エンタメ・アイドルエンタメ・アイドル

『GO HOME』いちばん得をしたのは大島優子に間違いなし! ヒットとは言えない微妙ドラマだったのにナゼ?【ネタバレあり】

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.09.29 20:33 最終更新日:2024.09.29 20:33

『GO HOME』いちばん得をしたのは大島優子に間違いなし! ヒットとは言えない微妙ドラマだったのにナゼ?【ネタバレあり】

『GO HOME』公式サイトより

 

 このドラマでいちばん得をしたのは、大島優子に違いない。

 

 9月28日(土)に最終話(第10話)が放送された小芝風花主演の『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』(日本テレビ系)。

 

 警視庁に実在する部署「身元不明相談室」をモデルに、身元不明の遺体の身元特定や死因解明などをし、家族のもとに帰してあげるという警察エンターテインメント。オーソドックスな刑事ドラマとは一線を画す設定になっており、そこをウリにしていた。

 

 

「警視庁身元不明人相談室」の捜査官である三田桜(小芝)はコミュ力が高い明るい情熱家タイプで、同じく捜査官の月本真(大島)は冷静沈着でクールながら、実は情に厚いタイプ。表面的には正反対の2人がバディを組んでいる。

 

 公式サイトなどで使われているメインビジュアルは小芝と大島のツーショットで、要するに大島は準主役に抜擢されていた。

 

■【ネタバレあり】きれいに幕を下ろした最終話

 

 第8話のラストから最終話までの流れと着地は見事だった。

 

 第8話ラストで、レギュラーで気のいい仲間だった先輩捜査官・堀口(戸次重幸)が亡くなってしまう急展開。死にそうにないキャラクターだっただけに、まさかこんな形で “退場” するとは思わず、非常に悲しい展開だったが、そのぶん、最終話に向けてのグリップ感は強まっていた。

 

 第9話と最終話の序盤は、彼の秘密の過去や死の真相に迫るストーリー。もともとオリジナリティのあった本作の設定と、いいヤツだったレギュラーキャラの死亡事件の解明というマッチングで、クライマックスは否応なしに盛り上がる。

 

 特に、「警視庁身元不明人相談室」室長で、ふだんは昼行灯のように見える利根川(吉田鋼太郎)が、事件の黒幕を追いつめたシーンはシビれた。いつもはどこか情けない利根川が、「人の善意をなめるな。おまえは堀口の正しさに負けたんだ」とビシッとキメる。定番のカタルシス展開ではあるが、吉田のいぶし銀の演技に魅せられた。

 

 そして最終話の中盤から終盤は、主人公・桜の命をかつて救ってくれた身元不明人の謎を解明していくストーリーにスイッチ。初回からずっと引っ張っていた主人公の過去の伏線をしっかり回収し、きれいに終幕したのだった。

 

 この桜の恩人のエピソードは、最終話残り30分を切ったところから動き出したので、放送の尺的には駆け足だった。けれどそう感じさせない絶妙な構成で、スピード感はありながらも納得できる着地点になっていたと思う。

 

■不思議なめぐり合わせが大島大復活の足掛かり?

 

 こうして上手にエンディングを迎えた『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』。だが率直に言って、あまり話題になっていなかった。

 

 大コケというわけではないが、視聴率や見逃し配信の再生数的にもヒットとは言いがたい結果だったので、主演の小芝風花の俳優キャリア的には、可もなく不可もなくという作品だったろう。

 

 しかし、準主役の大島優子には、この作品に出演した価値は非常に大きかったのではないか。

 

 というのも、かつては主役や2、3番手でドラマに出ることが多かったものの、近年の大島は絶好調とは言いがたく、ドラマに出演してもキャスト順で5番手以降のバイプレイヤーとしてのキャスティングが多かったからだ。

 

 大島は10年前、2014年6月にAKB48を卒業してから俳優業を本格化。

 

 2015年には『ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~』(TBS系)でGP帯連続ドラマの初主演を飾り、2017年には吉高由里子主演の『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)で、3人の主要キャラの一角を担っていた。

 

 けれど近年の大島は、2020年の木村文乃主演『七人の秘書』(テレビ朝日系)、2021年の広瀬すず×櫻井翔主演『ネメシス』(日本テレビ系)、今年の長谷川博己主演『アンチヒーロー』(TBS系)など、6、7番手ぐらいの出演がほとんどだった。

 

 つまり、『GO HOME』で見事、メインキャラに返り咲いたということだ。

 

『GO HOME』はヒットとは言いがたいものの、固定ファンを掴んだハートフルな良作だったため、こういった作品に準主役で出演したという実績は、今後のキャリアの弾みになるだろう。

 

 思えば、まだ視聴率至上主義だった頃に放送された初主演作『ヤメゴク』が、世帯平均5~6%台という低視聴率を連発して味噌をつけてしまったが、脇役でも腐らずに地道に芝居に向き合ってきたからこそ、もう一度、花開いたのかもしれない。

 

『ヤメゴク』も「暴力団離脱者電話相談室」を舞台にした異色の警察ドラマで、ストーリーはまるで違うものの、今回の『GO HOME』とは “相談室” つながり。大島には、この不思議なめぐり合わせを、今後の大復活の足掛かりにしてもらいたい。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

( SmartFLASH )

続きを見る

今、あなたにおすすめの記事

エンタメ・アイドル一覧をもっと見る