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『波うららかに、めおと日和』芳根京子の表情が不穏すぎたが…視聴者ファーストの最終回にほっこり【ネタバレあり】

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記事投稿日:2025.06.27 18:40 最終更新日:2025.06.27 19:12
出典元: SmartFLASH
著者: 堺屋大地
『波うららかに、めおと日和』芳根京子の表情が不穏すぎたが…視聴者ファーストの最終回にほっこり【ネタバレあり】

 

 

 ファンにとって “最高の裏切り” となった最終回だった。

 

 6月26日(木)に最終話(第10話)が放送された『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)。芳根京子が主演で、お相手役を新進気鋭のイケメン俳優・本田響矢が務めるハートフル・昭和新婚ラブコメディだ。

 

 昭和11年、主人公・なつ美(芳根)は突然の縁談で、帝国海軍の中尉である瀧昌(本田)と結婚することになり、交際ゼロ日婚の新婚生活がスタート。なつ美と瀧昌はどちらも恋愛に不慣れで、初々しい2人がじれったくも少しずつ少しずつ距離を縮めいくという、ムズキュンシーンが見どころ。

 

 

 ときは流れ、前回の第9話では結婚してから1年ほどが経った昭和12年。終盤で国籍不明の船と海軍艦が衝突したかもしれないという情報が入り、瀧昌が緊急召集される。そして暴風雨続きの海上で艦が大きく揺れ、瀧昌は艦内の爆発に巻き込まれてしまう――というラストだった。

 

■【ネタバレあり】夫・瀧昌の生死は?

 

 迎えた最終話、毎日不安で押し潰されそうになりながら瀧昌の帰りを待つなつ美。

 

 戦争の気配が色濃い昭和初期が舞台で、なおかつ夫が軍人という設定のため、常に不穏な雰囲気が漂っていたが、クライマックスでは海軍の妻としての覚悟が試される展開になったわけだ。

 

 しかし、ネタバレすると、最終話の約46分のうち、序盤の10分ほどの段階で瀧昌は帰還。無事に帰ってきた夫に抱きつき、感動の抱擁シーンが描かれた。

 

 一昔前までのドラマのセオリーにのっとるなら、終盤まで夫の生死を伏せて引っ張っていただろう。生きていてハッピーエンドなのか、それとも亡くなってしまってバッドエンドなのかという要素で、視聴者を引きつけるためだ。

 

 そんなセオリーを無視したのは、ある意味、“最高の裏切り”。最終話のかなり早い段階であっさりハッピーエンドルートを確定させたのは、本作においては大正解だったと思う。

 

 なぜなら、作品のファンの多くは、うぶな夫婦のイチャイチャを観てほっこりすることを求めており、不安を煽られザワザワした心で観たいわけではないからである。緊迫したシーンをさっさと終わらせて、最終話の大半をゆるい雰囲気のムズキュンに費やしたのは、視聴者ファーストの構成だったと言えるだろう。

 

■最終話予告の芳根京子が不穏すぎた

 

 瀧昌の帰還後は、なつ美の両親・姉妹が家に訪ねてくるホームドラマ展開や、2人で結婚記念の指輪を取りに行ったり思い出のホタルを見に行ったりするラブラブ展開に終始し、不穏な空気はいっさいなし。ひたすら夫婦のイチャイチャに没頭できた。

 

 とはいえ、ハイライトはやはり瀧昌が無事に帰宅したシーン。

 

 なつ美が庭で洗濯物を干していると、玄関から「なつ美さん!」と呼ぶ声が聞こえる。すると、なつ美は一心不乱に玄関まで駆けていき、瀧昌の顔を見ると目を潤ませて彼の胸に飛び込んでいく。このときの芳根京子の表情の演技が秀逸だったのだ。

 

 実は、その玄関まで駆けていくシーンは、最終話の予告映像にも挿入されていた。ただ、予告では夫の生死は伏せられているため、芳根=なつ美の一心不乱な表情の意味がわからず……というか、鬼気迫る顔とも解釈できたため、悲報を聞いて飛び出したようにも見えたのである。

 

 要するにミスリードされていたわけだが、それはひとえに芳根の演技力のたまものだろう。その表情だけ切り取ると悲劇が起こったかにも見えるのだが、きちんと前後のシーンもふまえると、瀧昌の声が聴こえて必死に玄関に向かうなつ美の心情をみごとに表現できていたからだ。

 

 なつ美のころころと変わる表情を、ときにコミカルに、ときにシリアスに体現した芳根の演技力が光った良質ラブコメだった。

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