賭博で逮捕、不正経理で異動…人気番組担当テレビマンに続発する“金銭倫理”の崩壊、透けて見える一般人との感覚の“ズレ”

 

　華やかなテレビマンの世界でいま、コンプライアンスを問われる事件が多発している。

 

「6月23日、警視庁は常習賭博の疑いで、フジテレビのバラエティ制作部企画担当部長でプロデューサーを務める鈴木善貴容疑者を逮捕しました。警視庁によると、同容疑者は3月末〜5月中旬までの1カ月半で、オンラインカジノで約1億7000万円を賭けたとみられています」（芸能ジャーナリスト）

 

　鈴木容疑者は『アウト×デラックス』や『さんまのお笑い向上委員会』『ホンマでっか！？TV』を手がけ、明石家さんまやマツコ・デラックスからも信頼されていたフジのエースクリエイター。2023年1月からスタートした昼の帯番組『ぽかぽか』では総合演出を務め、2024年7月からは「制作統括」として番組全体を見ていた。

 

「鈴木容疑者は、番組MCとしてハライチさんと神田愛花さんにオファーした人物とされています。10年以上前の若手ディレクター時代、ハライチさんの2人と仕事した経験から声をかけたそうです。残された『ぽかぽか』については、番組のレギュラーだった山本賢太アナにも、オンラインカジノの利用が発覚しています」（同前）

 

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　鈴木容疑者は、番組名とは真逆の“寒々しい”末路をたどることとなった。同じように転落劇をたどることになった“カリスマテレビマン”は、他局にもいる。

 

「『ナスD』こと、テレビ朝日の友寄隆英氏です。6月20日の人事異動で、局内の貴重な映像記録を管理する『アーカイブ運用センター』に異動になったとの報道がありました。3月に、会社の経費を不適切に使用していたこと、スタッフにパワーハラスメントをおこなっていたことを受けての判断と思われます。事実上の“左遷”といえるでしょう。演出を務めた『陸海空』シリーズでは“出役”と称して本人が登場し、U字工事ら出演タレントよりも人気を博しました。2020年からは『ナスD大冒険TV』という、冠番組すら持ちましたが、まさかの転落です。

 

　テレビマンとしての手腕もすぐれており、自らが演出を務めていた『よゐこの無人島0円生活』は、2018年の大みそかの年越し特番となるなど、上層部からの評価も高かったのですが……」（同前）

 

　各局の看板番組を預かるテレビマンたちの、金銭絡みの不祥事。X上では、

 

《上級国民意識が強すぎ》

 

《どんどん腐った実情が明らかになっていってる》

 

《個人だけ処分して誤魔化すな》

 

　といった、個人だけでなく組織への批判の声が相次いでいる。6月20日には、日本テレビ系列である日本海テレビの元幹部が『24時間テレビ』のチャリティ寄付金を着服していた問題で、検察に懲役3年が求刑されている。

 

「この元幹部は2014年から約10年間、寄付金264万6020円を着服。さらに、それ以外にも会社の売上金853万円あまりを着服しており、その総額は1118万円以上と、被害額は甚大なものでした。県警は業務上横領の時効にかからない2017年以降分について書類送検していたようです。

 

　いずれにせよ、いま、テレビマンの“金銭倫理”が問われているのは間違いないでしょう。テレビ全盛期には各局の予算も潤沢で、社員の給与も高く、経費の清算もグレーな部分が多かったとの話はありました。ところが、コンプライアンスの厳しくなったいま、テレビマンと一般的なサラリーマンとの金銭感覚のズレが、露骨に目立ってきたということでしょう」（前出・芸能ジャーナリスト）

 

“転落”した彼らに、視聴者と自分たちは違う、というおごりはなかったか。