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坂本冬美の『モゴモゴ交友録』いきものがかり・水野良樹(41)ーー五木先輩とのデュエット曲の歌詞をいただいた瞬間、ワクワクから一転!
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.08.31 06:00 最終更新日:2024.08.31 06:27
2021年夏に、吉岡聖恵(きよえ)さんと水野良樹さんの2人体制となったいきものがかりさん。NHKの『うたコン』など、歌番組で何度かご一緒させていただいていますが、いつお会いしても、とっても穏やかで、温かくて、笑顔が素敵なお2人です。
ただ……同じ歌の世界とはいえ、レコード会社も違えば、歌のジャンルも違う者同士、お会いしたときに「今日は、よろしくお願いします」「こちらこそお願いします」と、簡単なご挨拶をさせていただく程度でした。
本来、交わることのないその線がクロスすることになったのは2018年2月14日、バレンタインデーにリリースした五木ひろし先輩とのデュエットソング『ラストダンス』です。
あっちにもこっちにもアンテナを張り巡らし、いつも “おもしろいもの” を探している五木さんのアンテナに、ビビッと引っかかったのが、当時 “放牧中” だった水野良樹さんでした。
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ええぇ、です。おぉぉぉ〜、です。うおっ、です。
ーーどんな歌を作ってくださるんだろう?
出来上がった歌をいただくまで、ワクワクのしっぱなしでした。
ところがです。歌詞の書かれた紙をいただいたその瞬間、冷や汗がたらりです。
な、な、なんだ、この文字数の多さは!? いつも歌っている演歌の倍くらいはあるぞ? どうやって覚えたらいいんだろう……。
おまけに、振りまで用意されているというのを聞かされて、ワクワクしていた気持ちはどこかに吹き飛んでしまいました。
この『ラストダンス』を五木さんと歌わせていただいたのは、レコーディング、MVの撮影、テレビ番組で2回と、明治座でおこなわれた5週間の『五木ひろし特別公演 坂本冬美特別出演』のステージ。50回はあったと思います。
なのに、です。一度として「よし、やった!」と思ったことはありません。歌詞を間違える。振りを忘れる。両方ともうまくいかない……。
踊りも楽器もすべてスマートにこなすスーパーマンのような五木さんも、わたしと五十歩百歩……もちろん五木さんが五十歩で、わたしが百歩。そこには、歴然とした五十歩の差はありますが、歌を作ってくださった水野さんから見たら、まぁその……どっちもどっちかなぁ、モゴモゴモゴです(笑)。
レコーディングに立ち会ってくださったときも、黙って聴いていらっしゃいましたが、その気持ちを想像するのが怖いくらいです。
「あれ!? こんな歌だったっけ?」
そう思ったに違いありませんが、水野さんにとって五木さんとわたしは、大先輩と小先輩です。心の中は、モゴモゴモゴモゴしっぱなしだったんじゃないかと思います(苦笑)。水野さん、ごめんなさい。
若手演歌歌手の皆さんに、わたしからのお願いです。
「歌ってみたい!」と思っていらっしゃる方がいたら、わたしと五木さんに遠慮せず、どんどん、ガシガシ、ばんばん、挑戦してください。お2人が現役の間はちょっと……という遠慮はいりません。
先日、偶然ネットで見つけた「カラオケで歌う坂本冬美の楽曲」ランキングで、ベスト50位に入っていた素敵な曲です。テレビで2回、あとは舞台でしか歌っていない……それも一度として完璧に歌えなかったのに、この『ラストダンス』を愛してくださるファンのためにも、おしゃれでカッコいい楽曲を作ってくださった水野さんのためにも、お願いします。
さかもとふゆみ
1967 年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、最新シングル『ほろ酔い満月』が好評発売中!
写真・中村 功
取材&文・工藤 晋