。利用者・専門家の双方の視点からの分析をメディアでおこなう

 

●犯罪心理学者・出口保行が◎ ジャズBGM

 

<犯罪分析の癒やしは「ながらジャズ」>

 

 YouTubeを観ることはほとんどなく、音楽だけを車内でよく聴いています。YouTubeを含めてテレビ、映画などの映像を観る時間はほとんどないので「ながら」でできることに重宝しています。音楽聴取に使っているのは、さまざまなジャンルの音楽を、時間の長短に関係なく聴けるからです。

 

 基本的には「かっこいいジャズ」と検索して出てきたものを聴くことが多いです。大学への通勤時によく聴いています。音楽を聴くことによってヒーリング効果もありますし、なによりリラックスして次の仕事に挑む力が湧いてきます。私が扱うのは事件ばかり。とりわけ殺人が多いので、こうした癒やしの時間が大切です。

 

出口保行
犯罪心理学者 東京未来大学こども心理学部学部長。内閣府、警視庁主催の講演会のほか、情報番組を中心に犯罪解説をおこなう

 

●宗教学者・島田裕巳が◎ 「紀尾井町家話」

 

<歌舞伎役者の芸談が聞けるのは「たまらない喜び」>

 

 YouTubeはほとんど見ないが、「紀尾井町家話」というトーキングライブをよく視聴する。Streaming+(ストリーミングプラス)の配信で、すでに130回を超えている。毎回というわけではないが、はじまったころからかなりの頻度で見ている。歌舞伎役者の尾上松緑が中心で、要は役者の芸談である。いつも90分の予定だが、それをはるかにオーバーすることも珍しくない。

 

 皆、酒を飲みながらのトークだが、松緑の酒の強さにはいつも驚かされる。松緑はほぼ毎月、歌舞伎座に出演しているので、歌舞伎座の主(ぬし)のようなもので、そこから毎月の演目について、あるいは過去の面白いエピソードについて聞けるのが、歌舞伎ファンにとってはたまらない喜びである。

 

島田裕巳
放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任。現在は作家、宗教学者、東京女子大学非常勤講師

( 週刊FLASH 2024年3月12日号 )

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