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『波うららかに、めおと日和』芳根京子のシリアス演技 “本領発揮” されないことを祈るかつてないドラマ展開【原作ネタバレあり】

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記事投稿日:2025.06.12 11:00 最終更新日:2025.06.12 12:33
出典元: SmartFLASH
著者: 堺屋大地
『波うららかに、めおと日和』芳根京子のシリアス演技 “本領発揮” されないことを祈るかつてないドラマ展開【原作ネタバレあり】

 

 

 6月5日(木)に第7話が放送された『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)。まるで最終話のような幸せ絶頂シーンが描かれたが、だからこそ、やっぱり不安がぬぐえない……。

 

 芳根京子主演で、お相手役を新進気鋭のイケメン俳優・本田響矢が務めるハートフル・昭和新婚ラブコメディ。

 

 昭和11年(1936年)、主人公・なつ美(芳根)は突然の縁談で、帝国海軍の中尉である瀧昌(本田)と結婚することになり、“交際ゼロ日” 婚の新婚生活がスタート。なつ美と瀧昌はどちらも恋愛に不慣れで、初々しい2人がじれったくも少しずつ少しずつ距離を縮めいくという、ムズキュンシーンが見どころだ。

 

 

 原作は西香はち氏による同名漫画。2022年に連載開始し、現在も連載中。単行本は8巻まで刊行されている。

 

※本記事では原作漫画のネタバレを一部含みます

 

■【原作ネタバレあり】史実にもある昭和12年の出来事とは?

 

 第7話では、昭和11年の大晦日、自宅でゆっくりラブラブしながら過ごす夫婦のやりとりが描かれた。

 

 結婚してから半年ちょっとの思い出を2人で振り返っていくのだが、過去回の名シーンを挿入していくため、ちょっとしたダイジェスト版のような展開。

 

 そして迎えた昭和12年のお正月。2人は結婚記念としておそろいの指輪を作ることになり、およそ半年後の6月か7月ごろに指輪を受け取りにいく約束をする。

 

 出会いから現在までのさまざまな出来事を2人で微笑みながら語り合い、ペアリングを作るという「幸せ」を絵に描いたようなシーンの連続は、まるで最終話のクライマックス。

 

 しかし、その幸せ絶頂が描かれたのが、終盤突入前の第7話というところ、そして昭和12年という時代が引っかかる。

 

 ここで原作のネタバレを少々。原作漫画は5月14日に最新8巻が発売されているが、この巻のあらすじに記載されており、史実にもある出来事なので、ネタバレをご了承いただきたい。

 

 日中戦争のきっかけともなった「盧溝橋事件」が昭和12年7月に勃発するのだが、原作8巻のあらすじによると、瀧昌は盧溝橋事件に巻き込まれる模様。

 

 つまり、ドラマも原作の展開を踏襲するとしたら、指輪を受け取りに行くころ、なつ美は瀧昌の身を案じながら、元気に帰ってきてくれることを信じて待ち続けることになるようだ。

 

■芳根京子のシリアス演技で本領発揮されないことを願う

 

 昭和初期という時代設定によって、ただのほっこり恋愛ドラマではなく、常に不穏な空気が漂っているのが本作の特徴。それゆえ、主人公・なつ美に感情移入している視聴者ほど、幸せ絶頂シーンも手放しで喜べないのではないか。

 

 率直に言って、瀧昌が戦死してしまうというバッドエンドになる可能性もゼロではない。

 

 シリアスな恋愛ドラマであれば、『Beautiful Life ~ふたりでいた日々~』(2000年/TBS系)や『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年/TBS系)など、恋人の死が描かれる作品も多い。

 

 ただ、本作のカテゴリーは恋愛ドラマのなかでも「ラブコメディ」だし、なにより本作のファンは誰一人として、瀧昌が帰らぬ人となってなつ美が泣き崩れるような最終話は期待していないだろう。

 

 なつ美は屈託のない笑みを浮かべる顔やドキドキして恥じらう顔、ほかにも驚いたり慌てたりする顔など、コロコロと表情が変わっていく様子がとてもキュート。たった数秒間のうちにめまぐるしく移り変わるなつ美の感情を、主演の芳根が絶妙なオーバーさで表現しており、コメディエンヌとしてのセンスを感じさせる。

 

 一方、実力派の芳根なら、深刻なシーンで悲しみに暮れる表情もお手のものだろう。だが本作においては、そんなシリアス演技が “本領発揮” されないことを祈るばかり。そんな思いを感じさせるドラマ展開はあまり経験したことがない。

 

 今夜の放送は物語が終盤にさしかかる第8話。最終話でも瀧昌に悲劇的な運命が降りかかることなく、ハッピーエンドで幕を下ろしてくれると信じたい。

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