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松たか子「影響を受けたのはスティービー・ワンダーと松田聖子」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2017.12.29 11:00 最終更新日:2017.12.29 11:00
17歳のとき、テレビドラマは未経験ながら、大河ドラマに出演した女優の松たか子。その後もテレビや舞台で活躍し、19歳で歌手デビュー。同年、紅白歌合戦に出場するなど、若い頃から多方面で活躍してきた。
12月16日放送の『SONGS』(NHK総合)では、演技と音楽それぞれの原点を語っていた。
彼女が初舞台を踏んだのは16歳だが、その少し前に、演技を目指す気持ちが芽生えていたという。それは父である松本幸四郎の舞台を見てのことだった。
「小学校6年生のときに、父が『ラ・マンチャの男』っていうドン・キホーテのお話をやっていて、ちょうどそのとき、祖母が危篤状態になって。父も疲れが溜まっていて、コンディションがいまいちで、声があんまり出ない」
はじめはその様子が気に入らなかったが、徐々に気持ちに変化が。
「最初、『お客さんになんて姿を見せるんだ』って腹が立って。でも、次の瞬間に、(父が)ドン・キホーテだったりセルバンテスの役に見えた気がして。それを、客席で見てるお客さんたちが支えてくれてるとか。そのとき初めて、『自分の父親はこういう仕事をしてる人なんだな』って思って。(芝居を)やりたい……っていうんではなくて、私もこっちに進むのかなって」
その後の大活躍は御存知の通り。端から見ると順風満帆この上ないが、幼少期にピアノを習っていた際、挫折した経験があるという。
「ピアノを習った先生がすごい厳しくて、小学校のときに、ストレスで倒れたことがあって(笑)。ピアノはすごい好きで、でも練習が嫌いで、マジメにやらなくて。
ピアノを弾いて歌うことは好きだったんだけど、自分の練習不足で挫折的なことがあったり」
そんな時期、あるアーティストを見て、不思議に感じたことがあった。
「テレビを見たら、楽しそうにキーボードを引きながら歌ってる人がいて。それがスティービー・ワンダー。私はこんなにつらいのに、なんでこの人はこんな楽しそうに歌えるんだろう? って思って。
弾いてて、歌ってて、すべてがひとつになってる。この一体感は何だろう……? って。子どもだったから、意味もわからず『Part-Time Lover』を聞いてたって感じ」
さらにもう一人、松がこの時期に憧れていた歌手がいた。松田聖子だ。
「『この人の声、何だ?』みたいな。もちろんキレイな声なんだけど、いわゆる声楽の人のキレイな声とも違う。ハスキーなのに通る声っていうのが、私には衝撃で。『なんだろう、この人の声?』って夢中になったのは、聖子さんが最初」
このようにポップスに触れた経験もあり、歌手としてデビューすることになるのだが、そのきっかけはドラマのプロデューサーだった。
「ドラマに出たときのプロデューサーの人から、『CD出さない?』みたいな感じで言われて(笑)。『絶対イヤです』って言って。音楽は大好きだったけど、私はそんなのやっちゃいけないみたいに思ってたから。ピアノを中途半端にしたっていうトラウマがあったから、本当にありえないと思って」
しかし、結局は歌手としての活動にも挑戦。結果的には、芝居だけやるよりも、精神的にはよかったと感じているようだ。
「1枚(CDを)出して終わりだったらやんないほうがいいと思って。だけど、やってみて、ピアノで曲を作ったり、弾くことがあると、ちょうどよかったのかなと思ったり」
松のピアノはプロから見てもなかなかの腕前だという。小さい頃に挫折を味わうほど厳しい練習をした成果が、後になって実ったのだろう。