マツコ、くりぃむしちゅー新事務所、マネージャー募集も「給料30万円」に “安すぎ” の声…芸能事務所のブラックな裏事情とは

 

　お笑いコンビ「くりぃむしちゅー」の上田晋也と有田哲平、タレントのマツコ・デラックス、元NHKのフリーアナウンサー有働由美子らが所属する芸能事務所・チャッターボックスがマネージャーの募集を開始して話題となっている。

 

「チャッターボックスは7月に新たに立ち上げられた芸能事務所です。前事務所のナチュラルエイトは、金銭トラブルによる女性社長の “失踪” が1月に『週刊文春』に報じられ、その後、社長は辞任しています。

 

　女性社長はもともとくりぃむしちゅーのチーフマネージャーで、元の事務所から独立する形でナチュラルエイトを設立。実質的なお笑い系の事務所でしたが、その後、マツコさんや有働さんが加わりました。ナチュラルエイトが機能不全に陥ったため、今回の新事務所設立に至った形です」（芸能プロ関係者）

 

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　新事務所の公式サイトでは《今までお金のこと、経営のこと、大事なことを人任せにしすぎていたと猛省しました》と4人のコメントも紹介され、今後は積極的に経営に参加する意思もうかがえる。

 

　気になるマネージャーの求人は、《正社員（試用期間3か月）もしくは契約社員》で、応募資格は《東京近郊在住、要普通自動車免許（東京都内運転経験者、尚歓迎）、未経験可、経験者優遇》となっている。

 

　業務内容は《タレントマネジメント業務及びその他付随業務全般》で、勤務時間は《変形労働時間制もしくはシフト勤務》《固定残業時間制度あり》。休日は月6日以上、給与は試用期間が25万円、本採用は30万円〜となっている。

 

　X上では、待遇に対するツッコミの声も聞かれる。

 

《こんな安いのか？ 9時、17時で帰って良いのか?》

 

《タレントさんはいっぱい稼いでるのに、マネージャーさんは薄給ですね》

 

《くりぃむ マツコ 有働さんの事務所でこの給料安すぎ…芸能のマネージャーでみなし残業とかブラックな予感しかしないし》

 

　このほか《休日返上で運命を共にする覚悟がないとマネージャー業務は難しいよね》といった声も出ている。

 

「大手芸能事務所の新卒採用の条件を見てみると、たとえば吉本興業は4年制大学・大学院卒業者が月額24万1490円プラス手当（年俸制、インセンティブあり）。

 

　ワタナベエンターテインメントは大学院を含む大学、短大、専門学校を卒業、または卒業見込み者が月25万7000円（45時間分の時間外手当含む）、賞与が年2回となっています。

 

　どちらも月の手取りは20万円前後といったところですね。これらと比べると、チャッターボックスの給与が極端に低いわけではありませんが、インセンティブや賞与が明記されていないので、仮にこれらがないとすると、年収ベースでは大手より低い水準となるでしょう。

 

　さらに小さな芸能事務所の場合、タレントの売り込みや、スタッフとのコネクション作りなど実質的な営業活動も兼ねる必要があるので、業務は多岐にわたります」（前出・芸能プロ関係者）

 

　芸能プロでは、「給料は高くないが私たちと働きたい人は来てください」といったメッセージを出すことが多いが、この手の求人はうまくいかないケースも少なくないようだ。

 

「芸能マネージャーの仕事は裏方の泥臭いものであり、“激務で薄給” が通例です。《未経験可》を掲げてしまうと、華やかな芸能界のイメージに憧れて応募してくる人も多いので、マッチングがしづらい。

 

　単にくりぃむしちゅーさんやマツコさんとお近づきになりたいだけの人も応募してくるでしょう。そのため、“不毛” な採用活動に時間を割かれる結果となりがちです。

 

　この手の人材を探す場合、通常は、個人的なツテや人脈を通して見込みのある人を探して声をかけるもの。今回のマネージャー公募は、新事務所の深刻な “人材不足” を露呈しているように見えます。

 

　そもそもの根幹をただせば、働き方改革などがすすむ他業種に比べて、芸能事務所のスタッフは明らかに “ブラック寄り” です。業界全体で待遇の見直しなどをすすめる必要があるでしょうね」（同）

 

　くりぃむやマツコはこの難局を乗り切れるだろうか。