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『Eye Love You』二階堂ふみに不幸が降りかかっても…「どうせハッピーエンドなんでしょ」と冷めてしまうワケ

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.03.12 11:00 最終更新日:2024.03.12 11:00

『Eye Love You』二階堂ふみに不幸が降りかかっても…「どうせハッピーエンドなんでしょ」と冷めてしまうワケ

 

「どうせハッピーエンドなんでしょ」という気持ちで観ているから、主人公たちに問題やトラブルが起こっても、さほどハラハラしない。

 

 3月5日(火)に第7話が放送された二階堂ふみ主演のファンタジック・ラブストーリー『Eye Love You』(TBS系)。

 

 主人公・侑里(二階堂)はチョコレートショップを立ち上げている社長だが、過去の海での事故がきっかけで、目が合った相手の心の声が聞こえてしまうテレパス能力を持っている。侑里は他人の本音が読めてしまうゆえに傷つくことが多く、恋愛から長らく遠ざかっていた。

 

 

 そんな侑里が、年下の韓国人留学生・テオ(チェ・ジョンヒョプ)と偶然知り合うのだが、心の声が韓国語なので本音がわからないことが新鮮。そして、表に出す言葉や感情表現が超ストレートでピュアなテオに惹かれていく。

 

■ここ3年の作品はどれもこれもハッピーエンド

 

 第6話ラストで、とうとうお互いの想いを確認し、正式に付き合うことになった2人。第7話では恋人同士になった主人公たちのイチャイチャが存分に描かれた。

 

 しかし、第7話終盤、侑里はテオの部屋で見つけた「心が聞こえる少女」という絵本に衝撃を受ける。公式サイトの第8話あらすじを読むと、驚くべきことにその絵本のストーリーと、2人の出会いから現在までの出来事がリンクしており、絵本のその先に描かれていたとおりの不幸が降りかかってくるという展開になる模様。

 

 とはいえ、正直、どうせ主人公カップルはこの壁(問題)を乗り越えて、最後は幸せなエンディングを迎えるのだろうと予想できてしまうので、よくも悪くも安心しきって観ている。

 

『Eye Love You』は、重く暗い社会派映画でブレイクした実力派女優・二階堂ふみが主演しているが、大人の恋愛を描いたシリアスな作品ではなく、ポップなドタバタラブコメ。この明るい作風の恋愛ものが最後にバッドエンドになるとは考えにくい。

 

 また、本作は『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年/TBS系)などのヒット作を数多く生み出している、女性主人公の恋愛ドラマ枠「火曜ドラマ」で放送されているのだが、ここ数年の同枠作品はすべてハッピーエンドを迎えている。

 

 以前はバッドエンドとも捉えられる終わり方や、視聴者にモヤモヤが残るような終わり方をした作品もあったが、2021年以降のここ3年ほどの作品はどれもこれも本命と結ばれるエンディング。

 

 2人の男性に言い寄られていたヒロインがどちらを選ぶのかという “引き” はあったものの、最終的には問題や悩みがすっきり解決し、ヒロインが本命男性と幸せになるのがお決まりのパターンになっている。

 

■バッドエンドを迎えた1990年代の名作恋愛ドラマ

 

 ハッピーエンドがダメだと言いたいわけではないのだが、恋愛ドラマ枠として幸せなラストが既定路線になっているのはいかがなものかとは思う。

 

 たとえば昨年、夫婦間のセックスレスと婚外恋愛を描いた『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)では、さんざん恋愛展開が描かれていた男性を最終話でヒロインが選ばないというどんでん返しが起こり、賛否両論を巻き起こしていた。

 

 その結末の是非は置いておいて、どんなラストになるのかわからないというドキドキ感を、最終話まで見事に引っ張っていたのは確かだ。

 

 1990年代の名作恋愛ドラマを振り返っても、『東京ラブストーリー』(1991年/フジテレビ系)、『高校教師』(1993年/TBS系)、『星の金貨』シリーズ(1995年、1996年/日本テレビ系)は、バッドエンドと言えるようなラストを迎えている。

 

 いずれの作品も最終話まで主人公カップルが幸せな結末を迎えられるのかがわからず、視聴者たちは固唾を呑んで、テレビに食い入るように見守っていたものである。

 

 だが、ここ数年の「火曜ドラマ」は、幸せなフィナーレが定番フォーマットのようになっているので、終盤から最終話に向けてのハラハラ感がいまいち。たまには主人公がすっきりと幸せになれない作品もぶっ込んでおかないと、恋愛ドラマ枠として飽きられてしまうのではないか。

 

 ――いよいよ終盤を迎えている『Eye Love You』。

 

 ハッピーエンドを求めている恋愛ドラマファンが多いのはわかっているし、想定外の展開にするため、適当なバッドエンドにすればいいものでもない。でも、たまには視聴者の予想を裏切る最終話で驚かせてほしいものだ。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

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