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吉田鋼太郎「蜷川幸雄」の演出を引き継ぐも「夢でも怖い…」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2018.05.08 16:00 最終更新日:2018.05.08 16:00
俳優の吉田鋼太郎が、4月30日放送の『しゃべくり007』(日本テレビ系)に出演し、演出家の故・蜷川幸雄氏とのエピソードについて語った。
番組で吉田は「最初から怒られたのが出会いだった。まだ21ぐらいのとき。女装した男の人(の役)で、それが100人ぐらいで踊る。若かったので、どうやってやったらいいものかいろいろ手探りで、なんとなくやってた」と振り返る。
当然、蜷川氏から「そこのお前! なんだそれは。もっと踊るんだよ!」と檄が飛んだという。
「最初は誰に言ってるのかわからなかった。俺だったらすごく嫌だなと。で、恐る恐る視線の方向を見たらここ(自分)だったんです。そのときに二度と会いたくないと(思った)。次の日から行くのをやめました。『もう辞めよう』と」
そのまま吉田は舞台をフェードアウトして降板。出演者から「次のオファーが来なくなるでしょう?」と質問されると、吉田は「ずっと来ない。(再会するのは)20年後」と明かしていた。再会時にその話をするも「日常茶飯事」だったため、本人はまったく覚えていなかったという。
現在は遺志を受け継ぎ、シェークスピアの舞台の芸術監督を務めている吉田。WEBマガジン「スパイス」のインタビューで、蜷川氏から受けた演出についてこう語っている。
「俳優の肉体、個の人生を通過した台詞でなければ、お客様に届けることはできないと、そこは非常にこだわってらっしゃいました。最後の『NINAGAWA・マクベス』の稽古場でも、『とにかくお前たちの言葉でしゃべってくれ』と。シェイクスピアをいかに俳優の言葉として喋るか。非常に難しいことですが、僕が共感する部分もそこですね」
偉人の後を継ぐプレッシャーからか、蜷川氏が夢に出てくることもあるという。
「しょっちゅうですね、もう5、6回は出てこられました。たいてい機嫌が悪い(笑)。例えば、準備不足で稽古場に行って、なんとか誤魔化して乗りきろうとするのに、やっぱりバレて怒られるとか。リアルなときと同じですね。夢でも怖いです(笑)」
インタビューでは、一度逃げた自分が演出を引き継いでいることについて「運命って不思議だなって思いますね」と述べていた。役者人生として、蜷川氏抜きには語れないようだ。