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『なんで私が神説教』最終話の陰の主役は間違いなくSnow Man・渡辺翔太だったと断言できるワケ【ネタバレあり】

Snow Man・渡辺翔太
クライマックスの神説教は、当然、広瀬アリスが持っていったが、最終話の陰の主役は間違いなくSnow Man・渡辺翔太だった。
6月14日(土)に最終話(第10話)が放送され、大団円となった広瀬アリス主演の学園ドラマ『なんで私が神説教』(日本テレビ系)。
2年間も実家でニートを続けていた麗美静(うるみしずか/広瀬)は、私立高校の校長を務める母親の友人のコネで、いきなり高校教師に。波風立てずに生徒と距離を保って接していこうと考えていたが、担任となったクラスの生徒たちとかかわっていくなかで、「なんで私が説教を!?」と困惑しながらも、神説教していくというストーリー。
そんな本作に、2番手キャストとして出演していたのが渡辺翔太で、演じていたのは静の隣のクラスの担任教師・浦見光(うらみひかる)。生徒思いの熱血さわやか教師だが、どこか抜けていてアホっぽさもある愛されキャラである。
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■【ネタバレあり】広瀬アリスに刺さった渡辺翔太の言葉とは?
渡辺演じる浦見は、コメディリリーフ要素が強いキャラクターだった。
たとえば第6話では、「けっきょく私がどうしようと意味なかったってことですよね」と落ち込む同僚女性教師に対して、浦見は「そんなことないよ!」と威勢よく励ます。
しかし、「そんなことない」と否定する理由を問われても浦見は黙り込んでしまい、とくに理由も根拠もなかったことが明らかに。そんな情けない浦見を見て、静が心のなかでツッコミを入れるというコミカルなシーンになっていた。
そして迎えた最終話でも、似たようなシーンがあった。
学園では、静と敵対していた教師が75名の生徒を強制退学させる計画を進めていたのだが、不登校だったひねくれ者の生徒がその計画を知り、ネットで拡散。マスコミや世間から学園が糾弾されるという展開。
強制退学計画について生徒たちに説明するための全校集会を翌日に控え、大きな不安を抱えていた静に、浦見が「きっとうまくいきますよ!」と声をかける。静はそんな浦見に「なにを根拠に言ってるんですか?」と尋ねる。
いままでの浦見ならば、ここで押し黙ってしまうのだが、このときの彼は違った。
「僕は、信じたいものを信じたいだけです」
この浦見の言葉が静に刺さったのである。
■「信じたいものを信じたい」その言葉が最後の神説教のベース
翌日、体育館でおこなわれた全校集会。例のひねくれ者の生徒に煽られた静は、壇上に登り最後の神説教をおこなうのだが、そのなかでこんなセリフがあった。
「いま世の中にはたくさんの情報があふれています。みなさんはこの先、そのあふれすぎる情報のなかから、真実を見つける作業を繰り返します。“真実を見つける”、これはなにを信じるかと同じ。確証や根拠のない情報のなかから自分の信じるものを選ぶ。それは大変な作業だと思う」
「あなたたちとは信頼関係があると思っている。だから理由も根拠もないけど、私……、私たち教師を信じてほしい!」
作品を締めくくる最後の主人公の大演説は、明らかに浦見の言葉にインスパイアされていた。
基本的に静の説教は、隙がないように理由や根拠で固めて理論武装している。だが、最後の最後でその武装を脱ぎ捨て、浦見と同じようにノーガードスタイルにたどりつき、生徒と教師が信頼しあうことがなによりも大事なのだという答えを導き出したのだ。
これまでの浦見のなにも考えていないようなポジティブ発言は、たいていギャグ要素として扱われていたが、実は「信じたいものを信じたい」という彼の確固たるポリシーと、人間関係における真理が詰めこまれていたということでもある。
――最後の神説教は主人公らしく静が持っていったが、その土台に浦見の言葉があったというクライマックス。ある意味、最終話の陰の主役として、オイシイところを持っていったのは渡辺翔太だった。