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『続・続・最後から二番目の恋』タイトルの意味を変えてしまった小泉今日子の「言葉」第4期の可能性がないと考えるわけ【ネタバレあり】

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記事投稿日:2025.06.24 18:25 最終更新日:2025.06.24 19:58
出典元: SmartFLASH
著者: 堺屋大地
『続・続・最後から二番目の恋』タイトルの意味を変えてしまった小泉今日子の「言葉」第4期の可能性がないと考えるわけ【ネタバレあり】

『最後から二番目の恋』でW主演の小泉今日子と中井貴一

 

《またいつの日か…鎌倉で》

 

 この言葉(テロップ)で締めくくられた『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)。

 

 大人の恋心の機微を描き、好評を博した小泉今日子中井貴一ダブル主演の月9ドラマが、6月23日(月)に最終話(第11話)を迎え、幕を下ろした。

 

 

 古都・鎌倉を舞台に、テレビ局のプロデューサー・吉野千明(小泉)と、市役所の職員・長倉和平(中井)の恋を描いたロマンチック&ホームコメディ。2012年に第1期、2014年に第2期が放送され、前作から実に11年もの時を経てオリジナルキャストが再集結した第3期だった。

 

 ――冒頭で紹介した《またいつの日か…鎌倉で》は、千明と和平が2人きりで語り合うラストシーンで挿入された言葉だ。

 

 かつて(前作)、泥酔状態でプロポーズしていたことを確認し、気持ちを通じ合わせたものの、やはり結婚することはなく、正式に付き合うこともなく、終幕。

 

 お互いに一番大事に想っている存在だからこそ、恋人や夫婦になってしまうと、いつか “別れ” が訪れるのではないかという恐怖心があり、いまのままで隣に居続けようという結論に。

 

 けれど、和平が「いつか、心がとけて、怖さが薄くなったら、一緒に暮らしましょう」と持ちかけ、千明が照れながらも承諾するというハッピーエンドとなっていた。

 

■【ネタバレあり】「未来の自分に恋をし続けよう」

 

 さて、このエンディングを観て、『最後から二番目の恋』というタイトルの意味が変わっていることに気づいた視聴者は多いはず。

 

 もともとは “いつか別れが来ることが前提の恋” という意味あいだったはずだが、千明と和平の最後の会話で、これからもずっと一緒にいることを確認したため、本来のタイトルの意味は形骸化。それがダメだと言いたいわけではないが、当初の意味が崩れてしまったのは事実だろう。

 

 ただ、本作の脚本家・岡田惠和氏はそんなことは百も承知。そのため、第3期の最終話でタイトルに違う意味を持たせているのだ。

 

 最終話のサブタイトルは《いくつになっても、未来に恋していたい》。そして終盤に千明によるナレーションで、「未来の自分に恋をし続けよう。60歳、楽しいことがまだまだ、まだまだ、絶対ある」と語られている。

 

 つまりタイトルにある “恋” を、男女の恋愛についてではなく、未来への希望といった意味に置き換えている。

 

 テレビ局を定年退職した千明は、ドラマ制作会社を立ち上げる準備中で、和平は紆余曲折を経て、鎌倉市の副市長になっている。あくまで一例だが、起業してからのドラマ制作や副市長という役職の責務が、彼らにとっての “最後から二番目の恋” と受け取ることもできるわけだ。

 

■さらに1クール使って描くほどの物語はなさそう

 

 では、ここからは第4期実現の可能性を考察してみたい。

 

 最後に挿入された《またいつの日か…鎌倉で》というテロップを素直に受け取るなら、続編の可能性は大いにある。また、タイトルの “恋” を未来への希望という意味に替えているので、仮に和平と千明が結婚して夫婦になったとしても、齟齬はないことになる。

 

 しかし、2時間スペシャルで後日談が描かれることはあるかもしれないが、第4期はさすがにないだろう。第3期があまりにきれいにまとまったフィナーレを迎えたため、いい意味で、もう1クール10話ほどを使って描くことはなさそうだからである。

 

 和平と千明の関係性については結論が出たし、お互いを想いあう絆はとても美しく、それゆえにもう完成してしまっている。主人公2人以外の主要キャラも、今回の第3期でそれぞれが人生の大きな壁を乗り越え、明るい未来に向かって歩む姿が描かれた。

 

 そう考えると、やはりさらに1クール使って描くほどの物語はなさそう。というか、大好きなシリーズだからこそ、蛇足になるリスクの高い第4期は作らず、きれいに幕を下ろした第3期で完結してほしいという筆者の願望もある。

 

 ラストの続編匂わせによって、和平と千明のこの先の人生も観たいという気持ちも湧いているが、最終話の余韻に浸りながら、ファンが各々の脳内で妄想するぐらいがちょうどいい気がするのだ。

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