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梶芽衣子『女囚さそり』キャラ誕生の秘話を語る
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2018.03.25 20:00 最終更新日:2018.03.25 20:00
女優の梶芽衣子(70)が、3月10日放送の『サワコの朝』(TBS系)に出演した。
梶はジーンズにタートルネックのセーターというラフな格好でスタジオに登場。司会の阿川佐和子が、思わず「たくさんの女優さんに出ていただいているんですけど、ジーンズの方は初めてです」と漏らすも、「ダメだった? だって朝だからジーンズでしょと思って」と応じる。
クエンティン・タランティーノなど海外の有名映画監督からも愛される梶だが、そのカリスマ性は日活からデビューした時点で発揮されていたという。
「デビューしたときに、自分でどうにかしなくちゃいけないくらいほったらかされてて。同期は渡(哲也)さんだったんですけど、会社が全部渡さん。私はどうでもいい的な。
あのころの女優さんて、みなさん優等生だったわけ。その中で、同じじゃあダメでしょうって。ここにいないのは非行少女だなと思ったんですよ。それでジーンズを履きました」
清純派女優たちの中でジーンズ履きは異端児だったのだろう、案の定、会社から呼び出しがかかった。
「ある日、所長さんに呼ばれて『君は女優さんなんだから、もうちょっと女優らしい服装があるでしょう』って。(私は)『そうですね。でもギャラが安すぎて買えませんし、別に不潔にしてるわけでもない。洗いざらし(のジーンズ)に白いシャツで、これもちゃんと清潔なもんですよ。何がいけないんですか』って」
この発言に対し、所長は言い返すこともできず「わかりました」と了承。それ以降もジーパンで通した梶は、「『すごいのが入ってきちゃったね』みたいなことだったらしいですよ。だって女優さんは逆らう人なんていないから」と振り返っていた。
梶の代表作に『女囚さそり』がある。タランティーノも心酔する作品だ。この映画の制作においても、梶は独自のこだわりを見せるのだが、意外にも最初は乗り気でなかったという。
「台本と原作を家で見て、タメ口羅列の喧嘩ばっかりでこれはできないなと。このままだとつまらない。どうすればいいんだと思ったときに『このヒロインに言葉はいらない』って(ひらめいた)。
相手が喧嘩をふっかけて来るけど、それに対して無言でいる方が怖くないかなと。それで『一切セリフ言わないでいいんだったらやらせていただくけど、この台本のままだったらやらないわ』と」
大胆な提案は受け入れられ、企画がスタート。梶は制作側の決定を「賭けは大きかったと思うのよ」と振り返る。
当時、映画は2本立てが基本。本人いわく菅原文太の主演作と抱き合わせのB級映画の予定だったというが、いざ蓋を開けてみれば、宣伝部が「さそりで来てますわ〜」の大騒ぎになるほどの大ヒットだった。
映画『キル・ビル』の挿入歌をきっかけに、世界中で幅広い世代のファンを得た梶。過去の出演作も次々にDVDとして復刻され、日本の若い世代にも注目されることとなった。彼女のカリスマ性に時代は関係ないのだ。