エンタメ・アイドルエンタメ・アイドル

『坂本冬美のモゴモゴ紅白』・第16回/瞬間最高視聴率64.9%を記録した安室奈美恵ちゃんの産休からのカムバック!

エンタメ・アイドル
記事投稿日:2025.09.27 06:00 最終更新日:2025.09.27 07:32
出典元: 週刊FLASH 2025年10月7日号
著者: 『FLASH』編集部
『坂本冬美のモゴモゴ紅白』・第16回/瞬間最高視聴率64.9%を記録した安室奈美恵ちゃんの産休からのカムバック!

天童よしみ、坂本冬美

 

 SPEEDの『ALL MY TRUE LOVE』で始まった『第49回NHK紅白歌合戦』は、後に “伝説の『紅白』” といわれるほど、いろんな意味で、見どころ満載、聴きどころ満載、ツッコミどころ満載の『紅白』でした。

 

 1部では『姿三四郎』をもじって名づけられた “せがた三四郎” として登場した藤岡弘、さんが、突如出現した怪人イカデビル率いるショッカー軍団と戦うために、仮面ライダー1号に変身。さらに、仮面ライダー2号、V3、RXが加わって、白組の皆さんは大興奮。

 

 世界中の子供たちから愛されるポケモンが大活躍する映画『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』のエンディング主題歌、小林幸子さんが歌った『風といっしょに』では、歌詞テロップの漢字にすべて振り仮名がつけられ、子供たちが大合唱。

 

 さだまさしさんは、『紅白』史上初となるハミングで、『北の国から’98』を歌い、北島三郎さんは、『根っこ』の歌詞が飛んでしまうというハプニング!! もっとも、北島御大はこの一度だけで、わたしは二度も……モゴモゴモゴ(苦笑)。

 

 

『今あなたにうたいたい』を歌った大トリの和田アキ子さんは、サビの部分でいきなりマイクを外して地声で歌唱。自らマイクを外されたときは、一瞬何が起こったのかわからず、後ろで観ていたわたしたちのほうが慌ててしまいました。

 

 さらにもうひとつ。『第49回紅白』を伝説たらしめたのは、前年の『紅白』を最後に一年間の産休に入っていた安室(奈美恵)ちゃんが、この『紅白』で復帰したこと。瞬間最高視聴率64.9%を記録したあのシーンです。

 

 黒のガウンを羽織り、階段をゆっくりと降りてくる安室ちゃんを観ながら、うるっとしちゃって。想いが溢れて流した安室ちゃんの涙が、あまりにも美しくて、あまりにも切なくて……。心の中で、 “頑張れ! 頑張れ!” と呟いたことを思い出します。

 

ーー優勝は紅組か? それとも白組か? 

 

 毎年どちらが勝つかは、あまり、さほど、ほとんど気にしたことはありません。審査結果を待つ間も、夏ちゃん(伍代夏子)やあやちゃん(藤あや子)たちと、「今年も終わったねー」とか「来年も頑張ろーね」とか、小さな声でヒソヒソと話していますが、この年はちょっとだけ違いました。

 

 9対4で紅組の優勝ーー。

 

その結果を聞いた瞬間、 “勝ててよかった” と、妙に嬉しかったのを覚えています。

 

 この伝説の『紅白』でわたしが歌わせていただいたのは、 “遅い春ほどあたたかい” と落ち着いた雰囲気の王道演歌の『ふたり咲き』。

 

 作詞は、シングル曲では初めての麻こよみ先生。作曲は、ご自身で作られた『浪花恋しぐれ』を、都はるみ大先輩とデュエットされた岡千秋先生です。

 

ーー当時、『紅白』に出るのは当たり前という、不動の地位にいた?

 

 とんでもないです。『夜桜お七』との出合い、前々年は紅組のトリ、11年連続出場。……そういった言葉を並べると、確かにすごいんですけど、当時のわたしはまだまだ新人。吹けば飛ぶような歌手だと思っていましたし、事実その程度の存在でした。

 

ーー今年はこの曲で『紅白』を目指します!

 

 新曲のお披露目では、毎年決まってこのフレーズを口にしていましたが、自信なんてまるでありません。

 

 数えきれないほどいる歌手の中から、 “選ばれた歌手” ではなく “選んでいただけた歌手” 。それも自分の力ではなく、スタッフの力でです。もっとも、それは今でもあまり変わっていませんが……モゴモゴモゴ(苦笑)。

 

さかもとふゆみ
1967 年3月30日生まれ 和歌山県出身『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、最新シングル『浪花魂』が好評発売中!

 

写真・中村 功、産経新聞
取材&文・工藤 晋

続きを見る
12

今、あなたにおすすめの記事

エンタメ・アイドル一覧をもっと見る