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【独自】「ゆうばり映画祭」“賞金未払トラブル”の裏に巨額赤字と内紛…急きょ立ち上がった「有志の会」が語る実情

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2024.10.24 11:00 最終更新日:2024.10.24 12:28

【独自】「ゆうばり映画祭」“賞金未払トラブル”の裏に巨額赤字と内紛…急きょ立ち上がった「有志の会」が語る実情

有志の会代表を務める映画監督の中田圭氏

 

“世界で一番、楽しい映画祭”を合言葉に掲げる、国内有数の映画の祭典「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」(以下・ゆうばり映画祭)。1990年に幕を上げた同祭典は、アンジェリーナ・ジョリーや、タランティーノ監督などハリウッドの大物たちが参加したこともある歴史ある映画際だ。しかし、内部の“金銭トラブル”で存続の危機が迫っていたようでーー。

 

「ゆうばり映画祭は、1990年に国外の作品をメインに映画の宣伝の場としてスタートすると、国内の若手作家の登竜門としても知名度を上げていきました。当初は夕張市が運営費を支出し、市の文化事業として開催していましたが、財政悪化により2006年に自治体としての運営が困難になってしまいました。

 

 

 そこで、映画祭の灯火を消してはいけないと声を上げたのが、有志で集まった元スタッフや映画業界人、ファンたちです。彼らは2008年にNPO法人『ゆうばりファンタ』を立ち上げ、助成金を貰いながら主催していました。

 

 同映画祭の特徴は、市民との“一体感”ですね。会場入りするゲストやスタッフを、黄色いハンカチを持って『おかえり』と声をかけながら出迎えるのが恒例。過去には、斎藤工さんや、杉咲花さん、黒木瞳さんなど豪華俳優たちが現地に訪れています。まさに夕張市の名物のひとつです」(映画誌ライター)

 

 そんな地域に密着した映画祭に激震が走ったのは7月のことだ。地元紙などが、2023年に同映画祭で賞を受賞した5名に対し約60万円の“賞金未払い”が発生していると報じたのだ。未払いは過去にもある可能性が高いという。

 

 同映画祭の信用を失墜させる事態に怒りを露わにするのは、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2024有志の会」代表であり、映画監督の中田圭氏だ。

 

 中田氏は、映画祭を運営する「ゆうばりファンタ」の不祥事が明るみになったことで今年の開催が見送られることを危惧し、スポンサーや出演者を募るために「有志の会」を立ち上げた。

 

「これまでも、あくまで外部協力者として映画祭で上映する作品や招待する監督、タレントなどの手配を手伝ってきました。今年は9月に開催する予定だったのですが、突如10月に延期されたのです。いったいどうなっているのかとNPO法人を取り仕切る実業家のAさんに確認したところ、『実行委員の内部で問題が起きていて僕は運営から外されたのです』と言われたんですよ」(中田氏)

 

 とくに問題だったのは、“放漫経営”による深刻な赤字だ。

 

「詳しい内情を聞くと、『ゆうばりファンタ』運営者たちによる負債が約4000万円まで膨らんでいました。そこで、2018年には運営メンバーが変わり、これまでの赤字の穴埋めに努めていました。開催費は通常3000〜6000万円。助成金は約1800万円ほどで、協賛金やチケット代金を含めると確実に黒字になるはずなんですが……毎年わずか100万円ほどしか返済に当てる余裕がない状態だったのです。

 

 そもそも映画祭の主催者は、NPO法人と『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭実行委員会』の2つの組織で構成されていました。実行委員の中には、開催にあたり中核的な役割を果たしていたのが運営委員会がありました。同委員会は、音響や照明など制作を担当する委員会で、外注企業の経営者らがメンバーに入っていました。ただ、ここに原因があったようです。自身の関連会社などに発注するため、厳しい予算管理ができないまま、放漫財政を続けていたのです。Aさんはもともと映画業界の人間ではないということもあり、制作に関しては同委員会に任せていたのですが、それが仇となりました。

 

 こうした資金繰りの苦しさから、賞金未払が発生したのです。報道では60万円ですが、実際には約300万円の未払がありました。実行委員側の口座には2024年の作品出品料として現金が少なくとも150万円はあったのですが、支払いを担当するNPO法人の口座に入金されておらず、支払いが遅れてしまったようです。

 

 結局、賞金に関しては、代表理事がポケットマネーで立て替えて補填したそうです。過去の分の清算とお詫びも繰り返していました」(中田氏)

 

 運営資金を巡り、NPOと運営委員会を擁する実行委員は深刻な対立状態に陥っていたという。そこで慌てて、中田氏をはじめ同映画祭の開催に賛同する人たちが集い、今年はNPO法人ではなく有志の会が主催することになったのだ。

 

「これまで実績もないし、NPOですらないわずか約15人の有志の会ですから、補助金は打ち切られてしまいました。必死でスポンサー探しをおこなっていますが、例年の4分の1程度の予算規模です。知り合いの映画業界関係者に手弁当で応援を依頼するなど、まさに開催に向けて徹夜の日々です。まずは今年なんとか無事に開催し、来年にはしっかりした組織として盛り上げられるようにしたいと思っています。

 

 現在、Aさんとはしっかりやり取りをしていて、関係を構築できています。結局、実行委員会も製作委員会も休眠状態なので、ほかのメンバーとうまく連絡が取れず……。こちらのメンバーともしっかり話し合わないといけないですね」(中田氏)

 

 本誌は、事実確認をするためにA氏に連絡をしたところ「概ね間違いありません」と認めた。

 

 さらにNPO法人である「ゆうばりファンタ」に賞金未払いについて問い合わせると、「現在報道に関する調査を進めています。一部、支払いがされていなかったことは事実なので、支給とお詫びをしています。今後は有志の会と協力して、体制を立て直して映画祭を盛り上げていきたいと考えています」と答えた。

 

 今年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭は10月24日から27日まで。無事盛り上がるといいけれど……。

( SmartFLASH )

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