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永瀬廉『東京タワー』きれいなフィナーレと思いきや…40代女性の “勝ち逃げ” 見せられてウンザリ【ネタバレあり】

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.06.16 14:25 最終更新日:2024.06.17 13:00

永瀬廉『東京タワー』きれいなフィナーレと思いきや…40代女性の “勝ち逃げ” 見せられてウンザリ【ネタバレあり】

 

 主人公たちが未来に向かって歩み出すというポジティブな演出で幕を閉じた『東京タワー』(テレビ朝日系)。

 

 King & Prince永瀬廉主演で、相手役を板谷由夏が演じる不倫ドラマで、6月15日(土)に最終話(第9話)が放送された。

 

 本作は、2組の超 “歳の差” 不倫カップルを描くストーリー。

 

 ありふれた日常に飽き飽きしていた21歳の医大生・透(永瀬)が、45歳の有名建築家・詩史(板谷)と偶然出会い、惹かれ合い、禁断の愛に溺れていく。

 

 また、透の親友で同じ大学に通う耕二(Travis Japan松田元太)も、家庭教師のバイト先で出会った20歳以上離れている専業主婦・喜美子(MEGUMI)と不倫関係に。

 

 第8話までに、相手の旦那や家族に不倫がバレるなどしてドロドロ展開となっており、最終話はどんな結末を迎えるのか注目が集まっていた。

 

 

■【ネタバレあり】2組の不倫カップルの結末は?

 

 さっそくネタバレさせていただくと、2組とも年上女性は旦那と別れて独り身になっているのに、彼女側からフラれる形で終止符が打たれ、捨てられた大学生2人がお互いの失恋を慰め合って前を向いていく結末に。

 

 まあ、この手の禁断の愛を描いたドラマで、不倫カップルがそのまま結ばれるというハッピーエンドは、昨今の日本の倫理観的には難しいだろうと思っていたので、想定内のエンディング。

 

 その現代の空気感を逆手に取って、あえて不倫カップルが結婚してフィナーレという締め方でもよかったのではないかと思っていたが、そうはならずに無難なラストだった。

 

 また、個人的に引っかかったのが、エンディング間際に詩史と喜美子が会っていたシーン。透をフッた理由を詩史が次のように語っていたのだ。

 

「1番美しい思い出でありたいんです。東京タワーって日本で1番高かったのに、今じゃ2番めでしょ? そんなふうに彼にとって私は今1番だけど、いずれもっと素敵な女性が現れるわ。だったらせめて、1番美しい思い出でありたいじゃない」

 

 その言葉を受けて、喜美子も「それがせめてもの女のプライドですよね」と応えていた。

 

■“永遠に続く本物の愛” なのかを確かめずに逃げ出しただけ

 

 穏やかで美しいメロディのBGMが流れ、この女性2人のスタンスを肯定しているような演出がされていたのだが、筆者は「保身に走ってるだけなんじゃ?」と疑問がよぎった。

 

 結局のところ、詩史と喜美子は、今は透と耕二が真っすぐな愛情を向けてくれるものの、いつか20歳以上も年上の自分たちから気持ちが離れていくと決めつけているように感じたからだ。

 

 きれいごと抜きにして意訳するなら、「将来的に自分が捨てられるという “負け” の未来が怖いから、“勝ち逃げ” できる今のうちに自分から捨てておこう」ということではないか。

 

 年下彼氏の心変わりに不安を抱くのは仕方ないと思うかもしれないが、そもそも歳の差があろうがなかろうが、基本的にはどんなカップルにおいても、恋愛というのは不確定な未来への不安がつきまとうもの。

 

 たまたまこの2組は超歳の差カップルだっただけで、「パートナーがいずれ心変わりするリスクが怖いから」という理由で別れるのだったら、そもそもどんな相手とも恋愛なんてできやしない。恋人に愛想尽かされて捨てられる可能性も覚悟のうえで、ぶつかっていかないといけないのが恋愛なのである。

 

 喜美子が言っていたようにそれが「女のプライド」なんだろう。

 

 しかし、そのつまらないプライドを持ってしまったおかげで、彼らの気持ちが “永遠に続く本物の愛” かどうかを見極める選択肢を選べず、逃げ出しただけにしか見えなかった。

 

 ――最後に余談。本作はKing & Prince永瀬廉とTravis Japan松田元太という、旧ジャニーズ事務所の移籍先であるSTARTO ENTERTAINMENT社のタレントに、大胆な濡れ場を演じさせていた。

 

 昨年、旧ジャニーズ事務所社長である故・ジャニー喜多川氏の性加害問題が大々的に報じられていたのに、永瀬と松田をしょっちゅう半裸にしてベッドシーンを描くという攻めの姿勢には驚かされた。

 

 あれだけ性加害問題が騒がれていたため、しばらく旧ジャニタレはベッドシーンといった性的にセンシティブなシーンは敬遠されそうだと予想していたが、本作ではけっこう濃厚に描いていたからだ。

 

 作品の出来・不出来はさておき、守りに入らなかった制作スタンスは称賛したい。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

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