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坂本冬美の『モゴモゴ交友録』王貞治さん(84) 暖簾をくぐったら“世界のホームラン王”が

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記事投稿日:2025.02.23 13:55 最終更新日:2025.02.23 13:55
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
坂本冬美の『モゴモゴ交友録』王貞治さん(84) 暖簾をくぐったら“世界のホームラン王”が

 

 

「シンコ、シンコ、大好きなシンコ〜♪」

 

 鼻歌まじりのウキウキ気分でお鮨屋さんの暖簾をくぐったそのとき、“世界のホームラン王”王貞治さんが、普通にカウンターに座っていらしたら、皆さんどうされますか。

 

 幸い、このときは女将さんが、「坂本冬美さんと藤あや子さんですよ」と、王監督(お会いした当時は、福岡ダイエーホークスの監督さんでした)に紹介してくださったからいいものの、そうじゃなかったら、あや子さんと2人固まったまま、親方が握ってくれた美味しいお鮨も喉を通らなかったかもしれません(笑)。

 

 

「気取らずに行ける美味しいお鮨屋さんを見つけたんだけど……一緒に行かない?」

 

 ニンマリと笑みを浮かべたあや子さんに誘われ、温泉帰りにスッピン、ジャージ姿でそのお店『鮨幸』へいそいそ。何度か通ううちに、さすがに正体がバレそうになり、お化粧をして行くようになりました。いまさら気取っても、という気がしないでもありませんでしたが…(苦笑)。

 

 でもです。王監督にお会いしたときは“あぁ、今日はジャージにスッピンじゃなくてよかった”と、本気でそう思ったわたしがいました(苦笑)。

 

「初めまして」のご挨拶をすませた後は、親方が握ってくれるお鮨をこよなく愛する鮨友です。日本で初めて国民栄誉賞を受賞された方に対して恐れ多いことですが、それからも何度か顔を合わせるたびに、密かに楽しい時間を過ごさせていただきました。

 

ーー王監督と何を話した?

 

 うん。そうですよね。坂本冬美と王監督が何を話題にしていたのか!? そこは皆さん気になりますよね。ちょっと待ってください。思い出しますから。え〜〜〜〜〜と。何を話したんだろう?

 

「シーズン55本のホームラン記録は、最近(2022年)、村上様(ヤクルトの村上宗隆選手)に塗り替えられましたけど、王監督の現役時代は木製バット。今は“金属バット”だから比較できないわよね」とかなんとか、訳知り顔で野球の話をして、大恥をかいたのはつい最近のことだし…モゴモゴモゴ(苦笑)。

 

 う〜〜〜〜〜〜ん。何をお話ししたのか、思い出せません。覚えているのは、わたしなんかにも気さくに接してくださり、とにかくおおらかで、お優しいのですが、一流と呼ばれる方たちだけが持つ、一種独特のオーラを纏っていらしたことです。

 

 その王監督からお言葉をいただいたのは、大阪・新歌舞伎座でやらせていただいた15周年記念、9度めの座長公演『夜桜お七-人生激情-』の舞台です。

 

「坂本冬美さん、デビュー十五周年おめでとうございます。初めて坂本さんとお会いしたのは、まったく偶然、東京の自宅にほどちかい鮨屋でしたね。聞けば、坂本さんも近くにお住まいとのこと、ご縁とは不思議なものです」

 

 という書き出しで始まり、「また鮨屋でお会いしましょう」と締めくくられたお言葉は、当時、迷いの中にいたわたしにとって、暖炉の火のように、心に優しい火を灯してくれました。

 

 ひとつだけ心残りは、王監督や野田秀樹さんも参加された『鮨幸』での新年会に参加できなかったことです。

 

「あなたも来ればよかったのに。楽しかったわよぉ〜」

 

 ほろ酔い気分のあや子さんが楽しそうに電話をかけてきましたが……。そりゃあ、わたしだって参加したかったですよ。でも毎年、この時期は田舎に帰ることになっているんだから……モゴモゴモゴ……。

 

 あのときほど、あや子さんが羨ましいと思ったことはありませんでした(笑)。王監督、なかなかお目にかかれませんが、また『鮨幸』でお会いしましょう。

 

さかもとふゆみ
1967 年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、最新アルバム『想いびと』が好評発売中!

 

写真・中村 功
取材&文・工藤 晋

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