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相葉雅紀『大追跡 ~警視庁SSBC強行犯係~』最終話ラストの衝撃的な “あっけなさ” は続編フラグ?【ネタバレあり】

相葉雅紀
ラスト1分のシーンは、仲間たちとの団らんであっさり終幕。この “あっけなさ” こそが続編フラグに思えてならない。
嵐・相葉雅紀、大森南朋、松下奈緒のトリプル主演作だった刑事ドラマ『大追跡 ~警視庁SSBC強行犯係~』(テレビ朝日系)。9月3日(水)に最終話(第9話)が放送され、大団円のフィナーレを迎えた。
■【ネタバレあり】“縦軸” となっていた22年前の事件とは
「SSBC」とは警視庁捜査支援分析センターのことで、防犯カメラ映像の収集・分析、スマホやPCのデータ解析、または容疑者のプロファイリングなどをおこなう部署。そのなかで新設されたのが「SSBC強行犯係」で、殺人・強盗・放火といった凶悪事件を担当する捜査一課を専門に支援する別班だ。
相葉が演じる1人めの主人公・名波凛太郎は、SSBC強行犯係の新メンバーとして配属されたキャリア官僚。
大森が演じる2人めの主人公・伊垣修二は、SSBC強行犯係で名波とバディを組んでおり、ノンキャリアながら頼りになる先輩。
松下が演じる3人めの主人公・青柳遥は、SSBC強行犯係所属ではなく、警視庁捜査一課の主任で、伊垣とは元夫婦。
この3人を中心にさまざまな事件を解決してきた本作だが、名波がSSBCに配属された理由にからんで、22年前に起きた未解決の殺人事件がドラマの “縦軸” となっていた。
22年前に起こったのは、警察官から拳銃を奪った犯人が、張り込み中だった別の刑事を射殺して逃亡したという事件。
エリート一家・名波の叔父(佐藤浩市)は、元・警察庁長官で現・内閣官房長官という超お偉いさん。そして22年前の事件の指揮を執っていたのが叔父で、名波と叔父はこの犯人を捕まえることに執念を燃やしていたのだ。
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■正直、結末は少々しょぼく、盛り上がりに欠けた
22年前の事件の犯人を捕まえるまでのエピソードは前回(第8話)と最終話の2話分を使って描かれたので、ドラマのクライマックスにふさわしいボリュームだった。
けれど、事件の真相や犯人にさほど意外性がなく、グイグイ引き込まれる感じも薄い。正直、結末も少々しょぼく、盛り上がりに欠けていたと思う。
とはいえ、未解明の謎を残すことも未回収の伏線を残すこともなく、きれいに解決して大団円のフィナーレへ。
ラストシーンは約1分間。SSBCのメンバーに加え、青柳や捜査一課長(遠藤憲一)も交えて、メンバーの地元のおみやげのきび団子で、事件解決を祝して乾杯するというほのぼのムードで終了。
桃太郎でお馴染みのきび団子をみんなで食べたため、SSBCの結束の強さや、対立することもあった青柳や捜査一課長も仲間なのだと示したシーンだったが、それにしても実にあっさりしたエンディングだった。
ただ、感動の余韻をあまり感じさせないこの “あっけなさ” も、シーズン2への布石だと考えると腑に落ちる。
■視聴率は高水準で安定! シーズン2の実現度は高い?
本作が放送されたテレ朝の水曜21時枠では、水谷豊主演の『相棒』が長年放送されている。ほかにも、相葉の先輩である東山紀之主演の『刑事7人』、井ノ原快彦主演の『特捜9』も人気を博していた。要は、長期刑事ドラマシリーズでお馴染みのドラマ枠だ。
しかし、『刑事7人』も『特捜9』もシリーズ終了しており、『相棒』は水谷の高齢化問題があるため、テレ朝としては『大追跡』を長期シリーズに育てようという算段があるのではないか。
『大追跡』の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は全話で世帯8%以上、個人4%以上を記録しており、まずまずの高水準で安定していた。きちんと結果を出しているので、続編制作への弾みがついているに違いない。
続編を前提としていたから、最終話でもあえて仰々しく盛り上げることはしなかったように感じる。逆に考えて、続編制作ナシで今回のエピソードがこのドラマの本当のラストだったとするなら、あんな肩透かし感のあるほんわかエンディングでいいのかと思うほど。
いずれにしても、続編を望む視聴者は多いだろうから、シーズン2の実現度は高そうだ。主人公3人の活躍がまた観られる日を期待している。